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【業のスタートアップ】会社に能力のある後輩としてAIが入ってきた?認知検索市場に挑戦するAllganize

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【業のスタートアップ】会社に能力のある後輩としてAIが入ってきた?認知検索市場に挑戦するAllganize(オールガナイズ)

 

 

ちょい事情通の記者 2号 イム・ギョンオプ

 

「認知検索」は、AIが自分で質問を把握し、正しい情報値を探すソリューションです。そしてAllganizeはこの認知検索を企業内部用に使えるサービスとして製作し、グローバル市場を攻略しているスタートアップです。例えば業務をしていると、社内の規定や記録、法律を探したい場合があります。 

「うちの会社の5年前の売上はどれくらい?」、「化学薬品関連法に従ってこの薬品を使うことができる?」、「会社の褒賞規定はどうなっているっけ?」などの質問が生じます。

現在、ほとんどの会社では、この質問を人が手で調べています。担当者に聞いたり、担当者が会社ファイルと記録をくまなく探したりして。しかし、こうした業務はかなり単純なものです。AIに置き換えることができます。

それで私たちはこのような仕事を減らすAI「Alli(アリ)」を作りました。Answer(回答) ボットという名のチャットボットとしても企業内で使うことができ、APIとしても提供しているため、いろいろなアプリと繋げて使うことができます。 

Allganizeは「認知検索AI」というユニークな分野を掘進するスタートアップです。誰もが働きながら、こんな賢い同僚がいれば、と考えたことがあるはずです。

 例えば「3年前に変わった人事規定内容って何だったけ」と私が尋ねた時、隅に隠れていた捜査班のような古参の先輩あるいはスーパーエースの後輩が「それはこういう内容で、いついつの会議の記録を探してみれば良いよ」と知らせてくれるというような。

そんなAIを作り、グローバルのステージで製品を販売するスタートアップがAllganizeです。創業者はイ・チャンス代表。Allganizeは彼にとって2回目の創業であり、最初の創業はアメリカの会社に500億ウォン(約50億円)のexitを行いました。そして、何のコネもない米国会社の役員になり、米国市場で2回目の創業をするに至りました。2回目の創業としてAI、そしてアメリカとグローバルステージを選んだイ・チャンス代表の物語です。

 

Allganize創業者、イ・チャンス代表/Allganize

 

AIも人も、みんな同じ書類棚から書類を探すわけですが、「簡単」という理由以外に、絶対にAIを使わなければならないという理由がありますか。

 アメリカの州政府の中に顧客会社があります。Allganize AIエンジンには公開された法律、記録データがあります。例えば、アメリカは州ごとに規則が異なります。

家を建てるとき、フェンスのはどのくらい以上の高さになったらいけないか、などです。州法と規定に書かれているものです。担当の公務員は、毎回この規定文書を見るか、サイトにアクセスして検索する必要があります。

しかし、Allganize AIには、各市場、国の顧客の目的に合わせて、このようなデータが基本学習されています。そもそも置いておける書類棚のサイズがAIの方がはるかに大きいのです。各顧客会社のデータを習得していない状態でも、質問に対するAIの回答の平均精度が76%になります。

例えば金融セクターならば保険、保険の中でもまた生命保険と損害保険など、各保険に関連する用語と記録を事前に学習します。そうすれば、特定のAという損害保険会社の会社データを学習させずとも、AIが業務に基本的に必要な回答の半分以上は可能ということです。このようにして産業ドメインとセクターを分けて学習をさせました。

 


社内データについてはどうですか。各会社ごとに文書規格、用語、記録もすべてそれぞれですが。

 データに基づいて質問に答えるボット自体は元々ありました。ただ、精度が低く、コストがかかりました。 「データラベリング」を全部人がしなければならなかったり、単純検索に留まっていたのです。

1ページは「会社売上に対する分析」、そのうち5行目の内容は「該当分析に対するCEOの判断」、このように文字、画像、数字などをコンピュータが認識できるデータに変える作業がデータラベリングです。それを行ってこそ、後にまた探すことができます。これを人が行わなければいけなかったりして、精度が落ちていたのです。

 Allganize AIは、このデータラベリングをコンピュータが代わりに行えるよう、指導する「AI調教あるいは先生」です。さっき言ったラベリングをどのように行うのか、それ自体を人工知能が自ら学習して判答します。これまでこのような方式のチャットボットがおかしな回答をしていた理由はデータラベリングが乱れることであったため、ボットを効率的に学習させるAIを開発したのです。

 



代表的な日本の大企業がAllganize AIを使う理由 

 




実際企業で使用した実例がありますか。

 SMBC(三井住友銀行)金融グループが顧客会社です。グローバルな金融グループであり、銀行、カード、証券、保険など複数の事業を行っており、AI導入にとても積極的な会社です。偶然シリコンバレーでAllganizeの製品を紹介する機会がありました。

だから、「私たちのAIエンジンは、皆さんがデータラベリングを直接行わなくても、接続だけすれば自分で答えを見つけます」と説明しました。SMBC担当者は「ここ1年の間、データラベリング、AIトレーニングにあまりにも多くのエネルギーを割いている」と、すぐに使用したいと言いました。

IBMのWatson(ワトソン)を使っており、契約解除した後、1年にわたり適当な会社を見つけることができずに悩んでいたそうです。

それでSMBCに一種のテストを受けに行きました。会社のデータが学習されていない白紙状態で駆動してみる試験でした。Watsonの精度は47%程でした。

しかし、私たちは70%以上を出しました。Watsonが精度91%に達するのに6ヶ月かかりました。Allganize AIは2週間でやってのけました。そうして契約を獲得しました。

 


使用料がとても高そうに思えます。大企業だけが使っているのではないでしょうか。

 ウェブサイトに加入し、制限付きで機能を無料で使用することも可能です。そして、より多くの機能を使いたければ、アップグレードすることができます。

SMBCのケースのように、膨大な社内データを学習して使用する企業顧客は別に分類します。2000以上の企業顧客がいます。企業料金は少なくは100万ウォン(約10万円)、多く出す顧客会社は1年4~5億ウォン(約4000万~5000万円)、平均料金は1年4万ドル(5000万ウォン(約500万円))程度です。使用量に基づいて請求しています。

 


いくらAIといっても会社の内密な記録を見ることになりますが、企業の間でセキュリティ問題において摩擦が生じることはないのですか?

 他社データの壁を絶対に超えないように設計しました。例えば、元々コカコーラが顧客会社で、その後ペプシも顧客会社になったと仮定します。コカコーラAIとペプシAIは最初から分離した状態で学習します。

つまりAI 1号と2号のようにお互いに完全に異なる内容を学習した別個のプログラムです。データも共有しません。絶対に越えられないのです。

それでも、不安な企業のためにクラウドSaaS形式と顧客サーバーにインストールする方法の両方を提供します。ハイブリッド形式で一部の機能はSaaSで、機密データを扱うAIは会社サーバーで駆動する方式でも提供しています。実際、SaaSは暗号化されており、技術的にも安全です。

サーバーにインストールする方法は、毎回エンジニアが訪問する必要があるので高価です。米国の顧客企業はSaaSを好みますが、韓国や日本などアジアの顧客企業はサーバーインストール形式をより多く要求するという文化的な違いがあります。

 


将来的に30兆ウォン(約3兆円)市場までも大きくなる可能性のある無尽蔵な市場だと言います。

 はい。今すぐに市場規模を正確に測定することはできませんが、世界の多くの企業が認知検索AIの必要性を感じているからです。ドイツ語、フランス語、スペイン語など様々な言語を継続的に実装していくつもりです。

最近、自然言語処理技術が大いに発展し、内容も多く公開され、言語の障壁がとても低くなりました。データだけを十分に学習すれば、他言語の検索AIとして海外市場に進出できます。

本社はテキサット・ヒューストンですが、シリコンバレーオフィス、東京、ソウル、インド、イギリスにオフィスを構えています。現在の売上比重は日本が50%程度で多く、次に米国が30%、韓国などその他の国が20%ほどになります。

 


日本の売上高の割合が高いんですね。これほど高い理由があるのでしょうか

 日本は最初に契約を結ぶ過程は本当に大変でした。ところが、一度契約を結んで信頼を確保すれば、拡張がとても速かったです。SMBCグループも自社事例を使用しても良いとオープンしてくれ、たくさん紹介もしてくれました。

そうして、気づけば日本の各産業における1位の会社が皆顧客会社です。流通のイオングループ、日本のIKEAと呼ばれる家具会社ニトリ、電力会社ジェイパワー、金融の野村証券などです。

 



 

最初の創業2ヶ月でピボット、500億ウォンのexit 

 



前の創業、5Rocks(ファイブロックス)も500億ウォン(約50億円)のexitに成功しましたね。

 KAIST電算学科97学番(‘97年入学生)でした。修士の時は自然言語処理を研究しました。2010年私がCTOで、ノ・ジョンソク代表と共同創業しました。みんな創業4年で500億ウォン(約50億円)売却をした話をしますが、実際は危機でピボットして成功したケースです。

もともとはPOING(ポイン)というレストランのレビューと予約のアプリを作っていました。数十万ダウンロードまで記録しましたが、爆発的な成長もなく、お金を稼ぐこともできませんでした。マーケティングを悩んでいたのですが、当時モバイルアプリと技術が成熟しておらず、簡単にパーソナライズされたマーケティングをすることができないという問題がありました。

色々悩みながら、Googleアナリティクスをベースに「POINGカスタムマーケティングツール」を開発しました。たとえば、特定のユーザーにアプリプッシュを送信した場合、アプリのオープン率がどれほど変わったのか、このような内容を一目で確認できるツールでした。

 ある日ゲーム会社を創業した知人が画面を見て「おい、これはゲーム会社で本当に必要なプログラムだ」と言うのです。ゲームもマーケティングをやっているので、その効果を測りたい、と。考えてみるとゲームはユーザーも多く、マーケティングもたくさん行い、人々がお金もたくさん使う市場なんです。

早く作らなければならない、と思いゲーム用プロトタイプを2ヶ月で作りました。そして2013年3月、SparkLabs(スパークラボ)DemoDayで公開し、ゲーム会社を対象にセールスしました。韓国のゲーム会社が顧客になり、日本の会社も顧客になりました。マーケティングデータ分析会社に突然ピボットしたわけです。

 その後、2014年に米国モバイル広告会社のTapjoy(タップジョイ)から連絡が来ました。 「日本の顧客会社と会ったところ、何度も5Rocksのことを口にしていた。気になる。」と言って。そこで2014年初めに会い、その年の8月にTapjoyが500億ウォン(約50億円)で5Rocksを買収することになりました。2015年、私はTapjoyのあるアメリカに渡りました。Tapjoyで副社長まで務めました。

 


韓国、アメリカ両国で創業したわけですが、アメリカ創業の長・短所は?

 良い点は多様性です。さまざまな背景と思考を持つ人々が、特にアメリカ人は口数も多いので、本当に様々な意見や主張が出てきます。韓国では「今日この業務を終えなければならない。やろう!」と言えばみんな「わー!」と来てやります。ところが、アメリカはスタートアップであってもこのように仕事をするには「なぜこれをしなければならないのか」を十分に説明しなければなりません。納得が行くように。もし納得できれば韓国に劣らず熱心に働きます。

 


アメリカに学縁、地縁、血縁すべてなかったと思いますが。

 アメリカにもスタートアップ、AI、開発者イベントがあります。国籍に関係なく集まります。実はそのようなイベントに出るスタートアップと開発者は、みんな同じような境遇であることも多いのです。それでそのようなイベントには全て出席しました。そのようにして一つ二つとネットワークを築きました。

 


突然買収会社の副社長になりましたよね。英語はきちんと通じましたか。

 見知らぬ環境で他の言語を使わなければならないので、困難はありました。一度は職員200人が集まった席で私が発表をしなければならない時がありました。台本にないことを話すのは本当に大変でした。「お金を使う英語は全く難しくなく、お金を稼ぐ英語は本当に難しい」と誰かが言っていましたが、その言葉を本当に実感しました。

お金を稼ぐことで英語を使うのは本当にセンシティブで、より難しいです。一度他のアメリカのスタッフが私にこう言いました。 「とにかく、あなたはボスで、ボスが英語がちょっと出来なかろうと関係ない。私たちが理解しようと努力するしかない。だから気軽に話して」と。彼らにとってもお金を稼ぐ英語だったということです。

 



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