今読んでいるマンガ、日本のものじゃないかも? 「ローカライズ」とは?
日本の電子コミック市場は拡大を続けています。マンガを読むとき「スマホで読む」という方も多いのではないでしょうか。また、スマホでマンガを読むことが当たり前になりつつある昨今、「ウェブトゥーン」という新たなマンガが浸透し始めています。この「ウェブトゥーン」は韓国発のスマホで読むことを想定したマンガであり、「フルカラー」、「縦スクロール」が特徴です。
現在、日本で韓国のマンガが多く読まれていることをご存じでしょうか。カカオピッコマのマンガアプリ「ピッコマ」は昨年の7月から日本での売上1位となっていますが、ピッコマでは、日本現地のマンガをウェブトゥーン化する他社とは異なり、韓国のウェブトゥーンを積極的に配信をしています。韓国内のウェブトゥーンを日本で配信する場合、必要となってくるのが「ローカライズ」です。原作の世界観、キャラクターの特徴、会話の文脈が伝わらなければ、面白さは半減してしまいます。
1990年代以降から現在に至るまで大人気漫画である「スラムダンク」、実は韓国でも大人気があります。しかし、主人公「桜木花道」は、韓国では「カン・べクホ」、「流川楓」も「ソ・テウン」という名前で販売されているのをご存じでしょうか。
このように、単に翻訳をするのではなく、販売する現地に合わせて修正を加えることを「ローカライズ」と呼びます。日本のキャラクター名がそのまま使われていたら、韓国でそこまで流行らなかったのではという意見もあります。
では、具体的に「ローカライズ」とはどのような作業なのでしょうか。大きく「翻訳」と「編集」に分けることができます。「翻訳」とは、作品を現地の言語に変えること、「編集」は、作品の世界観と現地の文化のバランスをとることです。作品によって、作業難易度が異なるため、難易度を確認し、作品の背景を韓国、現地、第3の国などに広げられるかを決めます。
日本の読者の特徴として、「本音と建前」文化があり、韓国の文化とはやや温度差があります。例を挙げると、韓国人が怒るときの強さが100とすると、日本人には50程度の強さになります。このため、韓国語をそのまま訳すと日本人にとって強すぎる印象を与えることもあるようです。
そういったことを考慮し、「初めから日本人が書いたように」する作業が「ローカライズ」です。
現在、日本で電子コミック市場が拡大し、マンガアプリや「ウェブトゥーン」が広まりつつある背景には、韓国のマンガアプリ運営会社の「ローカライズ」という緻密な作業が関係しているのです。
参考リンク:https://news.mt.co.kr/mtview.php?no=2021111322571737832
画像引用:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000321.000003707.html
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