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【そのとき投資】三拍子揃ったBALAAN、投資しないわけにはいかなかった

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【そのとき投資】三拍子揃ったBALAAN(バラン)、投資しないわけにはいかなかった

 

キム・ユジン SparkLabs(スパークラボ)共同代表

 

@そのとき投資(私はその時、投資することを決めました)では、現役の投資家がなぜこのスタートアップに投資したのかを共有します。

 

 「あなたのマーケットは何ですか?」

 SparkLabsアクセラレーティングプログラムに志願した企業に、ビジネスモデルとターゲットはどこに決めたのか尋ねることがある。SparkLabsは初期投資会社であり、特定のセクター(分野)に限らず選抜するとなれば、市場成長の可能性をまず考えてみる必要がある。

今まで約3,600社の企業がドアを叩いて来て、そのうち投資することに決めた会社の共通点は、成長性のあるマーケットにある企業、該当事業に対する問題を素早く理解して解決できる企業、グローバルマーケットに成長できる企業、この3つだった。

 

 チェ・ヒョンロク代表は軍服務期間中、株で創業資金を工面し、米軍部隊の近くに飲食業売場を出して、初めての事業を成功に導いたという尋常ではない能力を持っていた。彼は株を通して世の中の不便を解決するサービスを持っている会社の価値は高まる他なく、そのようなサービスこそが持続することができると考えたという。

そしてそのような価値ある会社を自分で作るという一念で創業を決心したと説明した。新しい事業を始める前に、6つのフレームを設定し、それに合うカテゴリーを悩みつつ事業アイテムを一つずつ代入してみたところ、その中に「ブランド品」というアイテムが残っていたと話した。

 

 当時、彼は株での大きな利益と最初のビジネスの成功で創業への自信に満ちていたと言う。2億(約2,000万円)の創業資本金を元に事業を始めた後、完璧な事業モデルと製品が出るまでは顧客に披露できないと考えたため、サービスをリリースしないまま営業と開発にのみ没頭した。

そして創業2年、資本金が100万ウォン(約10万円)しか残っていなかった時、「このまま行くと終わる」という思いから、1か月でサイトをオープンした。以後、最初の月だけで4,000万ウォン(約400万円)の売上が発生し、ついに本格的に投資を受ける時だと考えたと説明した。


 

チェ・ヒョンロク BALAAN代表 

 


 私の長年の友人であり、SparkLabsのファッションメンターであるキム・ヒウォン理事を通じてBALAANのチェ・ヒョンロク代表と会うことになった。カロスキルで一緒にランチを食べながらBALAANのビジネスについて聞くことができた。

BALAANはヨーロッパの現地にある高級ブティックをオンライン化し、ブランド品をリーズナブルな価格で買えるようにしたプラットフォームだと説明を受けた。ブランド品市場が凄いビッグマーケットだということはもともと知っていたが、全世界300兆(約30兆円)市場だという点とその半分近くに及ぶ150兆(約15兆円)がアジア市場で消費されているという点は非常に興味深かった。

だが、BALAANがやろうとしていたマーケットはオンラインコマースのブランド品市場だったので悩む他なかった。当時、電子商取引が活発に行われてはいたものの、コマース市場にブランド品は普及していない時期だったからだ。

 「なぜこの事業を始めようと思ったんですか?」と聞くと、彼は「自分はブランド品をよく買う方だが、百貨店は価格がとても高く物の種類が限定されている。並行輸入している所は旬が過ぎたものが多い。海外通販すると決済も面倒で配送期間も長く、交換や返品も難しい」という問題点と同時に解決策も明快に聞かせてくれた。

 

 ブティック!ハイブランドは直営オフライン店舗、あるいは直営オンラインショップを運営したり、さまざまなブランドを扱うセレクトショップであるブティックを通じて製品の流通を行う。このブティックが300兆(約30兆円)のブランド市場の60%以上を占有しているという事実を説明しながら、過去1年間直接ヨーロッパに訪問し100以上のブティック契約を行ったと話した。

私はブランド品の世界についてよく知らなかったが、韓国の百貨店に入店したブランドは直接ハイブランドと契約して商品を購入し、百貨店MDが主なターゲットである高年齢層の顧客に合わせて物品を調達しているということと全ての在庫を百貨店側で負担していることを知った。

一方、BALAANはブランド市場を支配するヨーロッパの現地のブティックとのパートナーシップを通じ、より多様なアイテムとブランドにアクセスすることができる点、そして在庫を負担しないマーケットプレイスを構築したという点にチャンスがあると感じた。

 

 SparkLabsプログラムに参加したBALAANは、プラットフォームの需要創出に集中した。ヨーロッパ現地を回って契約した200以上のブティックの商品を厳選し、顧客にリーチするよう戦略を立て実行した。四半期ごとの目標を設定した後、達成する実行力を見て、この事業に対するチェ・ヒョンロク代表の情熱を感じることができた。

実は当時既にブランド品を購入できる並行チャンネルが生まれていたため差別化できる点は何かと思ったが、BALAANは後発走者として高級コマース市場内の他所では見られなかったブランドと商品を見つけられるよう市場を導いた。 

 

 

イタリア現地でミーティング中のチェ・ヒョンロク代表 

 


 韓国でこれまで見られなかったフランス・パリスタイルのブランド、ハイブランドといっても狎鴎亭(アックジョン)、清潭(チョンダム)のブティックでは見ることができなかった様々な製品をBALAANプラットフォームで見ることができた。

チェ代表はとても結果を出していたが、並行輸入企業がスタートアップビジネスとして果たして生き残ることができるのかは依然として疑問であり、ベンチャーベースの事業なのかどうかよく分からないという思いは残っていた。だが私はチェ代表が直接ヨーロッパに飛んでブティックと取引を行ったこと、コマース事業は初めてなのに最後まで実務的に参加して努力する姿、成長性のあるマーケットを見て投資を決心し、一般VCの後続投資の連結を助けた。

 

 (SparkLabs10期DemoDay発表中、)「私たちは、ヨーロッパのブティックとの契約のために、この2年熱心に走り続けてきました。その結果、200個のブティックとの契約締結に成功し、なんと60万人の顧客がBALAANを訪れ、3ヶ月で18億ウォン(約1.8億円))という売上を達成しました。ブティックはBALAANを通じてアジア市場に参入し、売上高の増加とともに在庫リスクを最小限に抑えることができました。21世紀のファッションEコマース市場に新しいシルクロードを開拓します。

 

 ブランド品市場は2001年から2015年までマイナス成長が一度もなく毎年10%成長した。新型コロナウイルスの影響についても、2021年韓国のブランド市場は16兆(約1.6兆円)規模で堅固な成長傾向を見せた。これは全世界7位の水準だ。

BALAANは2021年、月取引額約800億(約80億円)、月間ユーザー数約630万人という値を記録した。今後、オフラインよりオンラインが身近なコマース強国の時代になるだろう。BALAANはブランドブティックと顧客をつなぐ役割だけでなく、ブティックの在庫を把握し、リスクを最小化する役割も行っている。

BALAANが韓国だけでなくアジアのブランド品市場を代表するブランドコマースユニコーン企業へと成長することを楽しみにしてみる。

 

 


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