
Chabot Mobility – CEO カン・ソングン
KAIST経営専門大学院(EMBA)を修了後、フォルクスワーゲンにて、セールスチーム長として豊富な経験を積む。その後、青年創業士官学校の第8期を修了し、2016年に韓国でChabot Mobilityを創業。以来、モビリティ産業において革新をリードしている。その卓越した経営手腕が高く評価され、中小ベンチャー企業部長官賞(ベンチャー創業部門)を受賞。カン代表のリーダーシップのもと、Chabot Mobilityは持続的な成長を遂げ、モビリティ技術の最先端企業として確固たる地位を築いている。

Chabot Mobility – CFO チョ・ジュンサン
韓国および米国の公認会計士資格を保有。Chabot Mobilityに参画以前は、サムイル会計法人にて海外投資諮問チームの常務として活躍。さらに、アメリカのPwC(プライスウォーターハウスクーパース)ヒューストンおよびロサンゼルスオフィスにて、多国籍企業を対象とした財務諮問業務に従事するなど、豊富な国際経験を有する。
これまで培ってきたグローバルな会計・財務管理の知見を活かし、Chabot Mobilityの持続的かつ安定的な成長を支えるとともに、国際的な競争力の強化に貢献している。
目次
Chabot Mobility創業のきっかけは、自らのディーラー経験での気づき
弊社は、2016年に韓国で創業されたモビリティスタートアップです。
自動車購入、保険、金融、整備など、車両に関するすべてのサービスを統合提供するデジタルプラットフォームを提供しています。
私は、この会社を創業する前、韓国で輸入車を販売するディーラーをしていました。
車を持っている方なら分かると思いますが、「車を買う」「車を所有する」って、結構大変なことですよね。自動車保険に加入しなくてはならず、ローンを組むには審査も受けなければなりません。購入後もメンテナンスの義務があり、一筋縄ではいかないのが現実です。
車一台買うのに、いろんな場所に出向いて、いくつもの契約をしなくてはいけないというのは、日々忙しく働いている人たちにとって、とても不便で、結構なストレスになります。
私はディーラーとしての経験を積む中で、この不便さを解消するサービスがあったら自動車を購入する方だけでなく、ディーラーにとっても大きなメリットになると確信し、いつからか、そんなサービスを自分で作ってみたいと思うようになりました。
モビリティ市場に利便性と、同時に経済性をもたらすことができるサービスを作ろうと決心した私は、勤めていた会社を辞め、Chabot Mobilityを立ち上げました。
「非対面」へのこだわりと、ディーラーとの強力なネットワーク
弊社のサービスの強みは、2つあります。
まず、一つ目は、「非対面の実現」です。
私たちの生活は、いまや、オンラインに支えられてできていると言っても過言ではありません。食料や日用品も全てオンラインで購入している人も相当数いますよね。
しかし、モビリティ市場では、自動車そのものの購入や、保険商品の契約、ローンの手続きなど、まだまだ多くのフローをオフラインに依存しているという現実があります。弊社のサービスを使えば、すべての手続きをオンラインで済ませることができます。
契約のために代理店に出向く労力や、アポイントがあるという心理的ストレスを考えると、非対面で手続きができるというのは、ユーザーのQOLを上げる画期的なサービスだと思います。また、オンラインサービスであれば、代理店とは違い、手数料や人件費がかからないため、同じ保険商品であるにもかかわらず20%ほど安く加入できるというメリットもあります。

スマートフォンで簡単に利用できる車両管理システム
そして二つ目の強みは、「ディーラーとの共存関係」です。
私たちの主要サービスには、ディーラーを対象としたメンバーシップ形式の仲介サービスがあります。
私たちが保険会社や金融会社から受け取る収益をディーラーと共有することで、ディーラーたちも付加的な収益を創出できます。
お互いに支え合う関係になることで、モビリティ市場における双方の存在価値を最大化できるような理想的なシステムだと自負しています。
ディーラーを通じて構築した強力なネットワークは、私たちの大きな武器になりました。創業初期に構築したネットワークをもとに、徐々にパートナーシップを広げ、韓国内の保険会社、金融会社、車両管理会社などとの協力体制も築いてきました。
現在、韓国内で弊社のサービスを利用しているディーラーは、32,000人にまで増え、年間20万人以上の自動車購入顧客に対し、多様なサービスを提供しています。
また、新車だけでなく、中古車の購入時でも使えるサービスというところも大きなアピールポイントのひとつです。新車ディーラーと中古車ディーラーでは、厳密に言うと需要が少し異なることもありますが、車両の購入、自動車保険への加入、金融サービスの利用、そして車両の整備や管理サービスなど、共通点も多いです。
韓国では、既にたくさんの中古車ディーラーにも弊社サービスを利用していただいています。
世界有数のモビリティ大国である日本へ本格進出、今年中に日本法人設立予定
私たちの直近の目標は、日本への完全進出と、日本市場での実績獲得です。
実は、創業後、コロナ禍に入る少し前に、私たちが運営するサービスを日本の保険会社に紹介したことがありました。
その時、「これは画期的なサービスだ」「日本にあるのなら絶対に使いたい」と、弊社のサービスに興味を持ってくれた方々がいて、その時から、日本市場での需要を確信していました。
私は、世界有数のモビリティ大国である日本に進出するということは、弊社がグローバル企業になるための階段をのぼるということに等しいと思っています。
日本のモビリティ市場は、その規模自体が韓国よりはるかに大きく、実際に日本で販売されている車両台数は韓国の3倍以上であると言われています。また、韓国では10社ほどの保険会社が自動車保険を販売しているのに対し、日本は地方にも保険会社がたくさんあり、その数は50社以上になります。
しかし、自動車保険へのオンライン加入率は韓国で既に7割を超える一方で、日本ではまだ5割程度にとどまっています。日本のドライバーは、従来の方法である対面での自動車保険加入に慣れているようです。
ここに弊社のサービスを使って非対面での自動車保険加入が浸透すれば、日本のドライバーは、今よりももっと便利に、そしてもっと安く保険に加入することができます。それを実現するために、私たちは、これから日本の保険会社とも、もっと綿密な戦略を練っていかなければいけません。
私たちのサービスを通して、20代〜30代の若者がオンラインを通じて自動車保険を契約・加入することのメリットを知り、その文化が浸透すれば、さらに多くのシェア獲得にも繋がるでしょう。
日本でも、まずは、韓国で始めた時と同じように、ディーラーメンバーシップ形式のサービスから導入していこうと考えています。
今年の第3四半期に日本法人設立完了を目標にしていますので、それまでに少しでも多くの企業に会って、できる限り安定的な日本進出を実現したいです。

5月に東京で行われたで「BEYOND SEOUL:TOKYO IR」でのピッチの様子
アメリカ進出も視野、社内でグローバル事業能力開発も
私たちは、日本進出と同時に、アメリカ進出も視野に入れています。
アメリカは、海外からのスタートアップ企業に対しても、とても友好的で、その市場環境が、とても魅力的です。
アメリカも日本同様、世界有数のモビリティ大国なので、私たちが展開するビジネスも、きっと肯定的に受け入れてもらえるだろうと予想しています。
現在、アメリカの投資会社とも一緒にビジネスをスタートしています。
今年1月には、シリコンバレーで開催されたIRプログラムにも参加し、アメリカのモビリティ市場の温度感を肌で感じることができました。
日本やアメリカなど、母国ではない国でのビジネスを成功させるために、私たちは、2023年の年末から、社内のグローバル事業能力開発にも力を入れています。これまで1年半の間、グローバル事業進出のために様々な機会を模索し、日本語や英語を勉強することはもちろん、積極的に国際展示会に参加したり、より多くのVC に会う機会を持てるように努力しています。
10年後までに、「モビリティ」の代名詞的サービスへ成長していたい
弊社の企業理念は、「人々が、昨日よりも快適なモビリティライフを享受できるようにする」です。そもそも、「モビリティ」という単語には、いろんな意味がありますよね。
乗り物や移動手段という意味の他にも、動きやすさや流動性といった意味もあります。私は、弊社のサービスを、まさにこの「モビリティ」の代名詞的サービスに成長させたいと思っています。将来的には、自動車に限らず、ありとあらゆる移動手段において、さまざまなドライバーのライフスタイルに合ったサービスを提供し、円滑な交通社会と、人々の豊かな暮らしに貢献したいのです。
どんな仕事でも、ビジネスが最初から最後まで、すべて思い通りに進むことなどありません。これからも、うまくいかないことや、難しい決断を迫られる時がくるでしょう。そういう時に、ひとつひとつ丁寧に向き合い、望む結果が出るまで、我慢できるか。その忍耐力が、明暗を分けると思います。
今後も、業界内をリードできる存在になれるよう、全社一丸となって、企業理念を体現していきたいです。私たちは、国内外に限らず、パートナー企業を探しています。日本語・英語でのコミュニケーションも可能ですので、Chabot Mobilityのビジョンに共感してくださる日本企業の方々はいつでもお気軽にご連絡ください。

Chabot Mobility
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