株式会社SWEETBIO ‐オ・ジョンミン代表
ソウル大学経営学科卒業後、現代コマーシャル企業で金融および投資金融チームに従事しました。韓国エンジェル投資協会の創立メンバーでもあり、現在株式会社SWEETBIOの代表を務める。
―SWEETBIOはどのような会社ですか?
SWEETBIOは、食に関連するあらゆる側面を健康に変えることをミッションとしています。このビジョンのもと、私たちは食品業界において健康的な選択肢を提供し、人々の生活の質を向上させる取り組みを行っています。2016年3月、SWEETBIOはGreekDay梨大本店をオープンし、個人事業者としてスタートしました。その後、2020年12月に法人事業者への転換を果たし、拡大・発展を進める基盤を築きました。売上は持続的な成長を遂げており、2022年には180億ウォンという驚異的な数字を達成しました。これは前年の2021年に比べて2.6倍の成長を実現したものです。2021年と2022年において、SWEETBIOはギリシャヨーグルト市場において、シェアおよび認知度の面で1位を維持しました。この持続的なトップポジションは、私たちの製品が市場で高く評価されていることを示す証拠です。
―創業されたきっかけは何ですか?
大学卒業後、専攻を活かして就職をしましたが、希望の部署ではないところで仕事をスタートさせました。そのため、会社や仕事に対するビジョンを持ちにくい状況でした。その後、投資関連部門に 1年間行くことになり、この部門で企業リサーチや投資レビューを行い、以前とは異なりビジョンを持ちながら働くようになりました。当時、投資業務が間接的な創業であると感じており、最終的に実際に起業してみたいという考えを持つようになったことがきっかけだったと思います。特に、 一緒に働くメンバーがお互いを認め合いながらも、みんなが同じ目標、 成果に集中する姿に感銘を受け、事業をしてみたいと思いました。
―創業アイテムとして他の食品ではなくヨーグルトを選んだ理由を教えてください。
社会人最初の頃、業務に情熱を持って取り組んでいましたが、食生活が乱れていました。残業と飲み会が続き、ストレス状態で仕事をしていると気力がなくなり、精神的にも大変な状態が続きました。ある時、退勤するときに激しい腹痛に襲われ、緊急室に行くと急性胃炎と言われました。目が乾いてきて、もしかしてと思い、緑内障検査を受けに行くこともあり、病気不安症が起こるようになりました。このような経験が蓄積されていき、健康を目指す事業を行うことを決心しました。
最初からギリシャヨーグルトを念頭に置いたわけではありません。昔からヨーグルトが好きで、積極的にスーパーなどで探していました。その間、 近所のスーパーで売っているヨーグルトは、すべて添加物や果糖を使用するなど、純粋なヨーグルトがないことに気づきました。様々な探索の過程で最後に発見したのが、ヨーグルトのレビュー専門ブロガーの投稿です。 純粋なギリシャヨーグルトの手作りレシピに従って作ってみたら健康にも良く、おいしかったんです。当時アメリカではすでに 2006~2007年度に市販されているヨーグルトの 40%がギリシャヨーグルトで構成されているほどの人気がありました。さらに、ギリシャヨーグルトはプロバイオティクスを含むタンパク質を多く含む健康食品であるため、韓国でも人気が高いのではと思い、創業アイテムとして選びました。
―SWEETBIOが提供するサービスの強みや特徴は何ですか?
SWEET BIOの最大の強みは、製品力、 製造と流通構造、 文化へのアクセスを挙げることが出来ると思います。
製品力:GreekDayが販売される以前のギリシャヨーグルトは、ほとんどがギリシャヨーグルト”風”でした。薄すぎたり、添加物が過剰なものがほとんどでした。GreekDayは脱脂粉乳、 固形分などを入れずに純粋に牛乳と乳酸菌だけで作り、 ギリシャの伝統方式をそのまま活用し、濃縮工程から粘り気のある質感が出るように差をつけました。その結果、酸味と塩味が除去され、香ばしい味が最大化されました。質感が特徴的で、手作りに近いほど消費者の方が好んでくださる傾向があり、高級なギリシャヨーグルトだと感じやすいため、品質を維持するために努力を続けています。
大量生産能力と直接流通:ギリシャの伝統的な方法でギリシャヨーグルトを大量に生産するために努力してきました。ギリシャヨーグルトを求める顧客が増えるにつれて、生産量を増やさなければならない時期が何度も訪れましたが、 決して品質は妥協できませんでした。なので無理に規模を増やすよりは数多くの試行錯誤を通じて伝統的な方法で作って既存の品質を維持しながら生産量を増やすノウハウができました。韓国ではまだ完全自動化されたギリシャヨーグルトを作る生産施設はどこにもありませんが、完全自動化を目指して努力しています。現在、韓国内で伝統方式のギリシャヨーグルトを直接生産して流通してオンラインで販売しながら同時にオフライン店舗でも販売するブランドは、GreekDayだけであることも私たちの強みの一つです。
ギリシャヨーグルト文化へのアクセス:単にトレンディな製品を作って販売するだけではなく、ギリシャヨーグルトを食べる文化を広めることに努めました。健康は全世代の関心事なので、「健康な食事の一つ = ギリシャヨーグルト」になるように、ギリシャヨーグルト自体の裾野を広げながら、幅広い消費者層が手軽にギリシャヨーグルトを楽しむことができるように食べる方法を紹介し、どんな点が健康に有利かを分かっていただくために努力しました。Instagramを通じてギリシャヨーグルトを楽しめる様々なレシピを共有しており、お客様とコミュニケーションしています。最近ではジャガイモと一緒に楽しめる健康的なレシピを求める声が多いです。最初は20代の若い女性たちがお気に入りのホットなデザート 、おやつとして注目を集め始めましたが、今は老若男女誰もが健康的な食べ物として手に取っていただけるよう努力しています。
―韓国でギリシャヨーグルトの反応はどうですか?
韓国の濃厚発酵乳市場規模は 2兆ウォンで、そのうちギリシャヨーグルトは約 10% を占めています。SWEET BIOがGreekDayブランドでギリシャヨーグルトを販売する前は、きちんとした伝統的なギリシャヨーグルト製品はありませんでした。 大企業が販売していたものはスキムミルクを使ったり、添加物が多く入ったギリシャヨーグルトをまねた製品でした。
2016年、GreekDayというブランドで、ギリシャの伝統的な方法であるひずみ工法を使って作られたギリシャの販売を開始し、「ずっしりとした」ギリシャヨーグルトに対する消費者の関心が生まれ始めました 。SWEET BIOは最初から本物の健康的なギリシャヨーグルトを作るというこだわりを持って努力しました。その結果、ギリシャの伝統的な方法でのギリシャヨーグルトを大量生産することができまし た。
2023年現在、ギリシャヨーグルトは大衆化されており、より多くの場所でさまざまな方法で楽しむことができ、それがまた新しいトレンドとして位置しています。ダイエット、 抵当たんぱく質の食事、 健康的なおやつなどの健康を気にする人が食事やおやつとしてギリシャヨーグルトを楽しんでいます。
このような変化に合わせて、私たちも新しく多様な方法でギリシャヨーグルトを楽しむ方法を発掘し、消費者に紹介しています。「GreekDay抵当ヨーグルクリームパン」が代表的な製品です。発売から 6ヶ月で1日平均 460個が売れるほど大きな人気を集めている製品です。そのほかにも最近は伝統デザートと組み合わせた 「Greekモナカアイスクリーム」を発売しました。
―MZ世代を狙ったアイデアやトレンドはどのようにキャッチしていますか?
eyesmag、dailyfashionnews、 THE EDIT、VOGUEなどのトレンドチャンネルやLongBlack、PUBLY、Careetなどのメンバーシップのサブスクリプションサービス、 多様なニュースレターを通じてトレンドを把握します。
モッパン(食べる様子を放送すること)で有名だったり、MZ世代が好きなYouTubeチャンネルに登録して、 コメントを見たりもします。YouTuberが行く旅行場所や、 映画、 本、 飲食店、 カフェなどを注意深く見て、 コメントを見ながら、彼らはどんな視点でコメントをつけて、 どんなコメントをやりとりするか見ています。
業界で有名なマーケターやデザイナーたちの SNSを通じてアイデアを得ることもあります。また、新しい場所や空間にも出向きます。音楽、美術など文化空間であればより良いと思っています。まったく新しい分野を通じてキャッチする部分もあります。
このように見つけたトレンドの中から、私たちのブランドに合ったものを探して、再適用してみることをしています。いくらホットで大きなトレンドであっても、私たちのブランドと合わなければ意味がないと思っているので、私たちの製品とマッチしているかどうか、どのように適用できるか、 二次的に考えています。
―日本市場をどのように見ており、日本に進出することになった理由は何ですか?
SWEET BIOが作る製品の品質には確かな自信があります。そして、ギリシャヨーグルトというのは特定の国だけにある需要ではなかったため、市場の拡張性もあると見ました。日本のヨーグルト市場は韓国市場に比べて規模が約7倍なので大きなチャンスだと思いますし、まだ日本国内ではギリシャヨーグルトと関連した需要が正確に形成されていませんが、実際に市場調査をしてみた際の反応がとても良く可能性も高いと考えています。
SWEET BIOは、年内に日本進出をはじめ海外進出を計画し、グローバルブランドに飛躍するため準備をしています。すでに東京で法人設立が完了しており、 韓国で第1世代のギリシャヨーグルトブランドで得てきた経験を踏まえ、グローバルギリシャヨーグルトカテゴリーでキラーになることが目標です。
―日本ではどんな文化を作っていきますか?
2016年に韓国でギリシャヨーグルトブームが起き始め、創業を始めた場合ですが、 その時、当時韓国で 「ギリシャヨーグルト」と市販されていたものは淡泊なスタイルのヨーグルトであり、伝統的な方式の純粋なギリシャヨーグルトはありませんでした。そのため、これまではなかった高品質の純粋なギリシャヨーグルトに一度触れたので、求めてくださる方が多く、 このような差別点による効果はとても大きかったです。当時は小さな店で始まり、今に至るまで成長してきました。
昨年に日本市場で販売中のギリシャヨーグルトを研究してみましたが、 日本でもこのような純粋なギリシャヨーグルトを見つけることができなかったので、日本市場進出の機会も開かれていると考えました。このように工場で大量に早い時間内に作り出すヨーグルトとは異なり、 私たちは量よりも良質を重視し、伝統方式をしっかり活かしたギリシャヨーグルトを日本でも提供することができれば日本の消費者の好みにも合わせることができると思います。
―今後の計画やビジョンを教えてください。
SWEET BIOは、食に関連するすべてを健康にするために努力していきます。世界中で多くの人が健康な食生活を送るための努力をしています。しかし、おいしい食べ物は体に悪く、 体に良い食べ物は美味しくない場合が多いです。今は健康的な食べ物もおいしいという方向に向かっていると思います。SWEET BIOは、いつ冷蔵庫から取り出して食べても、みんなにとっておいしく健康に良い製品を作るために努力しています。ギリシャヨーグルトがまさにその始まりであり、 今後も健康に良いより多くの製品を発表する予定です。
また、 今後健康的な製品を作ることを超えて、 食生活に関連したライフスタイル自体を健康にするための努力を広げていくことも考えています。
―日本の皆さんにお伝えしたいことはありますか?
今年の年末~来年初め頃にGreekDayの日本製品と出会うことができます。最大限の努力をして、日本では日本の牛乳で美味しいギリシャヨーグルトを作れるように努めています。日本は寿司、 焼き鳥など様々なジャンルのグルメが全国的にかつ強力に位置しており、飲食業文化がかなり発達した国ですが、 ギリシャヨーグルトも日本で強力な一つのジャンルとして位置づけ、様々な姿で消費者の皆さんに好んでいただける未来を描いていきたいと思います。
株式会社SWEETBIO(スウィートバイオ)
ホームページ :https://www.greekday.co.kr
Instagram:https://www.instagram.com/greek_day/
- Shinhan Future’s Lab Japan 2023 参加企業
SWEETBIOは、2023年7月、東京で行われた韓国政府、中小企業ベンチャー企業振興公団と韓国の金融大手である新韓金融グループとの共同で開催されました「Shinhan Future’s Lab Japan 2023」に参加した企業です。
Shinhan Futures Lab Japanとは?
韓国大手の新韓金融グループのアクセラレータープログラム。昨年日本に拠点が開設され、2016年のベトナム、2019年のインドネシアに続き、日本は3つ目の海外拠点である。韓国スタートアップの日本進出支援や育成プログラムを提供している。昨年選定されたスタートアップは数学アプリ「QANDA」を提供するMathpressoや、コリビングサービスを提供するHOMESCOMPANY、心ケアプラットフォーム「MINDCARE」を運営するAtommerceなど。