韓国から日本に、日本から韓国に クロスボーダー進出を目指す|新韓金融持株会社 デジタル戦略部チーム長 チェ・ジョンユン氏
新韓金融持株会社 デジタル戦略部 チーム長 チェ・ジョンユン氏
2日に行われた「新韓Future’s Lab Japan Forum」では、日韓のスタートアップエコシステムを担うキーパーソンにインタビューを行いました!
「新韓Future's Lab Japan Forum」は、11月4日の「新韓Future’s Lab Japan」発足式に先立ち開催された交流フォーラムです。既に日本進出している韓国スタートアップや、支援機関、日本の大企業、VCが登壇し、日本市場についてのインサイトを共有・パネルディスカッションを行ったイベントです。
詳しい内容はこちら⬇️
交流フォーラムの様子:日韓スタートアップの交流を促す「Shinhan Future’s Lab Japan 2022 Forum」が終了
発足式の様子:日韓のベンチャーエコシステムを連結・拡張「新韓Future’s Lab Japan」発足
-今回のイベントで期待することはなんでしょうか。
今回参加している方はこのイベントを単純なセレモニーではなくて、このようなイベントに参加して価値ある内容を共有できるかということを考えていると思います。
私たち新韓Future’s Labの目的は、現地日本のスタートアップ発掘に加えて、日韓のクロスボーダー投資や、協業、相互進出です。その中で私たちはどんなコンテンツをどういった形式で提供できるかを考えてきましたが、今回は既に日本に進出した韓国スタートアップや、日本進出を支援してきた関係機関を招いて、これまでの日本における経験やインサイトを共有していただくことを考えました。これから日本進出を考えている企業のためになるのではないかと考えています。
-今後新韓Future’s Lab Japanがどのような役割を担っていきますか?
3つに分けることができると思います。まず1つ目のミッションは、現地日本でのエコシステムの組成を図ります。エコシステムというと少し大げさに聞こえるかもしれませんが、たとえば、「こういうプログラムがあります。私たちと一緒にやってみましょう。パートナーシップを組みましょう。」といった具合で、お互いに関与していくことです。これがまず初めに行うべきことだと思います。
2つ目に私たち新韓グループは、日本のDX(デジタルトランスフォーメーション)をパワフルに加速化することができると思っています。SBJ銀行(新韓グループ日本法人)もDXの加速化を進めていますが、交流や協業を通して、不十分な部分を補ったり、知らなかったことを知る機会を得たり、新しい領域を開拓することができます。
この2つのミッションは日本以外にも韓国、ベトナム、インドネシアにあるすべてのFuture’s Labが持っている同一のミッションです。
3つ目に私たちが考えていることは「双方向」ということです。韓国から日本に、日本から韓国に。クロスボーダー進出、相互間の投資やサポート。こういったことを進めていきたいというのが、Future ‘s Lab Japanに特に期待していることです。驚いたことに、今回このプログラムを韓国で紹介する過程で、本当に多くのスタートアップが手を挙げたのです。日本は近くて、市場も大きいので進出してみたいと思っているにもかかわらず、様々な理由からとどまっていたのが、私たちのプログラムでサポートを受けながら進出を本格化しようと思ったのだと思います。
-韓国のスタートアップが日本市場を魅力的に感じている部分はどこでしょうか?
韓国だけで展開するには市場が狭いし、そうすると東南アジアや日本などの海外に進出しようという考えがあるのですが、その中でも日本は先進国であり、市場も大きい。そういう意味で機会があると感じているのだと思います。また、日本はデジタル化については少し遅れている傾向があるので、その側面からもできることがあると韓国のスタートアップは感じているのではないかと思います。
-KORIT読者や日本のスタートアップエコシステムに関わる方へ
日本も韓国もこれまで大企業中心の成長策でしたが、スタートアップに対する比重が大きくなってきていると感じています。私自身は、2010年の初期から10年程スタートアップに関わる仕事をしていますが、10年前とかなり変わりました。私自身もVCやスタートアップを見る目が変わったと思います。機会がある時期だと思います。成長可能性もあるし、人材も集まってくる。今は、韓国を含め全世界で情勢の影響を受けていて、スタートアップへの投資は縮小されています。韓国でも企業価値が下がったり、新規投資を受けにくくとても困難な時期といえるでしょう。ですが、いつかは上向きのサイクルになると思っています。こういった時期を乗り越えて上向きになってきたときに、さらに大きな右肩上がりのカーブを描くのではないかと思っています。私たちもその時が魅力のある企業に投資できる機会だと判断しており、現在も止まることなく動き続けています。そういった意味でも今回の「新韓Future’s Lab Japan」イベントはとても有意義だと思っています。
トップキャプチャー:発足式でのチェ・ジョンユン氏。提供/Shinhan Future's Lab
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