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韓国版法曹界のGoogle「エルボックス(LBox)」Part4|リーガルテック徹底分析

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今回は、現在韓国で最も注目を集めているリーガルテック・スタートアップ企業である「エルボックス(LBox)」を紹介します。

「弁護士が本来の業務に集中できるよう、迅速かつ豊富なデータ・プラットフォームを構築する。」

これは、法曹人のための法律情報検索プラットフォーム会社「エルボックス(LBox)」を2019年に設立した弁護士でもあるイ代表の言葉です。弁護士が業務などに必要な法律情報を検索する手間を省き、法論理の開発など本来の業務に集中できるように「法曹界のGoogle」を作ろうとしていた彼は、同年11月に判例や法関連の論文、記事など膨大な法律情報を簡単に検索できるサービスの提供を開始しました。


2019年設立直後、「ブルーポイント・パートナーズ(Bluepoint Partners)」のシード投資を誘致し、2020年8月にはシリーズA投資により「亜州IB投資 (Aju IB Investment)」、「WONIK投資パートナーズ (Wonik Investment Partners)」、「ベースインベストメント (Bass Investment)」から40億ウォン(約4億円)の投資を誘致することができました。 2021年4月には、韓国政府が優秀なスタートアップ企業に2年間で最大7億ウォン(約7000万円)を支援する技術創業支援プログラム「チップス(TIPS)」に選定されました。


エルボックスは、なぜここまで多くの関心を集めているのでしょうか。それはデータベースに10万件以上の判決文を保有しているためで、競合他社に比べてデータベースの充実度が圧倒的に高いことです。 エルボックスは5,000人を超える弁護士ユーザーのニーズを反映し、継続的にアップデートした結果、実務に最適化されたデータベースを構築することができました。 現在、第10回弁護士試験に合格した弁護士の40%以上がエルボックスを利用するなど、実務に最適化されたリサーチ・サービスとして弁護士たちの圧倒的な支持を得ています。 最近行われたロースクール在学生対象のオンライン講義には、200人以上の人が参加し、実務で有用な判決文のリサーチ方法に対する高い関心が示されていました。


エルボックスは最近、判決文の定期購読や類似判例の検索機能を追加し、弁護士らの要望を反映し、訴訟期日の管理サービスまで開始しました。 弁護士としての実務経験を基にユーザーの業務パターンを深く理解し、最適な解決策を構成して速やかに実行してきたことが、2020年3月のサービス開始以来、急成長の原動力となっているのだと思われます。


イ代表は、「2021年までに100万件の判決文を登録し、検索性能を高度化し、国内登録弁護士の50%に革新的な法理リサーチ経験を提供する予定であり、今回の投資誘致を通じ、ともに革新的なサービスを作っていく優秀な同僚をより積極的に迎え入れる」と熱く抱負を語りました。エルボックスの成長が韓国のリーガルテック成長に非常に肯定的な影響を与えるものと期待しています。


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/media/安基盛(アン・ギソン)
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安基盛(アン・ギソン)

安基盛(アン・ギソン) 慶應義塾大学 経済学部 経済学科 少し面白い話を共有しようと思います。ある本で読みましたが、過去1万年の期間のうち9900年間の科学的進化速度が10だとすれば、1946年に最初のコンピューターができてから2000年までの進化速度はなんと100だそうです。 そして、2000年から2010年までの進化速度は4,000、その後の10年の進化速度は6,000、そして2030年までの進化速度は78,000以上になると専門家は述べています。 今後10年の世界では、我々は想像すらできないことが現実されるかもしれません。ますますデジタル化するこの世の中で、みんながエンジニアになる必要はなくても、少しでもI T技術の勉強に振れることは重要じゃないかなと思いました。 そこで、私の記事を通じて読者の皆さんに少しでもITの世の中に関心を持っていただけたら本当に幸いです。

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