中企部「ベンチャー4大強国跳躍総合政策」発表
グローバルでの激しい技術競争、韓国も「ベンチャー」を突破口に
近頃、AI(人工知能)、防衛産業、先端ディープテックなどの分野におけるグローバル技術競争は事実上国家間総力戦の様相を呈している。米国・中国などの主要国は資本や技術、人材、安全保障スキルまで備えている。その中心にベンチャーエコシステムがある。一方、韓国の経済は人口現象や成長の鈍化など構造的限界に直面していると評価される。ベンチャーエコシステムは一定の成果をもたらしたが、冒険資本の脆弱性、首都圏・非首都圏の経済エコシステムの格差、大企業への依存度が高く、ディープテックスタートアップの貧弱さなどが、成長の妨げとなっていると指摘されている。
政府が18日に、「ベンチャー4大強国跳躍総合政策」を発表した背景にはこのような現実がある。他のビッグテック強国のように「K(韓国)-ベンチャー」を国家成長戦略の中心においてこそ、技術競争から外れることなく、経済跳躍も成し遂げられるという構想である。この日汝矣島(ヨイド)の中小企業中央会で政策を発表した中小ベンチャー企業部のノ・ヨンソク第1次官は「最近のAIとディープテックを中心とした技術の大転換の最前線には非上場ベンチャー・スタートアップがある」と強調した。

写真/中小ベンチャー企業部提供
「技術覇権をつかむ」…ディープテックスタートアップの育成に「年40兆ウォン(約4.2兆円)」
今回の総合政策は技術・地域・人材・投資など4大戦略別に15の細部課題を設定し、詳細に構成されている。今後5年間AI・ディープテックスタートアップ1万社とユニコーン・デカコン(企業価値1兆ウォン(約1000億円)・10兆ウォン(約1兆円)以上の非上場スタートアップ)を育成という政策目標のために支援を惜しまないという。ベンチャーへの投資金額、年間40兆ウォン(約4.2兆円)時代が始まるのも注目に値する。
ファンド・オブ・ファンズが出資した「NEXT UNICORN PROJECT(ネクストユニコーンプロジェクトファンド)」を通じて、初期20億ウォン(約2.1億円)、中期100億ウォン(約10.5億円)を投資し、ユニコーン候補企業を選定、民間VC(ベンチャーキャピタル)、技術保証基金、海外VCなどから、600億ウォン(約64億円)以上を投資するなど、具体的な案が設けられた。TIPS(ティップス)など起業支援プログラムもAI・ディープテック中心に改編される。
起業に挑戦し、失敗した人材を受け入れる政策も意味深い。政府は再起業のためのセーフティネットの刷新、毎年1000人の予備起業家発掘の計画を打ち出した。スタートアップの社長に連帯責任を問わない制度を新技術金融会社まで拡大適用、一度失敗した起業家でももう一度起業できるよう支援する。1兆ウォン(約1060億円)規模の「再挑戦ファンド」を造り、起業に失敗した人の事業転換・再起業にフォーカスした投資を行う。
地方・非首都圏スタートアップエコシステム支援にも力を入れる。代表的な策としては、3兆5000億ウォン(約3700億円)規模の「地域成長ファンド」を造り、ファンド・オブ・ファンズ出資予算の50%以上を地域に投資するようにした。非首都圏のスタートアップにはTIPS(ティップス)など政府支援事業インセンティブの適用を強化した。

写真/中小ベンチャー企業部提供
ベンチャー業界は「実効性のある政策」と歓呼
ベンチャー企業協会・韓国ベンチャーキャピタル協会・Korea Startup Forum(コリアスタートアップフォーラム)などで構成されたイノベーションベンチャー団体協議会は「ベンチャー・スタートアップエコシステムを全面的に作り変えるための実効性ある政策」と歓迎の姿勢を見せた。スタートアップがユニコーンとなり、グローバルビッグテックへと成長できる「成長ルート」を国家戦略レベルで提示した。
ベンチャー企業協会のソン・ビョンジュン会長は「ベンチャーエコシステムの跳躍とベンチャー企業の革新成長のための基盤が設けられる」と期待の声を伝えた。韓国ベンチャーキャピタル協会のキム・ハクギュン会長は「政策金融を通じたベンチャー投資財源の拡大だけでなく、M&A、セカンダリーなど投資と回収の好循環構造を活性化する努力が必要なタイミング」と述べた。
政府は国会や協議を増やすなど、通信チャネルの強化を決定した。中企部のハン・ソンスク長官は「今後、AIのスピード進化によって誕生するだろう次世代ユニコーンの成功は、内需への依存を解消するグローバル展開能力、そして高難易度のディープテック難題を突破する技術競争力にかかっている」とし「国会と政府、業界が共にベンチャー懸案を継続的に議論し続けなければならない」と語った。

中小ベンチャー企業部ノ・ヨンソク第1次官が18日、ソウル永登浦(ヨンドゥンポ)区中小企業中央会で「ベンチャー4大強国跳躍総合政策」を発表している様子。 /=中小ベンチャー企業部
<チェ・ドンジュン記者=李在明(イ・ジェミョン)大統領が17日、世宗(セジョン)市政府世宗コンベンションセンターで開かれた産業通商資源部・知識財産処・中小ベンチャー企業部の業務報告で発言している様子。/画像=大統領室通信写真記者団>
原文:https://www.unicornfactory.co.kr/article/2025121815015835389
