【そのとき投資】LIVIT、気候危機のゲームチェンジャー「タンソリューション」を提示する
【そのとき投資】LIVIT、気候危機のゲームチェンジャー「タンソリューション」を提示する
@そのとき投資(私はその時、投資することを決めました)では、現役の投資家がなぜこのスタートアップに投資したのかを共有します。
OTTプラットフォームで「私たちの地球」というタイトルのドキュメンタリーを見たことがある。ドキュメンタリーの冒頭は、私たちが住む地球の多彩な風景と、なかなか行けない未知の場所を見せる圧倒的な映像美で始まるが、その美しい風景の裏に隠された真実は残酷だった。人間の活動が自然環境に及ぼす影響を示し、気候変動、生息地の破壊など、人類の利己主義によって危機に瀕している地球の生態系の現状を一つ残らず見せてくれた。予測不可能な大雨、異常高温現象など、気候危機や環境問題はもはや遠い未来の話ではなく、「私」が直接経験する現実として体感できる。このような問題を解決するために、世界的に炭素規制法が徐々に導入され、産業化を行なっている国に大きな責任を課す炭素排出権制度を通じて削減目標を設定された。韓国も2022年3月からカーボンニュートラル・グリーン成長基本法を制定し、企業がESG(環境、社会、ガバナンス)目標の達成と炭素排出量を削減できるよう、ESG公示義務、カーボンニュートラル基本法を施行している。
企業においてESG開示義務、カーボンニュートラル基本法を達成するために、企業の温室効果ガス削減効果を反映した炭素会計処理と報告書作成などを実施しているが、煩雑な反復作業や頻繁な温室効果ガス関連規制の変更により、作成した報告書をな何度も再作成しなければならないという問題が発生している。このような苦しい状況を解決するために、2023年10月、複雑な規制対応と企業のカーボンニュートラルの課題を解決するワンストップ炭素排出管理ソリューション、LIVIT(リビット)が誕生した。
LIVITのタンソリューション /LIVIT
ローンチ5ヶ月で4社の顧客を確保
ESG経営が話題になり、環境問題を解決するスタートアップを積極的に探していた時だった。審査員として参加したデモデー本選のステージで、企業向け炭素排出管理SaaSプラットフォームを開発したLIVITのイ・ジョンミン代表のピッチングを聞くこととなった。環境保全に対する認識が高いニュージーランドで育ち、自然に環境問題について関心を持つようになったイ・ジョンミン代表は、UCバークレーで環境工学を専攻、本格的に研究員として活動していた頃、廃水処理場から一日に排出される廃水の量を見て、技術で環境問題を解決したいと考えたという。本格的な起業前に様々な経験を積むため、シリコンバレーに所在する企業で技術戦略企画及び新事業企画業務を担当し、ESG分野の事業アイデアを構想するようになり、企業用温室効果ガス排出管理ソリューションである「タンソリューション」プラットフォームを開発した。解決しようとする問題に対する真摯な姿勢とイ代表の実行力を目にし、SparkLabs(スパークラボ)の正規バッチプログラムへの参加を積極的に勧めた。
SparkLabs第22期バッチプログラムに参加したLIVITは、顧客と直接対面するセールス戦略に重きを置いた。シリコンバレーで様々な経験を積んできたイ代表は、市場動向調査や戦略企画の面で優れた能力を持っていたが、タンソリューションサービスを知らせるためには、より積極的なアプローチが必要だった。直接足を運んでサービスを紹介するという綿密なセールス戦略で、配置プログラム期間中、ターゲット企業内のESG部門とのミーティングを通じて、潜在顧客の反応やフィードバックを聞くことができた。イ代表は実際に会った顧客のフィードバックをタンソリューションサービスに積極的に反映し、1週間単位で行われた定期的なブリーフィングを通じてLIVITの事業的目標と定量的なKPIを確認、印象的な指標を作り出した。
このようなサービスの高度化過程を経て完成したタンソリューションは、温室効果ガスの排出量測定から削減オフセット及び報告書の自動生成まで、企業内に専門人材がいなくても規制及び公示基準を自動反映してくれるワンストップサービスに発展した。2023年10月に正式サービスをローンチし、5ヶ月でHOBAN CONSTRUCTION(ホバン建設)とBANDO E&C(バンド建設)を含む4社の顧客を確保、金融業、製造業など様々な業種の顧客との契約やPoCまで活発に進めている。昨年下半期にはSparkLabsとPlanH Ventures(プランH ベンチャーズ)からシード投資で資金調達を行なった。また、独歩的な技術力が認められ、KiboVentureCAMP(ギボベンチャーキャンプ)優秀企業及び中小ベンチャー企業部の技術創業支援プログラムであるTIPS(ティップス)に選定され、企業の炭素排出量削減に関する研究開発を進め、タンソリューションにAI技術を融合してサービスを高度化している。
LIVITイ・ジョンミン代表 /LIVIT提供
東南アジア市場進出による拡大を模索
持続可能な未来のため、LIVITの次の目標は何だろうか?イ・ジョンミン代表は、現在サービス中の炭素排出管理ソリューションを起点に、急変するカーボン市場に合わせ、企業の炭素削減を取引する自発的な領域とサプライチェーン企業が密集している東南アジア市場への進出を通じて事業を拡大する計画を立てている。さらに、企業の炭素排出削減が収益化できる好循環構造を実現し、炭素競争力の強化が企業経営において当たり前となることを目指していると述べた。
私たちが生きている気候危機の時代、炭素排出削減は今や地球上のすべての企業の課題となっている。そのために絶え間なく研究し、実用的なソリューションを提供するLIVITの誠実さと技術力が、グローバル市場でも早いうちにその実を結ぶと確信している。
LIVIT集合写真 /LIVIT提供
朝鮮日報のニュースレター、「ちょい事情通の記者(쫌아는기자들)」です。
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