韓国スタートアップ資金調達動向まとめ:2022年10月|月間スタートアップレシピ
この記事は、韓国のスタートアップメディア「startuprecipe(스타트업 레시피)」が発行する「月間スタートアップレシピ(월간 스타트업 레시피)」の情報をもとに、資金調達状況や動向を掲載し、企業情報を紹介しています。
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2022年10月:韓国スタートアップ企業投資概要
総資金調達額は今年最低の3,259億ウォン、投資件数も100件以下に
10月は、今年最低の投資額となる3,259億ウォン(約343億6,300万円)がスタートアップに流入した。5,000億ウォン(約527億円)を下回ったのは初めて。下半期に入り、投資環境は毎月悪化している。投資件数も93件と、今年初めて100件以下となった。1,000億ウォン(約100億円)を超える投資は消滅し、上位資金調達企業は100~350億ウォン(約10~35億円)の間に収まった。また、そのほとんどが100億ウォン(約10億円)台の投資にとどまっており、成長段階への投資は硬直している状況だ。
1,000億ウォン以上の投資はゼロ
最も多くの資金を調達した企業でも350億ウォン(約36億8,900万円)にとどまった。昨年から成長軌道に乗っていたスタートアップ企業の価値が下がり、資金調達の過程で資金が予想よりも確保できなかったケースも見られた。10月は1,000億ウォン(約100億円)以上の投資に成功した企業は1社もなく、総投資額が大幅に下落する結果となった。
初期スタートアップへの投資は維持も、件数は減
成長段階での投資は減少したが、初期スタートアップへの投資は維持されている状況だ。ただ、これは、韓国政府の補助金が民間投資の穴を埋めたことによって引き起こされた現象であり、初期投資も件数としては減少している。
韓国信用データが25社目のユニコーンに
投資環境が悪化する中でも、ユニコーン企業(企業の評価額が10億ドル、日本円にして約1,250億円以上の企業)は登場した。韓国信用データは、10月最大となる350億ウォン(約36億8,900万円)の資金を確保。企業価値が1.1兆ウォン(約1,159億3,500万円)とされ、25社目のユニコーンとなった。
MegaStudyEduがST Unitasを買収
注目すべき買収・合併としては、ST Unitas(エスティーユーニタス)買収が挙げられる。ST Unitasは、オンライン予備校などを展開するMegaStudyEdu(メガスタディ教育)に1,800億ウォン(約189億8,000万円)で買収された。
分野別投資分析
・コンシューマーテックに最も多く資金流入
・未来成長分野への投資活発
分野別では、コンシューマーテックに最も多くの資金が流入したが、特定分野に投資が集中したわけではなく、デジタルファイナンス、自動運転、SaaS、メタバースなど、未来の成長分野に投資金が流入した。中でも、グローバル市場向けのサービスを構築した企業は、分野を問わず投資に成功した。
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