政府が先端GPU(グラフィック処理装置)1万枚を年内に導入し、早ければ10月から韓国産学研協会(以下、産学研)などAI(人工知能)コンピューティングインフラ需要のある場所を対象にサービスを提供する。

科学技術情報通信部は14日、経済関係長官会議でこのような内容の「先端GPU確保推進案」を発表した。「GPU 1万枚」確保目標は最近405の産学研機関を対象とした需要調査を通じて定められた。

政府はGPU1万5000枚が投入される官民合作国家AIコンピューティングセンターの構築とスーパーコンピュータ6号機(GPU8500枚)の構築を加速させるとともに、先端GPU確保推計予算1兆4500億ウォン(約1500億円)を編成して「GPU年内1万枚確保」を推進することとした。

政府は今月末まで受付している国家AIコンピューティングセンター事業に参加するCSP(クラウドインフラ事業者)に委託し、H200、B200など先端・大規模GPUを迅速に確保する計画だ。

先端GPUベースのAIコンピューティングインフラは、国家AIコンピューティングセンターを中心に韓国内産学研および国家的プロジェクトに配分される。産学研などGPUの使用負担は適正水準で設定される。学界・研究界には無償提供し、中小企業には10%未満の自己負担を要求するなど機関の特性に応じて自己負担の割合を差分化する。

韓国内の巨大AI研究を加速させるであろうスーパーコンピューター6号機は来年上半期に構築される。科学技術情報通信部はこの日、国家超高性能コンピュータ(以下スーパーコンピュ―タ)6号機構築のための契約が12日に最終締結されたと明かした。主管機関である韓国科学技術情報研究院(KISTI)とHewlett Packard Enterprise(ヒューレットパッカード有限会社、HPE)が結んだ今回の契約規模は、5年間のメンテナンス費780億ウォン(約81億円)を含めて3825億ウォン(約397億円)となる。

スーパーコンピュ―タ6号機はAI研究に最適化したスーパーコンピュ―タである。研究課題の30%をAIに割り当てる計画だ。これはCPU(中央処理政治)だけで構成された以前の世代のスーパーコンピュ―タとは異なり、GPUとCPUが混在している。既存のCPUベースのスーパーコンピュータが行っていた巨大計算科学とデータ分析に加え、AIモデルの研究が可能ということを意味する。稼働時の演算性能は600PF(ペタフロップス・1PFは1秒当たり1000兆回の演算)級、貯蔵空間は205PB(ペタバイト・1024TB)級だ。ネットワーク性能は400Gbps(ギガビーピーエス)以上となる。これは世界最上位スーパーコンピュータ10位圏と肩を並べる水準だと見られる。

科学技術情報通信部は、スーパーコンピュータ6号機の構築を完了するとすぐに中規模以上のAI開発など多様な需要を迅速に支援していく計画だ中規模AIは、GPU 50~200個内外を使用して3ヶ月以内に完了できるAI学習のことをいう。また去る3月に発表した「AI+S&T活性化案」による8大特化AIモデルの開発を加速するものと見られる。8大特化AIモデルとは△次世代新素材△革新新薬△超微細半導体△宇宙探査△量子コンピューティング△次世代二次電池△環境に優しい新技術△未来エネルギーなどだ。

ただ科学技術情報通信部は、スーパーコンピュータ6号機導入後も研究現場の需要を一度に解消するのは難しいという点を考慮し、政府出捐研究機関が共同活用できるオーダーメード型の「AI+S&T公共インフラ」構築案を今年打ち出す予定だ。

スーパーコンピュータ5号機vsスーパーコンピュ―タ6号機/グラフィック=キム・ヒョンジョン

<[ソウル=Newsis]ベ・フンシク記者=キム・ボムソク企画財政部長官職務代行が8日午前、ソウル鍾路(ジョンノ)区政府ソウル庁舎で経済関係長官会議をしている様子。2025.05.08. /写真=ベ・フンシク >

原文:https://www.unicornfactory.co.kr/article/2025051411332860595