COOピョ・ハンビ
イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校 建築学科を卒業後、CJ ENMにてメディアソリューション事業に携わる。
キャンペーン企画、コンテンツ企画、マーケティング、ブランドコンサルティングなど幅広い業務を経験し、2022年NEWNDYを設立した。
目次
NEWNDYについて紹介をお願いします。
私たちNEWNDY(ニューアンドディー)は、VEASLY(ビースリー)というサービスを運営しています。
VEASLYは簡潔に言うと、Kカルチャーに関連する商品を購入できるオンラインショップです。
その中でも特に、Kファッション、ビューティー、K-POPアイドルグッズなどの製品に特化しており、それらの商品を購入したい海外消費者に向けたプラットフォームとなっています。
2022年11月から私を含む4人の共同創業者でサービスを開始し、現在は台湾・香港を中心にサービスを提供しています。日本でのサービスも改善を重ねながら準備を進めている段階です。

VEASLYトップページ
サービスを始めたきっかけは何ですか?
私は元々、CJ ENMという会社で広告営業企画の仕事をしており、その中でKCONやMAMAといった海外で開催される大規模なK-POPイベントに関わることが多くありました。
イベント会場ではK-POPアイドルによる華やかなパフォーマンスだけでなく、Kファッション、Kビューティー、KフードなどKカルチャーに関心のある観客を対象にした展示ブースも設置されます。そこで私は、参加企業の調整やブランドとのコミュニケーションなどを行う橋渡しとなる役割を担っていました。
その中で、韓国国内で感じていた以上のK-POPブームの勢い、海外ファンの熱量の高さを目の当たりにしました。
こうした環境の中で、Kカルチャー市場の大きさや海外消費者の強い需要を体感し、これは一時的なブームではなく、ひとつの大きな市場として確立されつつあると確信しました。
そしてその需要に応える手段として、EC(Eコマース)プラットフォームを通じて物品を販売することで価値を提供できると考え、この事業を始めました。
VEASLYについて教えてください。
VEASLYはKカルチャーに関連する商品を購入できるオンラインショップで、主なターゲットはKカルチャーに関心を持つ20〜30代の女性です。
化粧品や洋服、アイドルのCDやグッズまで、様々な商品を扱っていますが特にK-POPアイドルの関連グッズや着用アイテムなど、K-POPと関連のある商品の注文が多いです。
VEASLYには、通常のECとは異なる点があります。
一般的なECサイトは商品が先にあり、それを購入するためにユーザーが訪れますが、VEASLYではユーザーが希望する商品のリンクや画像を入力するだけで、見積書が自動生成されます。
そのため、現段階では、ブランドが直接加入して販売しているわけではなく、ユーザーのリクエストに応じて取り扱い商品が増える仕組みになっています。

リンクを入力すると欲しい商品の購入ページが作成される
この仕組みにより、私たちが事前に把握していなくとも「ユーザーが本当に欲しい商品」の販売・購入が可能になります。韓国市場はトレンドの移り変わりが非常に早いため、ユーザーのニーズに合わせて商品が増えていくこの仕組みは非常にうまく機能していると感じています。
また、需要が高くなりそうな商品は、私たちから事前にブランドに連絡して問屋のような役割を果たし、商品ページを作成して販売することもあります。そのため、海外でどの韓国ブランドやアイドル、アーティストが人気を集めているのかを定期的にチェックし、ユーザーに新しい選択肢として提示しています。
サービスの特徴はこのような点ですが、スタートアップならではの素早い判断と実行力を活かすことでより早く、多くのユーザーの要望に応えることができることも大きな強みだと考えています。
台湾でのサービスに関して教えてください。
台湾でのサービスは2023年7月に開始し、昨年には現地法人も設立しました。
台湾から事業を始めた理由は、Kカルチャーの人気が急上昇していたことに加え、韓国との距離が近く配送が早く安価に行えるためです。
VEASLYでは、送料をお客様にご負担いただく仕組みのため、送料をできるだけ抑えることがユーザー満足度の向上に直結します。そのため、台湾で良い物流会社に早い段階で出会えたことは、事業を進めるうえで非常に大きなきっかけとなりました。
更なるサービス改善の余地はあるものの、顧客数や注文数は着実に増え続けており、繰り返し利用してくださる方もいます。
また、2025年11月にG-DRAGONのコンサートが開催された際には、所属事務所と契約して公式にペンライトの販売業務を担当しました。VEASLYのサービスに関して知っていただく貴重な機会になったと共に、台湾でのK-POP人気を再確認することもできました。今後、このような取り組みも増やしていきたいと思います。
日本市場に関してはどのようにお考えですか?
日本進出は事業開始当初から視野に入れており、準備を進めてきました。
日本市場に注目している理由は、その圧倒的な市場規模の大きさです。台湾でもKカルチャー人気は高いものの、日本市場との市場規模の差は無視できません。
台湾と日本には共通する点も多いのですが、日本は非常に保守的な市場で、新しいサービスを受け入れるまでに時間がかかるため、短期的に一気に拡大させるのは難しいと感じています。
本格的なサービス展開に向けて日本語版の提供や各種改善を進めてきましたが、台湾と比べると日本市場では即時的な反応が得られませんでした。そのため、今後も継続的に露出を続けることが重要だと考えています。
現在はまだ準備段階に留まっていますが、展示会には積極的に参加し、来年下半期頃から本格的な日本進出を進めていく予定です。
今後のビジョンや目標を教えてください。
Kカルチャー市場は現在大きなブームとなっていますが、これは一時的なものではなく、今後も一つの市場として成長し続けていくと考えています。
海外の消費者の中には、「商品を欲しいのに買えない人」が多く存在します。
弊社ではその不便さを解消するため、サービス改善を継続し、Kカルチャー商品をより簡単に購入できる環境を作っていきたいと考えています。
アプリのリリースや翻訳の改善、梱包方法の改善など、細かな部分にも気を配り、より快適なショッピング、そして早く安全な商品配送を目指していきます。
台湾・香港、そして日本。各国の市場を理解しながら信頼性を高め、Kカルチャーをより多くの方に楽しんでいただけるようサービスを展開していきたいと考えています。

