リオナイ – CEO キム・グクジン

明知大学機械工学科卒業。機械・自動化専門エンジニアとして、半導体設備をはじめ、食品生産自動化・コーヒー生産自動化など多様な産業でシステム開発経験に携わる。10年以上にわたる現場中心のキャリアは、同社を設立する重要な基盤となった。

また、2008年に日本で開かれた「World Robot Olympiad(WRO)」では大韓民国代表として出場し、「Un-Desertification Robot System」を発表。世界6位とHighest Awardを受賞した経験も持つ。



コーヒー愛好家のためのAI焙煎ソリューション

私たちReonai Company(リオナイカンパニー)は、韓国で誕生したコーヒー愛好家のためのAI焙煎ソリューション、「REONai(リオナイ)」を提供しています。

「Reonai」というブランド名は会社名の「Reon」と「AI」をかけ合わせた名前です。AI技術を活用して、主にコーヒー豆の焙煎や品質管理を実現するソリューションを開発しています。

REONaiは、AIが物理的な状況を認識・理解・判断できる、フィジカルAI技術が適用された新しい形のコーヒー豆焙煎システムです。

何千もの焙煎データを学習したAIが、温度変化とエネルギーの流れをリアルタイムに分析し、ファン速度とヒーター出力を自動的に調整。これにより、単なる自動焙煎機械ではなく、環境に応じて最適な焙煎状態を常に実現できる点が最大の強みです。

代表である私は元々、食品生産に関わる設備や半導体研究・開発の仕事をしていました。そんな時、手のかかるコーヒー豆の焙煎の多くが、人の手によって行われているということを知ったんです。

自分の経験や知見を活かせば、コーヒー豆の焙煎の設備を自動化し、今までにないソリューションを提供することができるのではないか。それを実現できたら、面白いだろうなと思い2023年にReonai Companyを創業しました。

現在、一段階ずつ進んでいるところではありますが、コーヒー豆の焙煎の自動化ニーズは確かにあったと確信しています。

誰でも簡単に使えるシンプルな仕様、カフェの人件費削減にも貢献

私たちの主なターゲットは、カフェオーナーの方々です。

韓国には、約10万件のカフェがあると言われています。しかし、コーヒー豆の焙煎というものは案外手がかかるもので、自店で焙煎したいという思いがあってもその実現には至らないことが多いです。

実際に、10万件あるカフェのうち約8割のカフェは、人的リソースや設備の不足といった理由により店舗での焙煎を行っていません。私たちのソリューションは、まさにそういった問題を解決するために利用していただくものです。

誰にでも使いやすいシンプルな仕様であることが大きな強みで、カフェ経営を始めたばかりのオーナーの方でも簡単に使っていただけます。

このソリューションを導入することによって、自店で焙煎することと、カフェスタッフの人件費削減することの両方を実現できるようになります。

セミナー開催やSNS発信を通じた積極的なPR活動

現在、弊社には、私の他に2人のメンバーがいます。機器の開発業務は私が担当し、残りの2名が、それぞれ生産管理とマーケティングを担当しています。

弊社が今、一番力を入れていることはブランドの認知度向上です。

コーヒー業界では、ワールドバリスタチャンピオンシップと呼ばれる大きなオフラインイベントをはじめ、様々な展示会やセミナーが世界各国で定期的に開催されています。そういったイベントに参加して、私たちがREONaiで焙煎したコーヒーを実際に味わっていただくことで、徐々に認知度を向上させています。

展示会での様子(右: キム・グクジンCEO)

他にも、月に2回ずつソウルや釜山でセミナーを開催し、実際にたくさんのお客様にに商品をご紹介しています。

また、InstagramやThreadsなどのSNSでも積極的に情報を発信しています。SNSのDMがきっかけで良いご縁に恵まれ、ビジネスチャンスに発展することも増えてきました。

日本のコーヒー市場でも需要を確信、日本進出を目指す

日本進出は私たちにとって、一つの大きな目標です。

日本では、食品業界に限らず、様々な分野でその道を極めた職人の方がたくさんいらっしゃいますよね。「人の手を使い、時間をかけて丁寧に作りあげるからこそ価値がある」という考え方は、多くの日本人に支持されている印象です。

そのため、最初は、AI技術を使った弊社のソリューションは、日本のコーヒー市場には受け入れてもらえないかもしれないと考えていました。

ところが、弊社が出展するオフラインイベントには、日本人のお客様がたくさん訪問してくださいました。AI焙煎ソリューションという新しい概念にも多くの人が興味を示してくださって、日本でもビジネスチャンスがたくさんあることを確信しました。

韓国人は多くの方が毎日コーヒーを消費しますが、コーヒーの味を追求するというよりは、喉を潤すために飲んでいる方の方が多いのではないかというのが正直なところです。水の代わりになんとなくコーヒーを飲んでいるという人も多いのではないかと思います。

しかし、日本では、コーヒーを味や香りを楽しむための特別な嗜好品として捉えている方が圧倒的に多いです。

そういった日本でのニーズを捉えることで、日本市場でも存在感を示せるようなブランドに成長していきたいと考えています。

自社開発がであることが最大の強み、日韓の両市場で存在感を示したい

私たちのような自社開発をしている会社は、開発時間に多くの時間を割くため、短期間で売り上げを増やすことができず、正直もどかしいと思うこともあります。

しかし、開発から販売までの全てを自社のリソースで完結させているという点を高く評価していただけたり、顧客の皆様に信頼していただける大きな理由になることが多々あるのも事実だと分かってきました。

Reonaiは、これからも、コーヒーを愛するすべての人々に、持続可能なコーヒー文化の価値を提供できるように活動していきます。

直近では、11月19日から韓国・ソウルで開かれたCafe Show Seoul 2025という展示会で、Cherry  Choiceという新製品が選定されました。
こうした機会をいただけて光栄ですし、多くの方に弊社製品をご紹介できることを期待しています。 

今後は日本にも頻繁に出向いて、オフラインイベントなどを通して弊社のソリューションをご紹介し続けていくつもりです。

近い将来、日韓の両方の市場で、存在感を示せる会社へと成長していきたいと思っています。

弊社の事業内容や取り組みに興味を持ってくださる日本企業の方がいらっしゃいましたら、ぜひいつでもお気軽にご連絡いただけると嬉しいです。