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「誰もが映画館を開くことができる時代…映画界のAirbnbになる」|Let’s スタートアップ

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【#Let's スタートアップ】「誰もが映画館を開くことができる時代…映画界のAirbnbになる」

  • ソク・ミンチョルRNR代表

「重厚長大な施設装置事業に留まっていた映画上映をデジタルへと転換させれば、誰もいけなかった新しい市場が開かれるだろう」

最近毎日経済と会ったソク・ミンチョルRNR創業者/代表は、NetflixなどOTT(オンライン動画サービス)の登場や、パンデミックなどの影響で急変するエンターテイメント市場において、発見した事業機会をこう説明した。

彼が創業したRNRは、ビスポーク(小規模・カスタマイズ)映画館ソリューション「MONOPLEX(モノプレックス)」と映画予約、コンテンツ知識財産権(IP)活用デジタルプラットフォーム「シネマーケットプレイス」をサービスしている。

CJ CGV公開採用1期出身の彼が創業者の道を歩くようになったのは、過剰な有形資産投資を要する既存のマルチプレックス事業は持続可能ではないと判断したためである。

ソク代表は「劇場は重厚長大な産業として莫大な投資費と運営費を出しており、一つ上映館を増やすたびに過剰な資本と固定費がかかる」とし、「その結果、劇場産業の勝者はコンテンツとは関係のない不動産の所有者になっている」と説明した。

RNRはまずビスポーク映画館「MONOPLEX」を通じて市場にアプローチしている。MONOPLEXは、大規模空間に建設されるマルチプレックスとは異なり、遊行空間に少ないコストで小規模な映画館を作り、上映映画まで配給するオールインワンソリューションだ。

アパート、コミュニティセンター、ホテル、カフェ、レストランなどが潜在的な顧客である。現在10の映画館を開館している。ソク代表は「Airbnbがホテルを建てずにホテル業をするように、映画館を建てずに、劇場業をデジタル配給網事業に再創造しようとする試み」と強調した。

「初期費用なしで上映ソリューションを普及し、10~20%水準のコンテンツ配信手数料を受け取るフランチャイズ型の公開作品コンテンツ配信ネットワーク事業と海外事業を同時に進めている」と付け加えた。

ディズニーやソニーピクチャーズなどハリウッド企業の役員出身メンバーで構成された米国事業チームを通じ、MGM、Wynn(ウィン)などの米国メジャーホテルチェーンやBrookfield(ブルックフィールド)などの不動産企業との協力し、米国進出を推進中だと伝えた。

オンライン上映契約締結とIP取引を行うデジタルコンテンツ取引プラットフォームは事業のもう1つの軸である。流通・収益配分構造を見ると、通常、映画は「制作→配給→上映」というバリューチェーンを経て劇場で初めて販売される。映画(IP)は劇場で初・最高値で公開された後、時間を空けて他のチャンネルで再販されるが、価格は持続的に下落していく。このため配給会社、劇場ともにIPの長期的活用法に苦心している。

しかし、上映後のIPライセンスは、事実上、分離された事業にとどまっている。ソク代表は「既存の劇場は年間50兆ウォン(約5兆1,000億円)を生み出すコンテンツ流通の最も強力なウィンドウでありながら、産業に前後の連携性が全くなく、劇場を訪れる数千万のメンバーシップ顧客を保有しながらも、座席の前売りなどの単純なサービスでファンダムエコシステムを構築できずにいる」 と指摘した。

ソク代表が製作、配給、上映、IPライセンスなど散り散りになっていった映画業を1つのデジタルプラットフォームにまとめようとする理由もここにある。

ソク代表は「既存のコンテンツ流通の場合、正確な権利者の把握が難しく、体系化された流通システムやオンライン上でグローバルに著作権を取引するツールがないという問題がある」とし、「これをすべて繋ぐプラットフォームは存在しないため、それを作り新たに市場を開く」と話した。

RNRは最近スタートアップ業界に吹き込む寒波の中で「よく稼ぐ」ベンチャーに選ばれた。同社は2014年の設立以来、シネマ映像・音響ソリューション事業などで10%台の営業利益率を達成し、着実に黒字を実現している。


写真:提供=RNR ソク・ミンチョルRNR代表

原文:https://n.news.naver.com/article/009/0004996488?sid=105

/media/MIRAKLE LETTER
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