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【ENVELOPS】農業をしながら太陽光発電までできるなら?韓国のスタートアップの7人が「営農型太陽光」を持ってフィジーの島へ行った理由

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【ENVELOPS】農業をしながら太陽光発電までできるなら?韓国のスタートアップの7人が「営農型太陽光」を持ってフィジーの島へ行った理由

太陽光発電というとどんなイメージが浮かびますか?地すべりと無分別な開発でマイナスなイメージばかりなのではないでしょうか?気候変動、食料不足、再生可能エネルギーの拡大...太陽光発電を導入する理由は多いですが、同時に太陽光発電にはますます制約が増え続けています。韓国 慶尙北道九亀市(キョンサン北道クミ市)の場合、規制前には市全体面積の20%に太陽光施設を建てることができましたが、現在では可能敷地は1%にも及びません。

ENVELOPS(エンベロップス)は営農型太陽光という新しい概念に挑戦するスタートアップです。農地の上に太陽光パネル設備を作り、作物の生産と太陽光発電の両方を行う技術です。まだ実証、研究段階にある技術ですが、ヨーロッパ・フランスのワイナリーではすでに収益性を証明して本格的な商業化に入っているそうです。

ENVELOPSは珍しくもフィジーやベトナムのような南半球市場を攻略しています。未だ本格的な発電所を建てる前ではありますが、実証研究で成果を徐々に出し始めている段階だといいます。そしてHowなしに、ひたすらミッションだけで挑戦した彼らには7人のチームメンバーが集まっています。地球の反対側の小さな島で、営農型太陽光という新しい市場開拓に挑戦したENVELOPSの創業者、ユン・ソン代表にお会いしました。

ENVELOPS ユン・ソン代表/ENVELOPS

フィジーのオバラウ島、1万人の住民のうち5000人の電力供給を担いながら作物生産まで 

「営農型太陽光ソリューションを行うためにENVELOPSがすることは大きく3つです。この技術の課題であり、会社の課題ですね。まず、作物の上に太陽光発電所を適切に設置し、太陽光発電を行いながら作物を成長させること。両方の目標を作るシステムです。地域と環境に合わせたデザインで、シミュレーションを通じて高さ、間隔、角度を調節して最適な環境を作ろうとしています。そうでなければ、作物が死んだり生産性が低下したりします。2つ目は天気対応システムです。雨や霜が降る日、太陽光板の角度を調整して作物が保護される環境を作ります。3つ目は海外で営農型太陽光発電事業を直接開発することです。直接海外に進出して発電を行い、炭素排出権を確保するモデルを構想しています。」

-フィジーのオバラウという小さな島で営農型太陽光発電所を作っています。

「2018年に創業し、現在4MWp規模の営農型太陽光発電所をフィジーで建てています。フィジー本島の近くにオバラウという小さな島があります。もともとこの島は100%ディーゼル発電で回っている島でした。ところがフィジー政府はこの地域への再生可能エネルギー導入を目指しましたが、この島で太陽光発電ができる場所は唯一農地だけでした。問題は、農地の上に太陽光発電所を設置すると、食料安全保障問題が発生するということです。結局、気候変動を遅らせようとするのも食糧生産量を懸念してのことで、そうなると太陽光を設置する意味がなくなる、そんな矛盾に陥るのです。 

結局、オバラウ島は作物と太陽光発電を同時に進めることができる営農型太陽光事業に乗り出し、ENVELOPSを訪ねることになったのです。オバラウ島とのプロジェクトは韓国国内開発事業で初めてグリーン気候基金承認を受け、2020年に着工し、現在一部(200kw程度)が建設された状態です。残りの主要施設を建てる本着工は今年年末に始められ、来年下半期ごろに竣工計画です。」 

-規模はどのくらいになるのでしょうか。小さな島だから、大きくはできないでしょうが、だからといって実証事業規模ほど小さいと事業性証明になりませんよね。

「507ヘクタール、2万坪程の規模で建設します。一般的にサッカー場が2000坪程なので、サッカー場10個ほどの規模と見なすことができます。オバラウ島のピーク電力は1.7メガワット程で、ENVELOPS営農型太陽光発電所は、この電力需要の半分程度を担うことができます。地元住民は約1万人ほどです。そのうちの半分、5000人に電気を供給する役割を担うわけです。」

フィジー・オバラウ島のENVELOPS営農型太陽光発電所建設現場/ENVELOPS

-営農型太陽光はフィジーのような特殊な環境の地域で必要とされるものではないでしょうか?土地がすごく広い国では、営農型太陽光ニーズは小さいかもしれません。そうすると市場性も落ちるのではないでしょうか。

「太陽光の敷地問題を持っている国はとても多く、韓国も例外ではありません。営農型太陽光が最も活発に導入されているのはどこかご存知でしょうか。ヨーロッパです。すでにヨーロッパは新規太陽光設備が営農型太陽光に変わっていく傾向にあります。石炭発電所が必要とする敷地に鉱山まで含めた面積より、同じ発電量基準で太陽光がより広い面積を占めています。1MWhあたりで石炭発電は15平方メートルを必要とします。しかし、太陽光はこれよりはるかに広い19平方メートルが必要です。すべてのエネルギー発電のうち、単位電力と占める面積が最大の方式が太陽光ということです。」

-日当たりの良い農地、太陽光発電に最適...だからといって農地を太陽光発電に替えるとなれば?規制を増やすと、太陽光可能敷地20%から1%以下に 島や、半島である韓国のように、国土の面積が非常に制限されている国では、太陽光の設置が難しいかもしれませんが、ヨーロッパやアメリカは空地もかなりあります。このような土地を利用する方法はないのでしょうか?

「太陽光発電はどこにでも、ただ日当たりの良い場所へいって設備を作れば発電できるというシステムではありません。たとえば、グリッド(電気を供給するためのネットワーク、送電線、変電所などを含む)が用意されていなければならず、道路インフラがあってこそスムーズに工事ができます。土地だけある場所に、すべて建てることができればいいのですが、そうできないので太陽光もかなり制約条件があると考えなければなりません。この基準でいくと、太陽光発電所を建てるのに適した敷地はあまり残っていません。ヨーロッパも同じです。

今の営農型太陽光技術を1.0バージョン、あるいは1.0世代と表現するなら、1.0は単に敷地を太陽光+農地目的ともに使用可能にしたものです。2.0世代技術からは、気候変動による被害を最小限に抑えることができる、いわゆる気候適応型システムに進化した状況です。そのためヨーロッパが積極的に営農型太陽光を導入しようとしています。最近フランスで100メガワット規模の太陽光入札がありました。選ばれた事業のうち80メガワットが営農型太陽光でした」

-まず韓国の状況から。太陽光発電の敷地がどのくらい足りないのですか?

「太陽光発電による土砂崩れ、乱開発などの問題を経験する中で、太陽光発電施設を建てることができる土地に対する規制が多数出てきました。例えば、傾斜がひどい山地に建てられた場合には、地すべりを引き起こすこともあり、山地破壊を防ぐための規制もあります。例えば、慶尙北道九亀市(キョンサン北道クミ市)の場合、規制前太陽光を設置可能だった面積は、市全体の面積の約20.28%にも及んでいました。最近の規制に基づき、可能な敷地を再調査すると、市全体の面積の0.09%と激減しました。現在、太陽光施設「だけ」を作るにはかなりトリッキーになったということです。韓国だけの特殊な状況でもありません。海外では食料安全保障が重要になり、「農地として使える大切な土地に太陽光発電施設だけ作るわけにはいかない」と規制がますます多くなっています。オハイオ、アイオのような農業を中心としているアメリカの州では農地の一般太陽光発電施設利用を全面禁止し、イギリスとイスラエルも同様の規制がある状況です。」

-考えてみると作物がよく育つ農地というのは、太陽がよく照る土地でしょうね。農作物と太陽光は結局一緒に進んでいく仕組みだったのに、現代に来て何を収益化するか競争する関係になりましたね。

「農地は太陽光発電をするのに良い場所です。しかし、農地を全部ひっくり返して太陽光発電施設を作ると、食料生産量が大幅に減ります。個々の農民がこのような選択をするのを防ぐための規制なのです。しかし、これも規制のみで統制することはできず、農業と太陽光が共生できる技術的な構造、システムを作ろうとする試みが産業から出てきたのです。農民に太陽光発電を通じて収益をさらに増やして農業をあきらめないようにするのです。韓国内での営農型太陽光導入目的には農家の収入の増大もあります。現在、むしろ米が余っている状況であり、稲作農家の困難はますます大きくなっているためです。敷地に営農型太陽光を設置して住民所得を増大させ、生産量も管理できたらどうか。いくつかのアイデアが議論されています。」

太陽光発電施設関連規制の導入状況。写真の中の青い点がつけられているところがユン代表が例として挙げた九亀市の規制前と規制後の太陽光設置可能面積の変化だ。 /ENVELOPS

フィジー開始でベトナム、ジャメキア、ルワンダに挑戦...開発途上国に行く理由 

-この技術の最初の導入推進地域をなぜフィジーにされたのでしょうか。韓国も同じ問題を抱えているのであれば、韓国内で事業を行う方が容易ではなかったでしょうか。

「ENVELOPSの目的のためです。営農型太陽光会社で始まったのではなく、開発途上国の立ち遅れている地域での気候対応を手助けするために始めました。特にフィジーのオバラウは気候被害を受け、開発の遅れている地域だからです。フィジー政府と協力して新再生可能エネルギーへの転換方法を悩んでいましたが、営農型太陽光が最も適切な技術と判断し、これを導入することになりました。

フィジーでは4メガワット事業を承認された状態で、16メガワット規模の拡張事業に対する妥当性調査が最近終了しました。インドネシア事業も妥当性調査が終わり、年末に着工予定です。ベトナム、ジャマイカ、ルワンダのような国はまだ議論のレベルですが、ベトナムのような場合には実証プラントを竣工しました。それで太陽光発電所で実際の作物を栽培しています。」

-フィジーで技術検証、事業性の検討が終わったのでは?各国進出するたびに実証が必要なのでしょうか?それともENVELOPSの技術に対する信頼がまだ低いのですか?

「特定の国で建てられた太陽光発電所を同じように他の国に建てるからといって同じ効率にはなり得ません。地域環境が異なり、作物特性も異なりますからね。パネルの角度、高さ、作物の種類などを気候や土壌環境に合わせて選定するために実証事業が必要です。この実証を経て事業性と効果が十分だと判断されてこそ企画できるのです。」

-エコフレンドリーの発展には必ずしも太陽光しかないという訳ではないと思います。そしてベトナム、ルワンダのような国々にも新再生可能エネルギーに対する需要がありますよね。

「開発途上国のほとんどは、まだ化石燃料ベースの経済であり、新再生可能エネルギーへの転換を積極的に推進しようとしています。問題はこれらの代案は太陽光しかないということです。太陽光が最もシンプルで確実な代案です。風力発電は地域的な制限が非常に厳しいです。風が一定に吹かなければならないのですが、これが容易ではありません。原子力のような発電方式も高水準のインフラ、技術が必要で複雑な問題が多いです。でも、太陽はどこにでもあるというメリットがあります。」

ENVELOPSのベトナム実証事業の様子 /ENVELOPS

営農型太陽光を使うと作物生産量-20%、それなのに、フランスのワイナリーが営農型太陽光を大挙導入する理由

-ENVELOPSの技術が気になります。結局のところ、ソーラーパネルは中国産を使っていますよね。パネルを直接製造してはいません。それなら誰が営農型太陽光設備を設置しようと、つまりENVELOPSでなかろうと、関係ないのではないでしょうか?

「営農型太陽光市場はまだ成熟していない市場です。しかし、ヨーロッパでは商業の可能性を見ている意味ある試みが続々と出てきています。フランスの場合、ワイナリーで積極的に取り入れています。ブドウの生産性、商品性を高めながらも太陽光発電の収益を得ることができる営農型発電で成果を出し始めたのです。先ほど申し上げた通り、営農型発電は地域、気候、作物によって必要な措置が異っており、いくつかの実証とテストが必要です。フィジー、インドネシア、ベトナム、こうした多様な国で事業を行いながらデータを確保し、持っているシミュレーション技術を複数の作物に適用できるようにしなければなりません。それがすなわち技術であり市場競争力になるのです。フランスの発電会社がワイナリー営農型太陽光にスキルを保有するようになったように。

作物ごとに必要なソーラーパネルの角度を遠隔やシステムで自動調整する技術を開発中です。パネルの角度は、天候とリアルタイムの下部環境を分析することによって調整されます。例えば、太陽の光が強すぎると作物にダメージを与える可能性があるため、太陽光パネルが作物を隠すことができるよう、パネルを閉じると良いです。また、霜の被害の可能性があるので、天気予報によってパネルが霜を防げるようにします。このように作物の生産性に役立つこともできるようになるかもしれません。」

-しかし、実証が必要だというのは基本的に営農型太陽光を設置すればある程度、作物生産へは被害を受けざるを得ないということを意味しますよね。そのダメージを最小化する方法を調べているわけで。

「作物の上に太陽光パネルがあると、基本的に作物生産性は20~30%低下します。この問題を克服し、最小化することが、すなわち技術であり、市場競争力となるのです。フランスは今や商業段階に移っており、これはワイナリーで十分な実証と商業性を証明したためです。ボルドーワインは気候変動のため、単純栽培ではフランスのボルドー地域で十分な味を出すことができない危機にさらされました。夏は暑すぎ、冬は寒すぎるとブドウの品種と成長に制約がかかります。営農型太陽光を使ったのはこのような変化に対処するためでした。日照量を調節し、寒さを防いたり、パネルが上にあるため、干ばつの際には土壌蒸発も防ぎます。そのように何度も実証を経ながら以前の味が比較的回復したケースがフランスです。

先進国では営農型太陽光に対する試みが着実に行われていたため、意味のある実証結果が出たというのもあります。アメリカ アリゾナではチリ唐辛子生産性が3倍増加し、水利用効率も150%以上高くなりました。オランダでは、昼間は太陽光モジュールの周囲温度がむしろ5度低下、夜は下部温度が一般的な農地に比べて高く、夜間の低温被害を防ぐという方法でベリー類作物の温度管理法を研究しています。このように、国家と地域の目的に合わせて作物カスタマイズ型運営法を習得しているわけです。韓国の宝城(ポソン)でも、寒波や霜による茶畑被害を最小限に抑える営農型太陽光技術が研究されており、一般農地比での生産性が最小20%から最大90%まで増加したという研究結果もあります。」

ENVELOPSのベトナム実証事業の様子。作物が成長している。/ENVELOPS

フィジーでバニラとタロイモを栽培してみると...海外の営農型太陽光の収益率は?

-ENVELOPSがフィジーで栽培する作物は他とは異なるのですか?例えば南半球を狙ったオーダーメイド作物であるとか。

「フィジーで実証されている作物は、トロピカルバニラという高付加価値作物です。営農型太陽光は、通常の太陽光よりも当然コストがかかります。1.5倍から2倍のレベルの費用がかかるだけに経済性確保のためにはそれだけ高付加の作物を生産しなければなりません。フランスが商業運営に入ることができたのは、ワイン用ブドウが高付加価値作物であったためでした。

バニラのような場合は日陰を好みます。それで、営農型太陽光とシナジーが良い作物と見ていて実証中です。また、フィジーではタロイモという作物を食べます。さつまいもに似ています。ENVELOPSがシミュレーションした結果、営農型太陽光環境でむしろ月間生産性が20~30%ほど増加する効果がありました。ベトナムではトマト、レタス、そしてアーティチョークという特別な作物をテストしています。」

-持続可能性、再生可能エネルギーなどのすべてが正しい問題意識であり、解決すべき問題です。しかし農家としては、特に開発の遅れている国家や地域の農家ではさらに収益が重要です。いくら途方もない地球的問題を提示しても、すぐに農家の収益を増加させてくれないと。国家が強制しない限り、営農型太陽光の拡大は遠いだけでなく、国家が強制することの名分や実利も弱いのではないでしょうか。

「太陽光施設の寿命、発生する電力を提供して得られる収益、メンテナンス費、これらをすべて計算した場合、フィジーの場合、投資収益率が10%程度出ます。10年やれば初期投資金を回収できますよ。発電サイドだけで10%なので、農業サイドでプラスアルファをして経済性を高めることができます。発電事業の場合、電力料金が核心なので、国や地域ごとに偏差が大きくなります。これは、その地域を進出する企業が精密に分析しなければならないところですが、それでもまだ冷静に補助金が必要な市場です。農民は10年の回収が必要な大きな資金を持っていないですからね。

フランスのような場合には気候変動による作物被害を深刻に見て、該当地域の新規太陽光発電は完全に営農型太陽光のみ可能であると政府が念を押したりしていました。最近フランス南部で100メガワット規模の太陽光発電所入札がありました。完全に「この地域では営農型太陽光のみ可能」と制限していました。食糧不足、気候変動の被害を受けたヨーロッパならではの解決策でもあります。気候変動と食糧不足が激しくなるにつれて、営農型太陽光のニーズと名分もますます大きくなり、市場も自然に活性化されるでしょう。」

ミッションだけあって方法はなかった起業、それでも7人が集まった

-大学の専攻は環境工学です。フィジーに初めて来たのは2014年だったそうです。かなり長い間フィジーと縁を持っていますね。

「バージニア工科大学で環境工学を専攻し、ニューヨーク州立大学でエネルギー技術経営を専攻しました。韓国科学技術評価院で国家研究開発事業の妥当性分析を行い、海外開発の経験も経ました。その後、発電会社でフィジーに発電事業を行いに行くことになります。2014年ごろ、フィジーにバイオマス発電所を現地に建てる事業でした。3年ほど派遣されました。そんな中2016年、フィジーに大きな台風が来ました。

私が働いていた、発電所を開発する中心都心はすぐに電力が回復しました。ところが開発途上国の中でも、さらに遅れていた地域では1年を超える期間、人々が電気なしで辛い生活を送る様子を目にしたのです。新再生可能エネルギー開発、遅れている地域の開発の問題などへ強い関心もありましたし。気候問題、発展途上国の発展問題に対する問題意識を持ち、これらを手助けするというミッションでのみ創業した会社がENVELOPSです。ミッションを先に決めて、このミッションを解決する代案を探してみると、営農型太陽光になったというわけです。」

-ミッションだけあって「How(いかに)」はない状態で創業をされました。それでもチームメンバーが集まったのですね。

「最初はミッションしかありませんでしたが、信念もありました。私たちが解決しようとする問題に対する需要は非常に高く、大きいです。開発途上国、立ち遅れている地域への開発意志は多くあり、国際機関からも関連資金が豊富に支援されています。問題は、このお金が来ても、途上国と地域が「どのように」使うのか分からないということです。現地政府や人材の力量も足りないので、再生可能エネルギー関連資金を集めて事業化するノウハウと方法を知らなかったのです。ENVELOPSが入ってから関連事業受注を行い、国際機関を引き込むことができました。市場における資金とニーズは確かなので、私たちの力量だけあれば可能だと信じていました。」

-再生エネルギーと開発途上国に集まった補助金を狙ったビジネスではないか?という批判があるかもしれません。

「需要があれば市場が生まれます。再生エネルギーではなく他の発電源も補助金と政府投資金から始まった事業であり、依然として電力にはかなりの補助金が投入されています。石炭発電も含めて。韓国電力が赤字なのも、結局私たちが使う電気は国家補助金で運営されているということになります。すでに電気は補助金ベースの市場であり、世界的にも似たようなものです。このような市場において太陽光発電をはじめとする、再生エネルギーがすべて補助金狙いだ、とすることはできません。

再生エネルギーを拡大しなければならない方向性は明確であり、特にその中でも太陽光事業は毎年2倍以上急速に成長する市場です。ここで生じる敷地、農業生産性の問題を解決しようとしているのです。補助金ベース市場を狙ったという評価より、発現した市場で良い機会を捉えたと見てもらいたいです。」

-主たるターゲットが開発途上国ですが、開発途上国ではなく先進国市場を狙って先進国市場で十分な収益性を立証すれば、補助金の議論もないだけでなく、より速く成長できるように思いますが。

「韓国国内の農業型太陽光市場も急速に開かれると見ています。韓国は電力網も整っており、電力も豊富な国家ですが、長期的には先進国では再生可能エネルギー比率、目標が設定されるでしょう。炭素税が具体化されてきていますし。この問題を解決するためには全国的に太陽光発電比率を高くしなければなりませんが、既存の太陽光には限界があります。営農型太陽光関連の基準と法案も生まれると思います。ヨーロッパや先進国では、すでに営農型太陽光関連の許可基準があります。作物が100%農地で栽培されたときに生産される作物生産量に比べて、営農型太陽光下で栽培される作物生産量が90%以上にならなければならない。90%はフランスの基準であり、ドイツは66%を基準としています。結局、この技術ハードルを早く超えられた企業が、変化していく太陽光市場を掴むだろうと見ています。」

ENVELOPSのチームメンバー/ENVELOPS


/media/ちょい事情通の記者(쫌아는기자들)
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ちょい事情通の記者(쫌아는기자들)

朝鮮日報のニュースレター、「ちょい事情通の記者(쫌아는기자들)」です。

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