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【彼のHOW TO】SENSEEのソ・インシク、アメリカ進出記「8年間で学んだ、誤解と真実」

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【彼のHOW TO】SENSEEのソ・インシク、アメリカ進出記「8年間で学んだ、誤解と真実」

アメリカに法人や拠点を作るノウハウというものがあるでしょうか?点字コンテンツスタートアップのSENSEE(センシー)は、アメリカ拠点づくりに切実であり、今作る過程にあります。成功談の共有ではありません。現在進行型の共有です。

  1. SENSEEは何をしている会社:点字スタートアップ
  2. アメリカで何をしたいのか:サブスクリプションモデル。アメリカの会社にならなければならない!
  3. やってみると何が違うのか:「アメリカ事業8年目の今年になって理解した、法人実体化という概念」

アメリカ進出記を共有するスタートアップのSENSEEについての短い話からです。昨年3月のちょい事情通の記者レターのタイトルは「『点字のAmazon』を夢見るSENSEEソ・インシク代表」でした。ソ代表のインタビューです。

「父は視覚障がい者です。最初は5~6級レベルで、障害がひどくなかったのですが、手術を受けて片目を失明してから、もう一方の目もどんどん悪くなりました。点字が必要なレベルまでになりました。6年程前のことです。点字機器を買ってあげようと探して回っていました。

点字機器とはノートパソコンのようなもので、点字の字板が付いています。点字本ファイルをUSBに入れて差し込み、下の点字キーボードに手を置きます。するとこの字板が順番に飛び出し、手の感覚で点字を読みます。それが600万~700万ウォン(約62~72万円)です。」

「実のところ、父は『この年齢で点字を学ぶのは大変だ』と結局、機器を買いませんでした。疑問だけが残りました。 『何か変だ』と。私がもっと安くしようと思いましたね。」

「2年かかって、点字機器を作りました。良い点字機器を100万~200万ウォン(約10~20万円)で売ろうという創業目標は目前だと思っていました。市場は違いました。デバイスを作った後でやっと、この市場が完全に『補助金』市場であることを知りました。700万ウォン(約72万円)の製品に政府の補助金が80%出ます。

実際に購入する視覚障がい者は140万ウォン(約14万円)だけ出すのです。当社の製品がより良質だと思いましたが、価格を下げるのはかなり難しかったのです。 『規模の経済』を達成しながら価格を下げなければならないのですが、そうするには市場が小さすぎ、多く売ることができません。」

 「当社の機器は1台で150万ウォン(約15万円)だったのですが、8台売りました。結局、すべての企業が補助金に頼るしかなく、革新をする理由もないのです」 

「市場が小さいもう1つの理由があります。点字コンテンツがあまりにも足りていませんでした。USBに入れて見るほどの点字ファイルがあってこそデバイスを買うものですが、そもそも点字ファイルがないので、かなり少ないデバイス需要がさらに少なくなるのです。苦い失敗後にピボットしたポイントです。点字コンテンツを作成しよう、と思いました。」

2015年に創業したSENSEEは点字本を作るスタートアップです。書籍ファイルを自動的に点字ファイルに変換する自動プログラムを作成しました。SENSEEは世界48の言語を点字に翻訳する技術を確立し、点字に変換した本は300万冊を超えます。

本製作費用も10~50ドル(約1,000円~5,000円)水準で、以前の点字翻訳方式(約1万円~2万円)よりはるかに安いです。しかし、点字本は狭い狭い韓国の点字本市場だけでは不足しています。生まれつき、世界の点字本市場のすべてを目指さなくてはならないのです。

昨年の売上高は72億ウォン(約7.5億円)を上げ、今年上半期には100億ウォン(約10.4億円)を超えました。SENSEEにとって、アメリカ拠点は単に市場拡大のための挑戦ではなく、適切に回す基盤を整えるための必須要素です。ソ・インシク代表とは秋夕を控えた9月7日にインタビューを行いました。

ソ代表はアメリカ・LA、ちょい事情通の記者1号は東京です。


SENSEEが出版した英語点字童話本。点字と英文、絵がすべて1ページにあり、視覚障がい者と一般の人が一緒に読めるように作られている。 /SENSEE提供


 1. SENSEEは何をしている会社:点字スタートアップ

-点字スタートアップのSENSEEは、現在独自の工場を保有しています。直接点字本の生産ですか?

「工場を建てました。生産の方はかなり軌道に乗せた状態です。今年、原材料が急騰する中でも幸い、SENSEEは引き続き製品価格を下げる方法を見つけられています。本を作る工程はすべて終わり、半自動化まで来たので、現在は完全な自動化を目標に補完しています。

作成する本の種類も増え、販売もかなり増えています。今年上半期に100億ウォン(約10.4億円)の売上を突破しました。昨年は72億ウォン(約7.5億円)程でした。」


-本をどれだけ売れば、半年で100億ウォン(約10.4億円)の売上が出せるのでしょうか?

「コンテナで海外にたくさん送りました。売上比重は海外が70%、韓国国内が30%です。コンテナに乗せて海外にたくさん送りました。」


-すでに海外の割合が70%なのに、なぜまた海外を制覇しようと奮闘しているのですか?

「SENSEEは最初から海外比重が高かったのです。なぜなら本来韓国での事業を見通した会社ではないからです。むしろ「韓国国内の売上がなぜこんなに上がってきたの?」と思っています。韓国で見れば、感動的な数値です。

しかし、本来SENSEEが創業する時の目標、話にならないほどの点字図書の価格を引き下げようというものですが、まだ完全には達成できていません。市場内の価格、だから当社が現在(B2Bの形で)供給しているのを見てください。結局、直接B2C(消費者販売)を開かなければなりません。

10月にはB2Cを開始します。(@インタビュー後半に出るが、アメリカでは点字本の価格が一冊70~150ドル(約7,000~1万5,000円)だ。SENSEEは本ファイルを自動的に点字翻訳して出版するプログラムと自社工場設備を確保して図書価格を引き下げ続けてきた。

それでも、SENSEEの目標である『むしろ目が見えない人々の方が、本を重要としている。だから、一般人と同じ価格で本を読むべきだ』という目標は容易ではない。SENSEEは現在15~20ドル(約1,500円~2,000円)まで可能な構造を備えている。目標は目の前だ。ただ、市場でSENSEEの本がよく売れたら、の話である。)


-アメリカでB2Cをきちんと行うには、やはりアメリカ法人が必要だということでしょうか?

「アメリカでB2Bをする際には、途中でベンダー社を挟んだり、手数料を払って、行うことができます。B2Cはまったく異なります。アメリカの人々にとって、SENSEEアメリカ法人はアメリカの会社でなければなりません。アメリカ進出における課題なのです。SENSEEが何年も挑戦して苦戦していることです。その糸口を見つけるために。

しばしば「法人の実体化」と言われます。 『アメリカ進出法人をアメリカ社会がアメリカの会社として受け入れられる仕組み』にすることをそう言います。会社だけあり、現地職員が数人いるからといって実体化される訳ではなく、この会社自体がアメリカのビジネスはもちろん、文化にも溶け込んでいき、地域コミュニティとの協力モデルも多様に作らなければなりません。」

「アメリカ出張が長期化し、韓国に帰れていないのは、それが難しいためです。アメリカ法人のボードメンバーを地元の良い方で補強し、SENSEEを誰がを見ても本物のアメリカ企業のように見え、実際にアメリカ社会内で協力する会社にして、そうしたイメージを確立しなければなりません。

そんな人たちに会い、迎え入れ、組織構成する作業をしています。創業した時からアメリカを回っているので、もう8年になります。」 


SENSEEのソ・インシク代表/SENSEE提供


 2-1. SENSEEはアメリカで何をしたいのか:サブスクリプションモデルのローンチ。アメリカの会社にならなければならない!

-アメリカでは点字本を直接書店で売るのではなく、以前からのエージェンシーを通じて図書館のようなところに供給するのですよね?

「はい。今回、個人がオンラインで点字本を購入できる販売サイトを作成します。また、点字本をレンタルで受け取れるサブスクリプション(購読)モデルを用意しています。B2Cです。個人のお客様に直接会うのです。創業からずっと、英語でも韓国語でも、どんな言語でも自動的に点字に翻訳して点字童話本や必要な点字本を作る、そんなプログラムを作ってきました。

これがうまくいった後、昨年から今年までずっと工場に張り付き、生産価格をかなり下げました。SENSEEの本当の目標である10ドル、20ドルの点字本を作れるように。幸いにもここまで来ました。アメリカに来て、SENSEEのこの目標をサポートしてくれる現地機関との協力を模索しています。」

 

-アメリカでも現地に工場を1つ作り、本の生産価格を最大限下げてB2Cに入る。オンライン点字本ショップを作り、直接売ることもする。近いうちに月額制で、点字本を送るサブスクリプションも始まる?

「来年からはアメリカにも工場と機械を1つ1つずつ設置しようとしています。2024年までにアメリカでオートメーション工場も作ってみようと考えています。アメリカ市場を見ると、アメリカではオンライン書籍の購入率が半数以上です。そのため、オンラインショップにチャレンジします。

SENSEEが1度にすべての年齢向けの本を扱うことはできず、ひとまず児童と保護者用市場をターゲットにしています。子ども向けの点字本の分野を揃えています。簡単に言えば、全集販売に似ています。ここにアメリカは全体的にサブスクリプション型サービスが多く普及しており、これを活用した戦略を組んでいます。

どうしても全集で構成してみると図書価格をいくら安くしても、(全集全体購入する)金額が高くなります。サブスクリプションモデルは、一定数の書籍を受け取り、読んでから返却し、引き続き新しい書籍へと続けるというモデルです。アメリカ現地の販売チャネルや物流メーカーなどとある程度調印を終えた状態です。

サブスクリプションはレンタルであり、どうしても本の破損の問題がおこる可能性があります。幸い点字図書は基本的にバインディング製本という、リング製本の形になります。修理するのが多少簡単であるという利点があります。アメリカにリペア設備を導入し、徐々に全体の本生産ラインが入れるという方向性で見ています。

サブスクリプションサイクルが回れば、複数回レンタルされた点字図書は、アメリカ地域内の図書館や低所得層の学生が支援するプログラムを担当する機関に寄付する方式です。コミュニティと協力するモデルです。こういう循環を作ろうという構想です。」

「期待していることとしては、売り上げ面もありますが、ひとまずアメリカという社会でSENSEEがただ韓国から来た会社としてではなく、本当にアメリカで活動していて、アメリカに実体がある会社だということをアメリカ社会に見せることが重要だと考えています。

人員もほぼアメリカ人で構成しています。アメリカ人の履歴書を受けとり、面接を行いました。韓国のSENSEEチームが持っているアメリカ内の人的ネットワークは限界があまりにも明確であるため、様々な方々を迎え入れて、進んでいます。

アメリカ社会のネットワークがある方、例えば視覚障がい者福祉館や関連協会や団体の方々に会って話をして、その他にもビジネスセクター、コンサルタント、弁護士など現地の方々に会っています。」


2-2. SENSEEはアメリカで何をしたいのか:高価な点字本100ドル(約1万円)の壁、それを壊し20ドル(約2,000円)へ

-創業者の時間はスタートアップの最も貴重な資産ですが、アメリカ法人のセッティングにどれくらい時間を割いていますか?

「今年2~3月にアメリカにいました。8月に来て、今まで居て、おそらく10月末に韓国に帰ると思います。12月にも韓国を出なければなりません。今年1年は私と別の韓国チーム職員が交互にずっと行ったり来たりしていました。ビザの申請を行いました。来年はビザを受け取り、1ヶ月はアメリカ、1ヶ月は韓国、こんな風に行ったり来たりしなければならないようです。」


-アメリカ法人はどこに設立するのですか?

「現地職員は序盤に動くことができるのが3人ほどしかいません。7~8人まで増やそうと採用中です。それ以外に、SENSEEと協力する専門家たちをボードメンバーや社外取締役のような席に迎え入れています。

ネットワークのある方を迎えています。このようにボードメンバーとして8人程度を迎え推進しています。SENSEEの趣旨に共感し、何人はアメリカ法人の準備が完了したら合流することになっています。 」

「SENSEEはもともとアメリカ法人でした。つまりアメリカ側のエージェンシーと協業するくらいの役割だった法人なのですが、それはもともとサンフランシスコの方にありました。 

これからモデルを拡張しようと、そしてオンラインビジネスまでするため法人の形態を連邦法人形態に変更しなければならないという問題も生まれ、アメリカ各地域の税率のようなものも確認しなければならず、現在はアメリカ法人の設立場所を東部やカリフォルニア側まで多角的に検討しています。候補地を三箇所に絞り込んで、ペーパーワークを行いながら悩んでいるところです」


-アメリカのオンラインビジネススケジュールは?オンラインで売る点字本の価格は?点字サブスクリプションサービスの価格は?

「10月の第3週にアメリカ東部で視覚障がい者展示会があり、同様の時期にドイツでもブックフェア展示会があります。その時点にローンチを合わせようと仕上げ作業をしているところです。 」

「アメリカでは、点字の本はいくら安くても70ドルほどです。 通常100~150ドル(約1万~約1万5,000円)程度です。SENSEEはハリーポッターシリーズも用意し、ローンチと同時に披露する予定です。引き続き言語やコンテンツが増えるでしょう。出版社と話す頻度が増えました。

ただし、定めたコンセプトとして、すべての図書を扱うこともできますが、すべての図書を扱うには設備の限界もあり、物量を扱えるキャパ自体の限界があるため、少し戦略的に見て、子ども中心の本市場に先に入ろうと考えています。 その後、年齢層を拡張する方法です。

また、単純な童話のような本もありますが、実際の教育に活用できる教材コンセプトの製品を追加する、顧客からすると難易度のある点字本をもう少し安く買えるようにする計画です。自動翻訳という技術革新で落とした価格で勝負を行う戦略です。 」 


2-3. SENSEEはアメリカで何をしたいのか:ハリーポッター点字本...小学校低学年が優先ターゲット

-アメリカで点字本を15~20ドル(約1,500~2,000円)で売る?それなら、普通の本と同じ水準ではないですか?

「似たような価格です。オリジナル書籍に比べ3~5ドル(約300~500円)ほど高いです。反応は良いです。ありがたいことに、アメリカの関連機関でSENSEEのこうした点字本をレビューしてくださいました。レビューをアップしてもいいかという問い合わせもたくさん頂きます。

何より、SENSEEの考えに共感する方が多くなっています。SENSEEは点字本にも点字だけでなく、文字やイメージも一緒にあり、同じ本を親と子どもが一緒に見るようにしようとしています。現場でもたくさんテストを行いました。視覚障がい者と一般人が一緒に見ることができる本が教育的にどのように役立つか、そのようなレビューを書いてくださります。

当社の方向が市場に合いそうだという希望です。残りはビジネス的にどれだけ積極的に行くかという判断です。一言で言えば、マネーゲームというものが残っているようです」


-点字本のサブスクリプションは視覚障がい者の子どもを持つ家庭には受け入れられると思いますが。高すぎるとダメでしょうが。

「価格帯は検討しています。月基準で30~100ドル(約3,000~約1万円)くらいでしょうか?一般図書のサブスクリプションモデルを見ると、およそ月に3~5冊で30~50ドル(約3,000~5,000円)程度でした。ただし視覚障がい者が学習する際の速度から、月にこの程度の冊数は多少多いのではないかと感じ、少し調整が必要に思いもします。

 点字本を送るのは1度に5冊くらいにし、レンタル期間は悩んでいます。価格と配送と回収、つまり1ヶ月周期にするか、2ヶ月単位で行うのかが残っている経営判断の領域です。

サブスクリプションモデルをローンチする際、小学校の低学年をターゲットにして、現在50種以上を準備し、年末までに100~120種程度を準備する計画です。アメリカの潜在顧客調査をして、特徴的だったのはアメリカの視覚障がい者の購買力は意外にもかなり大きかったことです。」


3-1. してみると何が違うのか:何年留学しても、アメリカでのビジネスが上手くいかない限界。目標値の10~20%も容易ではない

-すでに8年目のアメリカ市場への挑戦、何を学びましたか?

「SENSEEのビジネスはあまりにも閉鎖的で、新規企業は市場進出の際に困難が大きいです。これはアメリカ企業でも新規企業なら同じことを経験するでしょう。

こういうセンシーのビジネス特殊性から来る進出の難しさを除いて見ると、正直今でも大変だと感じられるのは、まだ遠いと思うのは、アメリカで私が1番感じたのは、『この会社がアメリカの会社なのか』というテーマです。

私たちが単に商品を作って現地販売チャンネルに供給するのなら、このような問題はないでしょう。しかし、SENSEEは今アメリカ社会に入ってビジネスをやろうとしているのです。アメリカ社会にアメリカ法人として根を下さなければなりません。

ところが、結局、アメリカ法人はアメリカの会社なのか、韓国の会社がアメリカに会社オフィスだけオープンしたのか、その差があまりにも明白なのです。つまり、私が言いたいのはアメリカ社会に受け入られることは極めて大きな違いを生むということです。」


-アメリカ法人だがアメリカの会社ではない?または本物のアメリカの会社だ?

「例えば、アメリカの投資家に会えば、『あなたはアメリカの会社か韓国の会社なのか、私が投資するとなればどこになるのか』と聞かれ、『韓国法人とアメリカ法人はどんな関係か』と尋ねられます。

このように複雑になれば、アメリカの投資家からすると、どうせ数多くのスタートアップの中のワン・オブ・ゼムなだけなのに、わざわざ投資しないでしょう。つまり、資本を現地で調達するのにリスクがあるのです。」

「アメリカ法人が実体を持たず、韓国法人とアメリカ法人の構造が両世界でそれぞれ認められるようにならなければ、ビジネスが成長する上で限界があります。韓国の資本を使ってアメリカをカバーするというのは、とても難しい話なのです。

現実的な問題もあります。アメリカでマーケティングする際、いくら韓国では秀でていても、SENSEEにも営業チームや企画チームに留学経験者もいますが、目標値の10~20%もまともにできません。

理由が、能力がないからというより、もちろん時差の問題もすごく大きいのですが、それよりも文化的な違いがとても大きいのです。文化というのは、いざ説明しようとすると難しいのですが。同じテーマについて、見つめる方向が違うといいましょうか。」

「私たちは、1つの視点に向かったり、自身のミッションを突き通したりしますが、アメリカ側の協力パートナーは、例えばSENSEEをかなり肯定的に評価する人でさえ、様々な角度を見ながら協力モデルを探します。結局、こちらが追いつけないケースが生じます。

韓国人として生き、数年留学生活をするも、アメリカで働きはしなかった人とずっとアメリカ社会でアメリカ人たちとぶつかりながら働いていた人々では、両者の間のマインドセットが完全に違う気がします。」


-一例を挙げてください。はっきりと違うと感じるものがありますか。ビジネスをするとき?

「例えばビジネスをする中でロビー活動を当然だと考えています。お互いにディールをやり取りし、そこにベネフィットを与え、ギャランティを保障し、手数料ベースで協力して、この仕事もし、その仕事もして、いろいろなものを結ぶ。

ビジネスのために必要な政策から会わなければならない人を1度に悩んで、プロジェクトプラン組んで、そしてまとめてチームビルディングして進めます。韓国はそうではありません。韓国はたったひとつ、内部か、外部の誰かと契約を結んで任せます。 

とても小さな視野で見ており、そのため限界がとても早く見えます。もちろん、アメリカのこのような性質はSENSEEのビジネス特有のものかもしれません。なぜなら、点字本は単にセールスしたり物を供給することで終わるのではなく、俗にいうロビーの領域が必要ですから。」


3-2. してみると何が違うか:「もう1度創業チームのチームビルディングをする感じ…ただし、韓国人は除いてチームビルディングしなければならない」

-点字本は関連団体や機関の助けや協力がかなり多く必要でしょう?

「かなり。必要なら政策的な部分までも話をしなければなりませんから。コミュニティ集団とのコミュニケーションがかなり重要なビジネスなのですが、そんなことを果たして韓国の文化に慣れた人がこなすことができるかというと、クエスチョンなんです。

それで、韓国組織がアメリカのビジネスにいつも疲れているのです。ハードルを超えられないたびに。今年からはアメリカの現地雇用のお知らせも出し、推薦も受けて、こちらの人材もセットアップしているところです」


-アメリカでは初めて聞く会社でしょうが履歴書が出されますか?

「出されはしますね。しかし、そうして入ってくる人たちが本当にスキルやキャリアがいいのかと言うとそうではありません、正直。私は最近再び創業しているような気がします。チームビルディングをやっているのですが。創業チームビルディングをしていて、問題は韓国人は入ってはいけないチームビルディングです。難しいです。」


-アメリカ現地のマネージャーが1番大事な気がするのですが。

「現地マネージャーのような場合はリスクです。小さな会社であり、名前が知られていられないため、マネージャー級の人材があまり応募してきません。私たちが望むマネージャーはディレクター級、いわゆる、年俸10億程度は出さなければいけないが、動くことができる人々、が必要なのですが、そんな人々が今SENSEEに来る訳がありません。

さっき申し上げた通り、社員ではなく社外取締役の形で迎え入れ、彼らの経験とネットワークの助けを得ようとしています。視覚障がい機関の専門家や、政治圏ネットワークのある方、VC側ネットワークのあるビジネスオーナー級の方々」

「私たちは非営利法人も別に設立します。協会の方や点字本を作る非営利機関を運営する代表、保護者コミュニティの方に影響力のある方は、非営利法人の方で活動している方が合うのです。SENSEEが迎え入れたい方の性格タイプもあります。営利、非営利の領域を区別するのです。SENSEEのビジネスを中心に、営利法人側、非営利法人で構造を作っています。」



3-3. やってみると何が違うのか:「アメリカ事業8年目の今年になって理解した、法人実体化という概念」

-SENSEEはアメリカ法人は別の会社であり、アメリカ法人がアメリカVCの投資を受けることを考えているようですね。韓国とアメリカの法人間の支配構造は?

「その支配構造を理解するのに時間がかかりました。なぜなら韓国基準で見ると、支配構造を当然韓国が持っているべきだというのが私や(韓国)VCの考えでした。アメリカ法人を置き、アメリカ会社になろうとはしていますが、私はずっと理解できていなかったのです。

法人の支配構造というものが韓国で言う支配構造とアメリカのアプローチが違うんです。韓国法人がアメリカ法人株式持っているのが何が問題だ、そう思っていました。アメリカVCがアメリカ法人に投資したいならアメリカで開き、韓国に入れたいなら韓国を開いてあげればいいのではないか、という感じでした。

それがなぜ問題になるのかという考えでした。アメリカでは、そんな話を聞いたら、『それでは韓国会社がなぜアメリカにオフィスだけを置いているの?これは幽霊会社のペーパーカンパニーではないか』と思うのです。」

「アメリカ法人が実体性を持たなければならないというのがアメリカの考え方です。支配構造として、韓国法人が親会社か、アメリカが子会社か、逆であっても、それは重要ではありません。

アメリカ法人が実体を持っており、アメリカ内のビジネスに対する確固たる権限を行使し責任を負うことができ、経営自律権を確固としたのか、そのように組織化させているのかが重要な課題です。支配構造はその後の問題です。

なぜなら、すでにアメリカのすべての会社は、その株式は韓国企業が持っていたり、中国が持っていたりするのです。だからといって、最大株主の国籍で、アメリカの会社ではないと考えないということです」


-私は理解できているでしょうか?重要なのは、アメリカ法人が独立して自律的にアメリカでビジネスを行うことができること。もし特許が必要な場合、韓国法人の保有特許でもアメリカ内独占的な使用権を確保しなければならない。契約書上、アメリカ法人が必要な特許と技術、サポートの両方を持っていなければならない。

「はい。そうですね。そういうことを理解するのに、その概念をとらえるのに私は意外と長くかかりました」


-そうなれば結局アメリカVCはアメリカ法人に投資しそうですね。韓国まで行く必要はないでしょう。 coupang(クーパン)はまったく逆にしたじゃないですか。アメリカ法人が韓国を支配していますよね。

「そうですね。アメリカ社会では支配構造がどうかというのは、あまり重要ではない問題なのだと思います。全く重要ではないというわけではないでしょうが。SENSEEはそこに政府補助金を受けるプロジェクトもあるのです。そうした時も、この問題は重要です。

アメリカ政府は協力プロジェクトをするのに、株式は外国が大株主である可能性があることを理解しています。 

『私と仕事しようとする、私からお金を受けとろうとする、アメリカ法人であるあなたは、例えばSENSEE USAと言えば、SENSEE USA、あなたは何をする人たちで何の権利を持っているのか、独自の営業圏を持っており、関連する資産、知識財産やこんな権利を十分に持ち、行使できるのか、あなたが責任を果たせるのか』という彼らとしては当然の問いなのです。

例えば『あなたが何か事故を起こした時、韓国法人で責任を負うのか』という問いはとても重要なのです。


-責任はアメリカ法人になり、問題を解決できるのはないですか?

「そうです。法人の実体化、構造化 、韓国語ではこのように表現しますが、私たちは構造と実体といえば、常に支配構造、株式構造を思い浮かべます。どこが親会社であり、子会社なのか。そういう風な考えでアメリカ側に会えば、『なんだ、アメリカに全部移せということか?』という気がします。

いざ話して内容を見て、質問も受けて相談もしてみると、アメリカ側で言う構造と実体化は文字通り『責任を果たせる企業だ』という確認なのです。アメリカでビジネスし、それによってお金も稼ぎ、責任までも負える会社なのか、ということです。 」

/media/ちょい事情通の記者(쫌아는기자들)
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朝鮮日報のニュースレター、「ちょい事情通の記者(쫌아는기자들)」です。

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