BookIPs – CEO ユン・ミソン

漢陽大学経営学科卒業。エデュテックスタートアップ創業・EXITをはじめ、出版社50社との提携や50万人規模の教育コミュニティ運営を経験。
国内初のSaaS型LMS「アカデミークラウド」を2,000社に普及させ、教育×テクノロジー領域で新市場を開拓。
日本でも受験コンテンツ開発や現地勤務を通じ、教育分野で幅広い活動実績を有する。


2020年に韓国で創業、教育コンテンツプラットフォーム「SOLVOOK」

弊社BookIPsは、「教育コンテンツをもっと効果的に」という企業理念の元、2020年に韓国で創業された教育コンテンツプラットフォーム「SOLVOOK」を運営する会社です。

会社名BookIPsは、Book(本) とIPの複数形を組み合わせたもので、弊社の一番強みである「多くの著作権保護された教材を提供する」という意味が込められています。

「SOLVOOK」では、正式出版教材や授業用資料、映像コンテンツまで様々な形態の教育コンテンツを提供しています。高品質かつ安全な教育コンテンツを無限に共有する、これからのデジタル教育時代に必要不可欠なサービスです。

2025年6月時点での累計取引額は100億ウォン以上。累計ライセンス著作物数は2,400以上、提携出版社数も50社を超えます。

現在、韓国内唯一のライセンスベース教育コンテンツプラットフォームとして教育業界を変革する存在を目指しています。

著作権侵害問題はびこる教育コンテンツ市場にメス、合法的流通を実現

まずは、弊社創業のきっかけからお話しましょう。

昨今、韓国内では教育現場のデジタル化に伴い、個別対応型教育コンテンツの需要は年々増加していましたが、デジタルコンテンツはなかなか浸透せず、普及率は停滞気味でした。

そして、その停滞理由は「著作権侵害問題」によるものでした。

教科書や参考書などの教材は印刷物であることが圧倒的に多く、それをデジタルコンテンツにするには、著作権問題をクリアにしなければなりません。

しかし、それまで著作権が保護されることなく、教材がデジタルコンテンツとして無断使用されるケースが後を絶ちませんでした。学生が勉強する上で、教育コンテンツは何よりも大事な要素であるのに、教材を合法的に利用・編集し、効果的に流通させるシステムが存在しないのは、教育業界にとってはもちろんのこと、長期的な視点で見れば、社会全体にとって大きな損失になってしまいます。

この問題を誰かが解決しなければいけないと思いました。

そこで、私は著作権を保護して、合法的にかつ合理的な値段で利用できる教育デジタルコンテンツを提供できるサービスをつくることにしたのです。

法曹界の専門家とも協力、教育の本質を突き詰めたサービスの提供

教育業界での著作権問題は、音楽や映画などのエンタメの著作権問題とは異なり、非常に複雑でした。私たちは法律について詳しいわけではありませんし、権利についての理解も不足していましたので、弁護士など法曹界の専門家の助けや、著作権委員会の方などとの連携を通じ、ひとつひとつの問題を丁寧に解消してきました。

その甲斐あって、現在では、韓国で唯一の教育デジタルコンテンツプラットフォームに成長しました。

合法的に教材を流通させられるようになり、一番喜んでくれたのは出版社をはじめとする著作権者の皆さんでした。教科書や参考書は、学校教育の要であり、大学入試や資格試験などの試験対策にも使用されるため、とても需要が高いのですが、それを違法に利用されてしまっては、出版社の存続に関わりますよね。

弊社のような存在は、ずっとこの業界に必要だったのだと思います。

また、弊社は、教育の本質とユーザーの使いやすさを向上させるため、オーダーメイドの授業資料をほんの数分で作ることができる便利なソリューションも開発・提供しています。

勉強する際の進度や理解度には、個人差がありますし、勉強の仕方も人それぞれです。

そのため、弊社のサービスには、授業の資料がレベル別や試験の範囲別に分けて使えるように考えられています。まさに教育の本質を突いた「痒い所に手が届く」サービスであり、すでに韓国では、教師、学生に双方に、必要不可欠な存在になりつつあります。

語学能力試験市場で日本進出予定、グローバル展開を目指す

弊社プラットフォームには、学校教育関連の教材だけではなく、語学学習の教材も揃っています。

日本では、現在Kpopや韓国ドラマが人気を博し、その影響を受けて韓国語を学ぶ人も多いですよね。TOPIK(韓国語能力試験)やハングル能力検定など、韓国語に関する試験の受験者数も数年々増えています。

そんな中で、私たちは韓国語学習者の方が楽しく学習できるように、韓流コンテンツとのコラボを考えたりしています。学習者の学習意欲を維持するのが大事だと思います。

そして昨今、日本国内に流入する外国人が増え、在日外国人のための日本語教育の需要も年々高まってきています。

しかし、日本語教材コンテンツの大部分は、まだまだ印刷物の中にとどまっているため、これをデジタル化していく必要があります。率直に申し上げて、日本の教育現場は、韓国の教育現場と比較してデジタル化が遅れていると感じます。

そういった視点でも、教育市場のデジタル化事情を熟知する弊社が介入する意味や価値は無限大なのではないでしょうか。

日本語を母国語としない外国人が、便利かつ効率的に日本語能力試験の勉強ができるように、これからもっと機能を充実させていきたいです。

また、日本の教育市場以外には、ベトナムの教育市場に注目しています。べトナムでは韓国語を学ぶ人が多く、韓国語教材の需要が高いんです。
現在私たちは、ベトナム国内の大学や教育機関との提携も進めています。

今後は、日本やベトナムで成功体験を積んで、実績を伸ばしていきたいと思います。

変わりゆく教育のニーズに応え、世界教育市場のゲームチェンジャーに

教育というものは、国の未来を左右する非常に重要な要素です。そして教育の形は、時代の流れによって変わっていきます。

例えば、今の10代と30代では、受けている学校教育が全然違いますよね。
これは日本や韓国に限った話ではなく、全世界に共通していることだと思います。

私たち大人が学生だった頃は生成AIはもちろん、タブレットを使って勉強するなんて考えられませんでした。

時代は変わったのです。

そして、この時代の流れとともに、社会で求められる職業や能力も変わりつつあり、時代の流れに沿った教育が世界中で必要とされています。

しかし世界的に見ると、いまだに著作権を無視した教育コンテンツの無断利用が多く、問題視されています。本当に教育をよくしようと思う人たちが教材や教育コンテンツを作っても、著作権が侵害され続けると、利益が出せず、続けられなくなってしまう。これでは、教育の質はいつまで経っても底上げされません。

教育の本質を理解している私たちが、この悪循環を絶ち、教育コンテンツの権利を守ることは、世界の教育を変え、社会全体を変えることに繋がっていくと思います。

これからさらに「SOLVOOK」の事業領域を拡大し、弊社のビジネスモデルを世界に定着させ、世界中で合法的な教育コンテンツが流通する世界を実現すること。

これが私たちの最終的な目標です。

また、弊社は、デジタル機器の会社ともパートナーシップを結んでいますし、これからさらにデジタル化が進む教育業界において、教育機関や自治体、そして民間企業との B2B ビジネスを拡大していきたいと考えています。

日本社会においても、韓国と同じように、時代に合ったより良い教育の形を追求していくことが重要視されていると思います。私たちのビジョンに共感してくださる日本企業の方がいらっしゃいましたら、いつでもご連絡いただけると嬉しいです。