株式会社ドクターナウ – CEO イ・ジュイ

高麗大学校・一橋大学大学院商学研究科卒業。複数の外資系コンサルティング企業のヘルスケア部門で、バイオ医薬品の市場浸透戦略、新薬(ワクチン)の開発と製造、サプライチェーン管理、新薬(肥満症治療剤)市場への参入戦略、ヘルスケア関連企業でのビジネスフロー最適化など、B2BおよびB2Cのさまざまなプロジェクトに携わる。2024年に株式会社ドクターナウに入社後、会社の設立から製品開発、サービス戦略、運営を統括。


貴社はどのような会社ですか?

弊社ドクターナウは、オンライン診療そして処方薬の配送まで、患者が診療を受け、薬を処方されるまでの過程をデジタルでつなげるヘルスケアプラットフォームです。

弊社のサービスを利用することで、患者はビデオ電話で、病院や薬局に直接訪問することなく診療を受けることができ、その後最短30分で処方された薬の配達または全国の薬局でのピックアップが可能になります。

それだけでなく現在韓国では、AIを活用した24時間リアルタイム健康相談機能も提供しています。

日本市場でのサービスを開始したきっかけを教えて下さい。

日本では昨年初めに法人を設立し、7月にサービスを立ち上げました。今後、これらの機能をより多くの日本の方々に使っていただけるようにサービス範囲を拡大していく予定です。

日本進出の主な理由としては、日本が近年、DX化が急速に進んでおり有望な市場だという点と、日本社会における高齢化に伴う医療の空白化や、医療人材の不足という構造的な課題を解決したいと思ったからです。
そういった問題の解決策になれるよう、日本向けにローカライズされた機能を搭載し運営しています。

日本では医師数が患者一人当たり不足してそれにもかかわらず患者さんたちが病院に訪れる回数が多いため、こうした医療状況での不快感の解決にも寄与できると予想しています。

また韓国と日本は医療保険や医療システムに共通する部分もあり、診療方式や薬局運営構造、医師の手当など私たちが韓国市場で数万件の診療を行って得た運営や技術的なノウハウを十分に生かし、日本でも十分に成長できると考えました。

韓国と日本には共通点が多いとおっしゃっていましたが、反対に違いや日本進出で苦労している部分はありますか?

先程お話ししたように医療システムなど、体系的な部分はとても似ていますが、ユーザーに関しては異なる部分が多いです。

韓国では、ユーザーの方々からの利便性と変化に対するニーズがとても高く、新しいものであってもそれが便利であればすぐに利用していただけます。
ですが、日本では新しい技術や変化に対して少し慎重で、信頼を構築することが非常に重要だと感じています。これはオンライン診療に限った話ではなく、どんなサービスにおいても共通して言えることだと思います。

そういった日本市場の性格に合わせ、まずは私たちのサービスに関して知ってもらい、医師・薬局・患者など私たちのプラットフォームに関わる全ての人に信頼してもらうことに重点を置き、事業を進めています。

そのため、日本版のアプリには診療レビュー、サービスに関するレビューなどをより多くの情報を掲載することで、初めて利用する方にも信頼感、安心感をもって利用してもらえるように運営するなどの工夫をしています。

現在様々なオンライン治療サービスがありますが、他のサービスにはない貴社だけの強みは何ですか?

確かにすでにオンライン診療のサービスは多く、私たちはその後を追っている状況です。
そんな中で私たちのサービスにおける最大の強みは、最短5分・平均15分以内という速さで診療予約ができる点です。

そして診療後にも私たちならではの強みがあります。
弊社サービスを利用すれば診療後、最短30分以内に処方された薬を自宅に配送したり、希望の場所で受け取ることができるんです。

平日の昼間に仕事をしている方が多い分、診療の需要も退勤後や土日に時間に集中します。
ただでさえ忙しいのに、直接病院に行けば平均して30分以上待たなければならない上に、処方箋をもらって薬局にいくとそこでも待ち時間が発生することもあります。

病院や薬局にとっても、診療時間を分散させられるメリットがあります。

韓国市場ではこういった「速さ」を重視していましたが、日本市場では速いだけでなく、「自由に時間を決めたい」というニーズに応えることを意識しています。

例えば仕事の合間や、子供が寝ている間など、スキマ時間で診療を受けたいという声や、職場から家に帰る途中で薬を受け取りたいという声が多くあります。
しかし、現在このような声に答えられる予約システム、また薬局やドラックストアなどは存在しておらず、私たちの強力なメリットの一つであると思います。

これはオンライン診療サービス全般のメリットではありますが、オンライン診療では診療の場所を選ばないため、様々な理由から直接病院で診療を受けるのが難しい方も、自宅や職場から診療を受けられます。
また、地方に住む方がより大きな病院の医師の診療を受けられることもオンラインだから実現できる大きな魅力であるといえます。

今回KOREA ICT EXPOに参加されていましたが、今後他のイベントへの出展計画はありますか?

今後も様々なヘルスケアやIT関連イベントに継続的に参加しようと思っています。

私たちのサービスは、日本でのサービス開始から1年も経っていません。

既に地方自治体やメガバンクと協力を進めている状況ですが、イベントへの出展を通してより多くの方に弊社のサービスを知っていただき、利用してもらえるよう、さらに多くのパートナーやユーザーとの接点を増やしていきたいです。

ドクターナウはどのように進化していくのでしょうか?

現在、日本のオンライン診療市場には多くの大企業や先進的なプレーヤーが参入していますが、依然として主流サービスと言えるような存在は現れていないと捉えています。

韓国では、私たちのサービスはすでに1日に5,000件を超える診療件数を記録するほど拡大しており、オンライン診療の利便性と信頼性を消費者に広く届けることができています。
この実績とノウハウを活かし、日本でも「便利で信頼できるオンライン診療」として広く認知されるサービスを構築していきたいと考えています。

日本市場は他国と比べて、信頼を獲得するまでに時間がかかる傾向がありますが、一度信頼を得ると高いロイヤルティにつながる特性もあります。

実際、当サービスを利用した患者様の中には、サービス開始から1年も経たない中で繰り返しご利用いただいている方も多く、高いリピート率を記録しています。

今後も、スムーズな予約・診療体験、迅速な薬の配送などのシステムの利便性向上、日本のユーザーのニーズに応える柔軟なサービス設計、医療品質、個人情報保護、医師ネットワークの拡充などを通じて、ブランドを確立していきます。

最後に、今後の展望やビジョンについてお聞かせください。

私たちのビジョンは診療が必要なとき、「ドクターナウ」だと真っ先に思い出されるサービスになることです。

そのために、より多くの方が便利に直接病院や薬局に行かなくても医療サービスを受けることができるよう、医療機関との協力範囲を拡大していく予定です。

また、現在は処方薬の配達を主にしていますが、今後は一般医薬品やサプリメントでも健康に必要な他の部分に対する配達サービスも追加をして、ユーザーの方々に更なる利便性を提供する計画です。

そうして病院、薬局、患者を繋ぎ、健康に関わるすべてをワンストップで解決できるプラットフォームを作りたいと思います。

読者の方の中には、まだオンライン診療を利用したことがない方が多いと思いますし、長年親しんでいたやり方を変えるのはハードルが高く不安な点も多いかと思います。
ですが、病院に向かうまでの30分、病院で待ってる30分、薬局で薬を貰うまでの30分。その時間を自由に使えるようにするためだと思って試しに一度使ってみていただきたいです。

今後もより良い診療のためにサービスをお届けし、日本で最も身近な頼れるオンライン診療サービスとしてのポジションを確立していきたいです。


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