適性に合った進路探しは青少年にとって重要なものとなるが、学校や家庭でこれをサポートできるインフラは脆弱だ。学年が上がるほど教育は「大学入試」のみに集中していくのが現実である。
このような進路探しの空白を埋めようと乗り出したスタートアップが資金調達を行い、海外進出への足がかりも得た。
エドテックスタートアップ True Value(トゥルーバリュー)は最近20億ウォン(約2.1億円)のシリーズA資金調達を行い、韓国内サービスの高度化に乗り出した。Scale-up Ventures(スケールアップベンチャーズ)、信用保証基金、People Investment(ピープルインベストメント)が新規投資会社として参加した。True Valueの累積投資金は50億ウォン(約5.3億円)となった。
今回のラウンドをリードしたScale-up Venturesは、True Valueのビジョンだけでなく、具体的なサービス競争力など成長可能性を考慮して投資を決定したと明かした。

True Valueチョン・ジュヨン代表/写真=Bluepoint Partners
2019年設立されたTrue Valueは学校現場での進路メンタリング・教育を行う「evermento(エバーメント)」、小中高生が自己実現をテーマにストーリーを積み上げていくアプリケーション「DreamAppeal(ドリームアピール)」を運営している。evermentoは教育部登録進路教育機関から、この進路コーチは団体授業にとどまらず、学生ごとに合わせた進路教育を通じて学生の没入度を高めたという評価を受けている。
DreamAppealは、利用者が各自の夢をテーマに他の利用者とコミュニケーションしたり、やる気を得たり、自己管理をサポートしたりを行うサービスだ。学生がそれぞれ自分の夢を記録し、そのための実践活動を積んでいくと、他の利用者からの応援を受けられる。
Scale-up Venturesのイ・フゴル代表は28日「DreamAppealは子供たちが友達と夢をシェアし、未来について共に考えるプラットフォーム」とし「社会的価値が十分にあると考えた」と語った。続いて「小さく見れば進路探しだが、DreamAppealが今後米国、日本などに進出すれば世界中の学生たちとコミュニケーションする窓口となるだろう」との展望を語った。
進路活動メンター→LinkedInのような人材採用ソリューションへ
True Valueのチョン・ジュヨン代表は韓国英才学校(高校)及びKAIST(カイスト)出身。周りの友人たちは皆、とても優秀な学生だった。それにもかかわらず成績によって過度なストレスを受ける姿を見て「これは変えなければならない」と決心した。KAIST時代からメンター経験を積み、起業のことを考えて経営の専攻もするなどじっくり準備してきた。
チョン代表はMONEYTODAY(マネートゥデイ)のスタートアップメディアプラットフォーム「ユニコーンファクトリー」に「最高峰の教育機関に通っている友人も自分の成績を悲観していた」とし「この国の教育を必ず変えなければならないと感じた」と起業の背景を語った。
チョン代表はKAISTが位置する大田(テジョン)に本社を置き、設立初期のBluepoint Partners(ブルーポイントパートナーズ)などからシード投資で資金調達を行い、注目を集めた。2022年4月にリリースした「DreamAppeal」は3年6ヶ月が過ぎた今年11月基準で累積利用者7万人、累積実践数40万件を超えた。evermentoは今年に入って売上高が前年比400%以上に成長している。

True Valueの企業概要/コピー・グラフィック=キム・ジヨン
チョン代表は今回の投資金を基に教育とHR(人材採用)ソリューションを統合したAI SaaS(サービス型ソフトウェア)を開発する。DreamAppeal利用者が成長し、就職・求職(リクルーティング)活動をすれば、それまで積み重ねてきた夢や適性、進路関連活動記録をポートフォリオのように活用できるという構想だ。これを元にDreamAppealを「学生・青年のLinkedIn」のように育てるという戦略である。
DreamAppealの日本進出も加速させる。進路探しやメンタリングなどの差別化されたエドテックサービスは、海外教育業界にも通じると見ている。チョン代表は「現在のDreamAppealは学生たちが自分の夢を中心にネットワーキングもできるサービス」とし「今後AI(人工知能)などの機能を高度化すれば、一生使用していく自己実現のための秘書サービスとなるだろう」と語った。
True Valueは、また、教師・学生が使用するオンライン課題管理学習システム「MyMissionStudio(マイミッションスタジオ、MMS)」もリリースした。学校の課題を学生がシェアし、「応援する」機能を通じて、達成度と学習効果を高めるサービスだ。MMSに記録されたデータは学校での内申書作成に連動することもできる。
<写真=True Value(トゥルーバリュー)のアプリケーション「DreamAppeal(ドリームアピール)」/アプリストア >
原文:https://www.unicornfactory.co.kr/article/2025112718530379242
