2025年4月に日本初となる店舗を横浜伊勢丹にオープンしたBATT JP株式会社。
その美味しさはもちろん、ジャガイモそっくりのジャガイモパンや可愛らしいキャラクターで日本でも注目を集めています。

今回はそんなBATT JP株式会社の代表、イ・ミソさんにお話しを伺いました!


BATT JPはどのような会社でしょうか?
貴社が販売する商品について教えてください。

多くの方は弊社をカムジャパン(ジャガイモパン)の会社としてご存じかもしれません。

ですが、それだけではなく、農村を楽しく経験できるコンテンツや農産物に新しい価値を加えた商品を作るそんな会社です。

私の両親は江原道春川市(カンウォン道チュンチョン市)でジャガイモを育てていました。そこでは一般的に知られている茶色いジャガイモではなく、韓国で開発された赤や黄色、紫といったジャガイモを育てていました。
ですが、「色のついたジャガイモ」はなかなか受け入れ難いのか売り上げが伸びず、売れ残ってしまったジャガイモを廃棄せざるを得ないこともありました。

最初はジャガイモそのものを販売していましたが、それだけでは限界があると感じ、
「ジャガイモを利用した市場を形成しなければならない。」
そう考え始めました。

そしてジャガイモそのものを売るのではなく、付加価値のある商品を作って売る、「カムジャパン」の製作を始めました。

たくさん並んでいると本物のジャガイモのように見えてくる。

会社名「BATT JP」にはどういう意味が込められていますか?

「BATT」というのは韓国語で「畑(밭)」という単語の音を表しています。それと同時に「Better Agriculture To grow Together」 の略でもあるんです。

「一緒により良い農業環境を作ろう」そんな意味のこもった社名です。

日本進出の最大の理由は何ですか?

私たちの事業は韓国で始まりましたが、もっと多くの国に私たちの取り組みを広げていきたいという夢は以前から密かに抱いていました。

その中でも日本はやはり地理的な近さがあり、私自身日本の文化が好きで、親しみも感じているので、海外進出の第一歩として日本を選びました。

実際に日本進出を果たしたことで、漠然としたグローバル進出の目標は少し現実味を帯びてきたかと思います。
そして、今後は、さらに広い世界に広げていこうという大きな目標があります。日本をはじめ、もっと多様な国でカムジャパンのファンを増やしていきたいです。

日本では横浜伊勢丹から始まりますが、全国展開も考えてらっしゃいますか?

日本進出の目標として、日本全体を回る形で私たちの商品、そしてビジョンを日本全国の皆さまにお届けしていきたいと計画しています。

私自身、日本のことや文化が好きではありますが、「好き」なことと「知っている」ことはまた違うので、実際に足を運んで、日本の私たちの私たちのお客様に会って日本のことを知っていきたいと思っています。
私たちのファンの方々を「옹심이(オンシミ・ジャガイモ団子)」と呼んでいるのですが、日本全国にオンシミを増やしていきたいと思っています。

オンシミに会いながら、私たちBATTという会社をどうやって広めていけばよいか、一緒に色々なことを試して、挑戦していきたいです。

日本国内初店舗となる横浜伊勢丹店

貴社の今後の計画や目標を教えて下さい。

私がこの事業を始めてから、11年目になりますが、その間事業を通じて様々なことを行ってきました。

最初に韓国で事業を始めたときは、韓国産農産物を使わなければならない、私たちの農業を守らなければならないとばかり思っていました。

しかし事業を進めていくうちに、韓国産にこだわる必要はないのではないかと思うようになりました。たとえば、日本で商品を販売するなら日本の農産物を使い、私たちが考える面白くて価値のある商品をお届けすることが、より大切なのではないかと考えるようになりました。

そのため食品製造・加工業の場合、他の業者を通じて商品だけを輸出することもできますが、今回のグローバル展開にあたっては日本法人を設立し、私たちの手で直接商品を届けるという道を選びました。

そして、事業を進める中で気づいたのは、「持続可能な農業環境」を実現するためには、多くの人たちと価値観を共有し、同じミッションに向かって協力することがとても重要だということです。

持続可能な農業環境の実現というと、漠然とした目標に思えますが、そのために必要なことは品種を普及させ、保護することです。
そして、それを実現するためには多様な品種の開発が必要ですし、なにより農業に携わる人々の生活の質を向上させ、地域の雇用を生み出すことが欠かせません。

そのためには、なぜ農村が大切なのかを理解し、農村自体の新しい価値を発見して楽しむこと、そして開発が進んでいない現状を知ってもらうことも必要だと思っています。

私たちだけでは実現できない大きな目標ですが、このようなビジョンを伝え、共に歩んでくれる仲間を増やしていきたいと考えています。

ジャガイモパンの製造・販売だけでなく、イベントなど様々な取り組みを行っている。
(BATT公式Instagramより)

最後に、日本の消費者に伝えたいメッセージはありますか?

私たちの会社「BATT」では、「カムジャパン」というブランドを立ち上げて6年目になります。
これまでこのブランドを通じて、持続可能な農業を目指し、楽しく参加できる体験を提供することを目標に、さまざまな取り組みを続けてきました。

そして今、韓国だけでなく、世界中の人たちと一緒にこの取り組みを広げていけることをとても嬉しく思っています。
もともとは韓国産農産物を使った取り組みとしてスタートしましたが、今後、国を越えて地域に根ざした新たな価値を届けることができると信じています。

韓国、そして今回日本へと展開してきましたが、これから、農産物を活用した他の商品の販売も予定しております。美味しいだけでは終わらない、私たちの想いを込めた商品を今後も届け続けていきたいです。

ぜひ、日本でも「オンシミ」を増やしていきたいですし、「カムジャパン」というブランドを通じて、持続可能な農業の考え方が広がっていくことを願っています。
皆さまの街でも、弊社BATT JPの商品を楽しんでいただけるよう、私自身も日本での活動を心から楽しみたいと思っています。


日本1号店となる横浜伊勢丹店での取材記事はこちら👇