AIチップが引き起こす、コスト削減とエネルギー効率の変革|rebellions株式会社 ―パク・ソンヒョンCEO
rebellions株式会社 ―パク・ソンヒョンCEO
韓国のKAISTを卒業し、14年MITで博士号(EECS)を取得して以来、ウォールストリートとシリコンバレーを行き来しながらキャリアを積んだ。Intel Labs(インテルラボ)を皮切りに、イーロンマスクのスペースXとモルガンスタンレーでAI半導体と関連した様々な観点の経験を蓄積した後、2020年9月にAI半導体スタートアップであるrebellions(以下、リベリオンズ)を創業。
-リベリオンズはどのような会社ですか?
リベリオンズは、2020年9月に設立された会社です。オ・ジンウク博士、そして私を含む共同創業者5人が作りました。私たちは韓国のスタートアップですが、創業メンバーは全てニューヨークにいました。私はアメリカのモルガンスタンレー(Morgan Stanley(NYSE:MS))という投資銀行でハイフリークエンシー・トレードという技術を利用してトレーディング業務に従事していて、CTOであるオ・ジンウク博士は、IBM TJワトソン研究所でAIチップを活用した研究員として活動していました。そしてCPOのキム・ヒョウン博士は韓国のLunit Inc.というスタートアップで最終製品の総括責任者であり、このような経歴の3人が協力して創業することになりました。
私たちはAIチップを作る会社です。AIチップと言うと難しいと思いますが、簡単に説明すると、CPUが1000のことができるとすると、GPUはそのうち100のことをより精度高く行うことができ、AI半導体はそのうち10のことをさらに高精度で行うことが可能だと言います。したがって、AIアルゴリズムを計算する上で、AI半導体はGPUまたはCPUよりもはるかに正確かつ高速です。私たちはこのように新しい種類の半導体であるAI半導体、AIハードウェアを設計するスタートアップで、現在は約100人ほどで構成されたチームを保有しています。
-創業されたきっかけは何ですか?
AIが人の仕事に取って代わる過程をウォールストリートで実際に目撃し、本当に大規模な市場が開かれているなと思いました。現在人が行っている多くのことは最終的にAIに取って代わられるだろうと思いましたし、特にトレーディングは株式を買って売る過程でスピードが非常に重要なため、すでに人ではないAIが実際に活用されています。AIアルゴリズムそのものの重要性は確かにありますが、同様にそのアルゴリズムを高精度かつ迅速に演算するためには、ハードウェアの役割が極めて重要だと思いました。私とオ・ジンウク博士はエンジニアなので専門性を活かして私たちがフルベットをし、ますます大きくなっていくAI市場で確実に位置づけとなるべく創業をすることを決めました。
-貴社が提供するサービスの強みや特徴は何ですか?
AI半導体そのものが強みです。エネルギー電力効率が従来のGPUおよびCPUより3倍から10倍ほど優れています。従来のAI半導体は、GPUやCPUを主に使っていました。この場合、膨大な量の電気が必要です。そのため、同じAIサービスでもGPUを使う方は年に300億程度の費用がかかりますが、当社のチップを使えばコストを100億以下に削減できます。
また、演算速度が従来の80%程度高速なため、詳細な特定のアルゴリズムを素早く演算できます。
要するに、自律走行において、通常は人を認識してブレーキを踏むまでに1秒かかりますが、当社のAIチップを利用すると、そのプロセスが0.1秒に短縮され、セーフティに関連する課題も解決できるということです。
従来使っていたGPUに比べてエネルギー効率も良く、演算をより速くすることができるので、AIだけを使う方には最高のソリューションだと思います。だからといって、GPUよりも良いと主張するわけではありませんが、私たちのAIチップはより特殊な機能を使うことができます。GPUはAIアルゴリズムだけでなく、ビットコインマイニングでも使用され、スーパーコンピューティングなどの多くの機能を果たします。
たとえば、GPUが10種類のメニューを提供する飲食店であれば、AI半導体の場合は2つのメニューしかない飲食店と比較できます。保有しているメニュー数は少ないかもしれませんが、これら2つのAI推論においてはエネルギー効率が高く、かつ演算速度が非常に速いです。
-貴社サービスの活用事例を教えてください。
活用事例は大きく韓国のKTと米国のIBMデータセンターの2つです。当社のAIチップは、当社の戦略的投資家であるKTクラウドのデータセンターで活用されています。そのため、以前にGPUを使っていたKTクラウドの顧客が私たちのmpoを使うと、KTクラウド側では電気代がとても大きな問題になります。したがって、これらの部分でエネルギー効率を最大化するために当社のチップを使用しました。
グローバルに見ると、米国ではIBMデータセンターで私たちのチップが商用化されるまさに前段階であるコールテスト段階を進行することになりました。
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―日本市場をどのように見ており、日本に進出することになった理由は何ですか?
日本は電力問題がとても深刻で国家的な問題となっています。私たちのチームが持つメリットは、電気代を1/3に節約させてくれるので、データセンターを建てるのに既存のGPUの替わりに私たちのチップを使うと電力効率を高めることができ、まさに日本で直面する問題を解決できると考えました。
また、私たちが韓国の大手通信会社であるKTと協業しているように、日本の通信会社との協業を考えています。例えば、KTで一度一次的に検証されたビジネスモデルを日本に持ってきて、日本の大手通信会社などのような会社とのコラボレーションを通じて日本市場を対象にサービスを提供できると考えました。
そして、地理的にも日本と韓国は、お互いのテクノロジーを理解しやすい立地にあります。したがって、電力効率という面で近い市場、そして同じ構造の通信会社がいるという点で、日本のビジネスに全力を尽くして取り組みたい気持ちです。
韓国は、半導体領域においては日本より少し先を行っていると思います。そのため、この部分をうまく活用し日本で有益な取引ができるように、日本市場をターゲットにしています。
ーKORIT読者の方に伝えたいこと
韓国には本当に優れた半導体企業が多く存在しています。半導体は全体のバリューチェーンでちょうど特定のセットだけ持っているんです。この半導体をうまく活用してAIビジネスをする時、私たちのチームと一緒に協業をすることになれば、AIで完成品を作り出すビジネスにおいて、非常に安価で性能の良いAIサービスを作ることができるので、当社との協業に関心を持っていただきたいです。
日本の投資家の方にも私たちのことを知ってほしいと思いますし、AIサービスを導入している日本の企業とハードウェアでも協業ができれば、最終的により良い製品ができるのではないでしょうか?
韓国と日本のそれぞれのメリットを合わせれば、より良いプロダクト、良いエコシステムが構築され、完璧なプロダクトを生み出すことにつながると思います。
リベリオンズ株式会社 ーパク・ソンヒョンCEO
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