【ちょい事情通の記者】Bespinのイ・ハンジュ「魚がたくさんいる所に行け」
【ちょい事情通の記者】Bespinのイ・ハンジュ「魚がたくさんいる所に行け」
【Bespin Global イ・ハンジュ】投資を誘致するノウハウを共有「魚がたくさんいる所に行け。誰よりも速く」
90分のインタビュー中、85分間Bespin Global(べスピングローバル)の戦略を聞きましたが、頭に残った文章は途中でたった5分だけ出て来たお話でした。Bespin Globalのイ・ハンジュ代表は、「サイクルが来ています。今はスタートするのによい時期です。誰も分からず、誰も専門家ではないため、今、手を挙げて「私が生成AIのこうした分野の専門家になります」と言えば、その人は専門家になるでしょう。他の人よりも一生懸命勉強し、より沢山努力するでしょうから。」と語りました。
誰もが苦しんでいる今だからこそ、このフレーズはより強烈に記憶に残るものでした。Bespin Globalの創業者であるイ・ハンジュ代表との最初の出会いは6年前でした。2017年7月にプレスリリースを受け取り、記事を書きました。内容は以下の通りです。
<クラウド(仮想空間)のソフトウェア企業であるBespin Globalは、中国と韓国のベンチャーキャピタル企業から170億ウォン(約18憶円)の資金調達を行ったと発表した。投資には、中国のLegend Capital(レジェンドキャピタル)、韓国のPremier Partners(プレミアパートナーズ)、Altos Ventures(アルトスベンチャーズ)、Hyosung ITX(ヒョソンITX)等が参加した。企業価値は1,000億ウォン(約105億円)と評価された。2015年12月に設立されたBespin Globalは、企業がクラウドサービスを利用するためのソフトウェアを提供する企業。Bespin Globalのイ・ハンジュ代表は「ソウル、北京、上海にオフィスを構え、150社以上の韓国内外の企業を顧客として確保している」と語った。>
スタートアップブームに乗ったスタートアップの1つに見えました。イ・ハンジュ代表に直接お会いして、彼が大ベテランであることに驚きました。連続起業家ですが、エンジニアベースというよりは先見の明がある、というのに近いです。「波に乗る方法を知っている人」という感じでしょうか。2015年に設立されたBespin Globalは、2016年9月に「OpsNow(オプスナウ)」という製品をリリースしました。これは一般に「クラウドMSP」と呼ばれるものです。当時は一般的な表現ではありませんでした。当時、クラウドは今でいう「ChatGPT」レベル、「世界を変える何か」という風に思われていました。
昨年12月、スタートアップ氷河期に、1400億ウォン(約148億円)の資金を調達したというニュースを発表しました。中東のe&Enterprise(イー&エンタープライズ)からシリーズCの資金調達を行ったのです。Bespin Globalイ・ハンジュ代表へ、まず、「スタートアップ氷河期に直面している後輩起業家に送るアドバイス」「資金調達はどのようにアプローチするか」を尋ねました。
彼には助言する資格があります。それは彼らが中東まで進出し、投資を受けたからというだけではありません。イ代表の最初の起業は1998年でした。アメリカ シカゴ大学生物学研究科で遺伝子治療を専攻した後に、辞め「Hostway(ホストウェイ)」というウェブホスティング会社を起業しました。彼の言う通り、「どんなものなのかは分からないが、インターネットが世界を変えることは誰もが知っていた時代」でした。起業から15年後の2013年には、アメリカのプライベートエクイティファンドに5億ドルで売却されました。SparkLabs(スパークラボ)というアクセラレーターを運営しており、かなりの数のスタートアップに投資しています。そして、2015年に再び起業の道を歩むことを決めました。
OpsNow 360のリリースイベントでのイ・ハンジュ代表 / Bespin Global
1.「畳むのなら早く畳め。AIというラグビーボールがどこで跳ねるかはわからないが、新たなチャンスがやってきた。」
―スタートアップ起業家にとって辛い時期ですね。2023年5月を生きる後輩起業家に「どうやって耐えればよいか」アドバイスをお願いします。
「つまり、今やっているビジネスをすばやく畳むことも一つの方法です。ご存知のように、私は多くのスタートアップへ投資してきたため、非常に困難な時期を過ごしている代表をたくさん知っています。初めに、本当に自分たちが生き残ることができるかどうか、冷静な判断をしなくてはなりません。どんな犠牲を払っても生き残り、大きくしていく精神を持っているのは良いことですが、それでも一度冷静に見る必要があります。」
「起業時に立てた仮説、現在も変わらずその仮説を証明しているスタートアップであれば、仮説を立てた時点では(市場に)資金が溢れており、様々なビジネス環境は今とは全く違っているでしょう。現在の変化した環境の中でもその仮説を与えられたお金と時間の中で、やり切ることができるのか、もう一度冷静に判断しないといけません」
「もちろん、後輩起業家に最初に言うのは「どんな犠牲を払っても生き残れ」ということですが、その次は「冷静に判断して。畳むのなら、早く畳め」です。3つ目は、自信を持ってお話します。現在AIは世界をひっくり返していますよね。現在AIは、インターネット黎明期と同じ状況だと思います。」
「私が初めて事業を始めた1998年、ちょうどインターネットが出始め、すべての人がインターネットに飛び込み、失敗したものもありましたが、その中で生き残った企業はとても大きくなりましたよね。インターネット黎明期、私も事業を始めてから、その時はインターネットがどこに行くのかはわからないものの、とても大きくなるだろうと思ってはいましたが、私たちが当時想像していたよりも今はずっと大きくなりました」
「今がちょうどその時だと思います。 AIというラグビーボールがどこに跳ねるかは分かりませんが、今より大きくなるのは確かです。(インターネット黎明期に起業した経験から)もう一つ学んだことは、私たちが想像するよりもはるかに大きくて多様で、私たちが今想像しているサービスはおそらく後に見れば何でもなかっただろうし、後から本当に大きくなる企業は私たちが今は想像できない企業だろうということです。もちろん、AIは跳ね、また、終わっていくでしょう。そこで生き残れる企業は、想像を越える企業になるでしょう。」
「サイクルが来ます。今はスタートするのによい時期です。誰も分からず、誰も専門家ではないため、今、手を挙げて「私が生成AIのこうした分野の専門家になります」と言えば、その人は専門家になるでしょう。他の人よりも一生懸命勉強し、もっと努力するでしょうから。」
-投資はどうですか?氷河期にスタートアップ起業家に投資を誘致するためのノウハウを共有してください。
「私は答えを持っていません。Bespin Globalは中東で投資を誘致しています。一つ確かなことがあります。これはスタートアップに限らず、すべてのビジネスパーソンに言えることですが、魚を捕まえたいなら、魚が多いところに行かなければなりませんよね。お金を稼ぎたいのなら、たくさんのお金のある場所に行かなければなりません。誰が楽で中東に行くでしょうか。もし理由がない場合には、理由を無理にでも作っていかなければなりません。行ったら、彼らのニーズを明確に把握し、どのように、自分たちが彼らとともに目標に向かっていくことができるのか考えてください。」
「もちろん、それは必ずしも中東ではなく、東南アジアかもしれないし、日本かもしれないし、アメリカかもしれません。それは私たちには予測できないことです。しかし、ことが起これば、無条件に速く動かなければなりません。投資を受けるときもですし、人を減らしたり、またはコストを削減したいときも、迅速に行わなければなりません。お金があるとなれば、すぐに会いに行かなければなりません。簡単なことではないのは知っています。しかし、仕方がありません。」
2.海外市場ターゲットはアメリカ…アメリカの中規模企業市場ではBespinがスーパーマンである理由
-昨年は売上を伸ばし、かなりの投資を確保しました。Bespinは2023年に何をしますか?
「最近、2026年末までの中長期計画を策定し、それをBespin 2.0と名付けました。Bespinは7年耐え、すでに8年目です。ステップ2に向かいます。私たちが最初のビジネスを始めたとき、いくつかの仮説を持っていました。クラウドは成長を続け、マルチクラウドになり、アジアでも多くの企業がクラウドを必要として、顧客企業がクラウドを導入する際には、BespinのようなMSP企業の助けが必要になるだろうという仮説を立て、ここまできました。仮説が証明されたというわけです。」
「これからは、増幅、スケールアップの作業に取り掛からなければなりません。Bespinは海外9カ国で展開しています。第一の目標は、グローバルでさらに成長することです。アメリカ、中東、東南アジア、日本で成長を続けなければならず、来年からはヨーロッパと南アメリカに拡大していきます。社名に付けている、「グローバル」の名に恥じず、よりグローバルになることが第一です。」
「第二に、Bespinはこれまでサービス中心に事業を拡大し続けてきました。お客様に必要なクラウド導入戦略コンサルティングからのマイグレーションとクラウド上での運用等です。Bespinの専門家たちは手作業でサービス指向のビジネスを整備してきました。その中で、私たちはOpsNowと呼ばれるSaaSを作成したのですが、これをもっと大きくする必要があります。特に最近のようなAIが今後すべての事業に適用される時期にBespinのMSP事業も同様に、AIを通じて手作業でやってきた色々なことを自動化する、それでOpsNowを拡張するのが二つ目の目標です」
「第三に、今まではクラウド自体が新技術なので、ただゼネラルな事業を進めていたとするなら、今後は各産業群ごとに特化したMSP事業が成長すると思うので、Bespinもそれに合わせていきます。Bespinの最初のターゲットは通信会社です。」
- 3つのポイントで進めるんですね。まず第一はグローバルといいますが、漠然としていますね。一か所だけ選んでください。
「Bespinは非常に明確です。アメリカです。Bespinは今年、4,000億ウォン(約423億円)をはるかに超える売上高を生み出すと予想しています。最も急成長している場所がアメリカなのです。今後3年以内に1兆ウォン(約1059億円)近い売上を出すのが目標ですが、そのうち半分以上が海外から出るでしょうし、最も多くの部分を占める市場はアメリカです。Bespinは2年前にアメリカに参入し、この1年間で非常に急速に成長しました。」
OpsNowのダッシュボード/Bespin Global
-クラウドでは、アメリカは韓国より一歩進んでいませんか?
「アメリカがリードする市場であり、ライバルが多いのに、なぜあえてアメリカなのかと疑問を抱く方も多いかもしれません。Bespinは別の考えです。アメリカという国はとても広く多様な企業があり、いくつかの企業は当然非常に先んじてデジタルトランスフォーメンションをしてきましたが、アメリカ中部や南部のような地域の伝統的な企業はようやくデジタルトランスフォーメーションを始めるところが多いです。需要は爆発的に高まっています。」
-Accenture (アクセンチュア)の本拠地でですか?
「アメリカのAccentureはFortune 500のような大企業をターゲットにしていますが、Fortune 20,000、40,000、100,000の企業、クラウドへの移行をサポートしていません。Accentureのような会社は、Fortune 500のような大企業に焦点を当てるでしょう。Bespinが過去7年間培ってきた競争力は、アメリカ中部および南部の伝統的な企業に通用します。このようなアメリカ企業は、「(デジタル化は少し遅れたが、事業領域は)すべてグローバルなのに、いざグローバルにサービスしてくれるMSPはBespinしかないのです。市場調査機関であるGartner(ガートナー)の調査でも常に証明されていることです。Bespinと同様に、アジア、アメリカ、ヨーロッパ、南アメリカをカバーしていますが、中規模企業をターゲットとするMSPは多くありません。」
「Bespinはこの7年間、アジア市場で非常に激しい競争を経て成長してきました。そのような自生力で培った能力が、アメリカ中堅企業向けの市場に進出しているため、Bespinは(現地の中堅MSPと比べて)ほぼスーパーマン水準になったのです。韓国ではあまりにも当たり前のように受け止めているサービスのレベルが、むしろアメリカではすごいレベルだと評価されています。アメリカの地元の競合他社は、ビジネスを容易にしすぎて、強力な競争力を開発することができませんでした。7年間の競争は私たちにとって違いのポイントでした。」
「韓国ではコスト削減などに顧客会社は非常に敏感で、Bespinも完成度の高いOpsNowというツールとしてサポートしてきました。それでアメリカを攻略していますが、ちょうどアメリカも今はクラウドコストの削減に関心が高まっている状況です」
-アメリカではどれほど稼げますか?
「3年間で米国で約4,000億ウォン(約423億円)の売上を見込んでいます。既に昨年、アメリカでの売上高は500億ウォン(約53億円)を超えました。」
3.その間、SKTelecom(SKテレコム)とBespinはどういうことをしていたのだろうか。
―海外市場の中から一か所選ぶなら?
「中東です。中東はとてもホットです。サウジアラビアやUAEは国が積極的に乗り出しているので、とても需要が高いのです中東にはたくさんのお金がありますが、デジタルトランスフォーメーションで役割を果たす人材や企業が豊富ではありません。正直、ほとんど皆無です。Bespinのような企業が、彼らのデジタルトランスフォーメーションに介入し、サポートしています。Bespinは4年前に中東に参入しました。UAEにオフィスを置き、約200人が現地サービスを行っています。」
「他の海外企業はリモートで働きながらお金だけを稼いでいくやり方でしたが、Bespinはオフィスを開いて人材を雇用して動き、こうして中東で資金調達も行えました。資金調達を行うことで、中東の投資家と協力して中東企業のトランスフォーメーションをサポートしています。」
「中東で興味深いのは、デジタルトランスフォーメーションだけでなく、経済そのものを完全に変えなくてはいけないことです。これまで、石油経済の擁護者がかなり多かったですよね。彼らも、将来の石油ベースの経済では厳しいものになることを知っています。お金が沢山稼げている時に、何かを作ろうということです。UAEとサウジアラビアは、Bespinのようなデジタル企業を1位、メディアとエンターテインメントを2位、観光業を3位と見ています。サウジアラビアが韓国のゲーム会社に投資したのはこの文脈です。」
―特化したMSP戦略を推進し、通信会社をターゲットにするとおっしゃいましたよね?SKTelecomとは何をやっているのでしょうか?
「まず、SKTはITの80%以上をクラウドに移行することを計画しています。一緒にサポートしています。通信会社内にはERPや電子決済システムがあり、これをITと呼びますが、クラウドへの移行は思ったより簡単です。また、SKT自身もクラウドMSP事業を開始しています。クラウドがエッジに移行する中で、通信事業者は大きな役割を果たしています。クラウドは、以前のようにデータセンターで実行されるだけでなく、通信事業者のネットワークのエッジにも入っていくでしょう。もちろん、エッジクラウドを提供するには、通信会社が役割を果たす必要があります。そうやって一つにまとめて、市場に出すのです。クラウドのように、必要なときに必要なだけ通信サービスを使用する新製品がリリースされます。」
「SKTだけでなく、シンガポールでも積極的に行っています。まだ始まったばかりの段階です。エンタープライズ市場では、最初にレファレンスを作成することが重要です。幸いにも、Bespinが他の誰よりも幅広いレファレンスを手に入れることになると思います。SKTと共に、全体的なクラウドトランスフォーメーションとクラウドMSP、特にエッジクラウドに取り組んでいます。」
―クラウドMSPのモデルに限界はないのでしょうか?顧客数が増えると人件費が上がるのでは?従業員数を1万人に増やすことはできませんよね?
「いえ。増やします。ただの算数です。ただし、会社は2つの部門に分けます。サービス部門とプロダクト部門。会社を2つに分けるのです。サービスは本当に1万人まで増やす必要があります。多くの企業のデジタルトランスフォーメーションをサポートするためには、人工知能がどれほど発達したとはいっても、専門家が入って作業する必要があるためです。このロジックは、ロジック通りに大きくしなければなりません。プロダクト部門ははるかに拡張が可能なモデルではありますが、独自のロジックがあるんです。年末までに、2つの部門のそれぞれにCEOを任命し、サービスはサービスで、プロダクトからプロダクトで進むようにsします。」
イ・ハンジュ代表のプロフィール写真/Bespin Global
4.クラウドMSPからAI MSPの可能性...「5か月しがみついた...ChatGPT、これをやらなくては、うちも終わる」
-Bespinの製品、つまりSaaSのアップグレード作業は重要です。
「OpsNowはクラウド管理を自動化するツールです。クラウド資産とコストを管理するためのツールとして始まりましたが、進化し、機能が増えました。セキュリティにまで来ました。今年はこの製品にOpsNow 360と名づけ、機能の追加を続けています」
「今はAIであり、何をどのように、それに入れていくかが問題です。 Bespinはすでにこの製品を4,000社以上のお客様に提供し、非常に多くのデータを蓄積しています。このデータを使用して、完全に手動で行っていた時よりお、自動化しています。今後、AIが入ってくることにより、UXは完全に一変するでしょう。ユーザーは口で言えばよくなるのです。「昨日、クラウドに 変な兆候があった?探してみて」と言えば、自動で答えてくれるというように。」
「出た画面を見て、変だと判断すれば、クリックして、「どうやってなおせばいいの?」と尋ねるのです。そうすれば、また答えが上がってきます。生成AIは、Bespinだけでなく、すべてのサービスのUXを完全に変えます。考えてみてください。これまでは、指でボタンを押し続けていくという方式でしたよね。これからは何らかの形式に命令を入れる必要なく、OpsNowと話し合いながら結果を出すのです。これらの質問と回答を学習すれば、ある時点で、人間が入力しなくても自分で改善していくことが出来ます。トレーニングされているので、誰が聞かずとも自分で自動修正するのです。おかしなところがあれば、修正してくれます。」
「OpenAIは実際には簡単なイノベーションです。超大型言語モデルの前面にチャットボットを付け、一般の人々が使用できるようにしているのです。超大規模な言語モデルというのはGoogle、Metaなど、やっている企業も多く、チャットボットもかなり昔からありました。突然、Open AIという会社が飛び出てきて、(技術的に)何が変わったのでしょうか?専門家クラスの人々が「大したものではない」というのはそうした部分です。しかし、大したことないかもはしれないけど、誰よりも早くやりましたよね。それが大きいのではないでしょうか。Bespinも同じです。チャットボットと呼ばれてはいますが、昔のダメなチャットボットではありません。何を聞いても会話にならないチャットボットではなく、今ではきちんと会話が通ります。」
「Bespinは過去5か月間、「私たちも早く変えよう。大変だ。やらなければうちも終わる」とこれにしがみついてきました。幸いなことに、長年にわたって蓄積された顧客のクラウド運用データとChatGPTを組み合わせることで、まったく新しい体験を提供できるでしょう。」
―ChatGPTが登場後の話をしましょう。生成型AIで多くのスタートアップがダメになるでしょうし、一部お金を稼ぐ会社も出てくるでしょう。各社、自分のビジネスがどちら側なのか考えなければなりません。Bespinは後者ですか?
「自分がこの事業をしているから言っているわけではなく、お金はかなり稼げると思います。そうなる他ないのです。企業を見てください。第一の前提は、「AIを導入しなくてはならない」ということです。8年前と同じロジックです。クラウドを導入しなくちゃならないけど、どうしよう?クラウドプロバイダー企業を呼ぶ?そうなれば、クラウド企業は当社のクラウドで、と販売に忙しくなります。顧客の立場からすると、今やっているITもあるし、どんなにクラウドが優れていても、途中段階で誰かが接続させなければいけないのではないか、という話です。同じロジックがAIの世界でも機能します。AIを使うって、GoogleとMeta、一体何を使えばいいんだ?じゃなきゃオープンソース?セキュリティはどうなっている?ただ全部渡すわけにはいかないけど。ハイブリッドでしなきゃか?クラウドMSPと同様に、AI MSPが必要なのです。」
「多くのAIはクラウドで実行されるため、非常に自然に接続されています。AIテクノロジーをリリースしている企業はすべてクラウド企業ですよね。彼らはクラウドの上でリリースしているのです。彼らも同じです。自社のAIを販売したい場合、Bespinのようなパートナーが必要です。顧客もAIを導入するには、AI MSPが必要だということです。
5.ChatGPTで開発したら...あの面倒な「注釈」を付けてくれる
―じっとしていても、AI MSPには進化しませんよね。
「他人にAIを使用する良い方法を提供したいのであれば、まず私たちがAIを使い、自分たちがどのように革新させたのか、体験しなければなりません。Bespin の OpsNow 開発チームは全員、ChatGPT を使って開発を始めました。社内では、人事でも、その他のビジネスプロセスでも、ChatGPTを使用して生産性を向上させている最中です。」
「開発面では、生産性を10倍向上させることを目指しています。20%、30%ではありません。これまで1日に(コーディングを)1000行書いていたとすると、今1万行書けないのは率直に言って話になりません。変化はとても速いです。以前は3~4年かかっていたものが、ほぼ週単位で変わっていきます。」
「たとえば、SAMSUNG(サムスン電子)はChatGPTをブロックしたと言うなり、Naverと共に独自の生成AIインフラを作ると発表しましたよね。世界中のすべての企業が、そうです。「Bespinもまずは人々の認識から変えて、チェンジマネジメントも行い、その次に実質的に業務に適用、コーディングにも適用し、私たちのツールに入れ、OpsNowも早く対話型UXをリリースし、手当たり次第に全部やっています」
-従業員からの内部の反発はありませんか?
「ありがたいことに、OpenAIのイノベーションにより、多くの人々が生成AIとは何かを簡単に知ることができるようになりました。説明する必要はありません。ただ行って使えばいいのです。エンジニアは、以前は1,000行コーディングしていたなら、今は10,000行をコーディングする必要がありますが、それでも「どうやって10,000行も書くんですか」とは言いません。ChatGPTを使えば可能です。しかし、やってみると問題点も出てきます。何でもできると思っていたのに、あれもこれもできませんでした。これはChatGPTでやっていると、ダメになるでしょう。コードが外に出るためです。本当に生成AIの向上はとてつもないと言うことは確かです」
-ChatGPTコーディングの良いところは何ですか?具体的に。
「もともと、コーディングするときは、横に注釈を付ける必要があります。それが一番難しいところです。コーディングをやっている友人はかなり嫌がっています。付加的な仕事であるものの、頻繁にやらされるので。しかし、やっておかないと後で引継ぎする際、他の人が入ってきてコードだけ見てもこれをどうしてこのように組んだのか分かるようになっていないと、後に毎回問題になります。ChatGPTは注釈がとても得意です。自分自身にメモをつけます。」
「ChatGPTにとってコンピュータコードはあまりにも簡単な言語です。正直なところ、コンピュータコードは小さな子供のようなものです。単語がほとんどなく、文法はとても簡単です。Javaで書いたコーディングを別のコンピュータ言語に変更してというと、すぐにやります。ChatGPTで英語を韓国語に翻訳するのに比べれば、とても簡単でしょう?」
6.合併買収を推進...対象は自社だけのデータがある企業
―今後の採用の予定は?韓国で最も急速に従業員数を増やしたスタートアップの1つがBespinですよね?
「人材採用の計画はまだ確定していません。昨年、Bespinも採用に消極的でした。 採用が速すぎたため、多くの問題があり、収益性の観点からも、まずは黒字になることがなることが目標でした。それは、ほとんど達成しました。改めて人材を募集する必要がありますが、グローバル事業を主に整備するとなると、今後はインドやベトナム等の人材がかなり増えていくのではないかと思います。韓国も増やすでしょうが、これまでのように増やすのは考えなくてはなりません」
―他のスタートアップの買収合併も依然として検討中ですか?以前Tmaxの買収戦争にも参加していましたよね。
「M&Aは今後も非常に活発に行う考えです。 特にAIの部分では早く進めようと思えば、M&Aもやならなくてはなりません。Tmaxの場合、失敗しました。買収できず、プライベートエクイティファンドが持って行きました。当時は少し個人的な欲がありました。もともと、Tmaxが作るソフトウェアは私たちが向かっている方向と完全には合っていません。しかし、Tmaxの売上と利益は欲しく、たくさんのお金を費やしましたが、プライベート・エクイティ・ファンドはより多くの金額を費やしたのです。」
「最近イスラエルに行ってきました。本当に面白い会社がたくさんあります。お金の問題です。 問題は、資金をどこから引き出すかです。最近、投資家との取締役会ワークショップを行いました。合意したテーマとして、とても機会は多いだろうし、今年と来年は買収するのに良いタイミングであるため、活発にたくさん会おうというものでした。」
―クラウドや人工知能分野の海外スタートアップがメインターゲットですか?
「いいえ、必ずしもそうではありません。AIが機能するためには、AIが独自のデータを持っている必要があります。実際、AIのオリジナルテクノロジーのほとんどは大企業によって作成されています。または、オープンソースとして出てくるだとか。それで何かがしたければ、自分だけのデータがなければならないのです。Bespinはクラウドの運用データを持っているので、AIで作っています。例えば、昔はUXを作ることが競争上の優位性でしたが、それでも難しくはありますが、以前よりずっと楽になっています。良いソフトウェアを作る能力を持っているだけでは、今後5年生き残ることができない世界です。何が必要か、他の人ができないことはあなただけのデータです。」
「M&Aは、独自のデータを持つ会社を対象に行うでしょう。セキュリティ方面をもう少し強くする必要があれば、企業顧客向けのクラウドセキュリティに関連する多くのデータを持つ会社を買収するでしょう。それを購入し、より意味のあるサービスを作るという風に。韓国、イスラエル、アメリカのどこの会社かは関係ありません。ああ、中国だと少し変わってきますが。」
7.3年以内にIPOを行う…夢はAccentureよりも大きな会社…「死ぬまでやろう」が目標
―3年後のBespinの目標は何ですか?
「新規株式公開(IPO)です。実績の面では、収益性の高い会社です。実際、ほとんどのセクターは利益転換できています。ただし、プロダクション、つまりSaaSを作るのには投資が必要です。サービス面では、黒字になったと言えます。来年は完全に黒字になる予定です。毎年30%以上成長しているため、のようなやり方で行けば十分にIPOする足場が固まっているのです。今後2年程度。」
「上場後、どうするかという問題ですが、市場は今後10年、20年と成長し続けると思います。AI にクラウドまで加勢して。なので、死ぬまでやるというのが私たちの目標です。」
-死ぬまでやって、どこまで会社を大きくすれば、気持ち良いと思いますか。この程度なら、やれるだけやったな、と感じられるのは?
「韓国生まれのBespinが、Accentureより大きくなるでしょう」
―Accentureがかなりの巨大企業なことはご存知ですよね?
「はい。20年かかるかもしれません。私はAccentureより大きくなると思っています。サービスのサービスのやり方で進めて。サービスでは無理をせず、利益を上げながら段階的に成長させる考えです。クラウド運用管理分野では、世界一になろう、それがBespinが考える「パク・セリモーメント」です。韓国で生まれたソフトウェア企業が、ある1つの分野で世界をリードするナンバーワンの企業になるのです。マーケター、売上、利益、企業価値などのナンバーワンです。」
-2番目と3番目のパク・セリソフトウェア会社が出てくるでしょうか?
「韓国からそうした企業が100社以上出てくると予想しています。韓国のソフトウェアは現在、国産化に焦点を当てています。外国企業に負けないようにしよう、と。いつまで国産化でしょうか。60年代70年代のスローガンを今も叫ぶのでしょうか。外はあんなに速く動いているのに、たかが国産化することで競争力が持てるでしょうか。それでは韓国の人々は、国産化を手助けするために、いつも1グレード下の、最上級ではないモノを使わなければならないのですか?」
朝鮮日報のニュースレター、「ちょい事情通の記者(쫌아는기자들)」です。
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