AI導入をめぐる企業での葛藤が深刻化している。雇用を失う可能性があるという不安に、会社のAI戦略を意図的に妨げる職員が増えており、特にZ世代でこの割合が著しく高いことが分かった。

AIエージェント企業Writerとリサーチ機関Workplace Intelligenceが7日に発表した「企業内AI導入現況」という報告書によると、米国・英国・欧州知識労働者2,400人を対象とした調査で、全会社員の29%が会社のAI戦略を妨害した経験があると回答した。Z世代だけで見ると、この数値は44%まで上昇する。

恐怖が生み出した逆説的行動

妨害行為を認めた職員の30%はその理由として、「このままだと雇用を失う可能性があること」を挙げた。業界ではこれを「役に立たなくなるかもしれないという恐怖(FOBO, Fear of Becoming Obsolete)」と呼ぶ。AIに対する不安がむしろ技術の導入を妨げ、それにより、該当職員の地位もより低くなる悪循環が形成されている。

妨害の手段も多様だった。承認されていない公開AIツールに社内機密データを入力したり、AI使用自体を拒否する消極的なやり方や、意図的に低品質の結果物を提出したり、成果評価を操作してAIが非効率的に見えるようにする積極的な妨害行為も報告された。経営陣の76%は、従業員のこのような行動が会社の将来にとって深刻な脅威になりえるとの認識を明かした。

セキュリティ上の懸念も現実のものとなっている。経営陣の67%は、従業員が未承認のAIツールを使用する中で、すでにデータ漏洩やセキュリティ侵害が発生していると答え、35%は万が一AIエージェントが誤動作した場合、即座に中断させられる自信がないと認めた。

「AIがうまく活用できなければ解雇」…広がるギャップ

企業の対応は強硬だ。経営陣の60%はAIを活用できない職員やAIの導入を拒否する職員を解雇する計画だと明らかにし、77%はAIに対するスキルのない職員を昇進やリーダー格のポジションの対象から除外すると答えた。92%の経営陣は「AIエリート」と呼ばれる核心活用人材を積極的に育成中だと明らかにし、彼らの生産性はAIを使わない職員より5倍以上高いと評価した。

AI活用可否による補償格差も明らかだ。上位AI活用者は週あたり平均9時間をAIに節約するのに対し、消極的活用者は2時間にとどまって4.5倍の差が出た。直近1年で、昇進と年俸アップされた職種の割合も、AIに精通したユーザーが非活用ユーザーの3倍となった。AI活用スキルは、単純な業務方式の違いを超えて、キャリアパス自体を分ける分岐点となっているわけだ。

Z世代の態度は二重的だ。AI導入の妨害経験があるという回答が44%に達する一方、80%は成果フィードバックやキャリアアドバイスなどの領域で直属上司よりAIをより信頼すると明かした。AIに対する反感と依存が同時に存在する複雑な心理が垣間見える。

戦略のない転換、経営陣も混乱

内部事情も複雑だ。経営陣の79%がROI遅延、戦略のなさ、内部権力争いなどの困難を経験していると答え、CEOの38%はAI戦略へのストレスは耐えられないほどだと回答した。最高経営責任者(CEO)の64%は、AIへの移行に失敗した場合、自分が地位を失う可能性があるかもしれないと懸念を語った。

組織内の葛藤も深刻化している。経営陣の54%はAI導入が会社を分断していると答え、56%はこの過程で権力争いと組織内の混乱が起きたと答えた。これは前年比10%以上上昇した数値である。IT部門と現業部門間の葛藤も高まり、78%の経営陣が両者の緊張を報告、55%はAI活用が制御されない混沌状態だと表現した。

成果に対する懐疑論も相当だ。経営陣の48%は自社のAI導入が「大きな失望」だったと評価し、生成型AIで有意なROIを見たという回答は29%、AIエージェントの場合は23%に過ぎなかった。75%は社内AI戦略は、実質的な内部指針というより「見せる用に近いもの」だと認めた。

韓国も例外ではない。韓国スタートアップと中堅企業を中心にAI導入の圧が高まっているが、構成員を対象とした教育や変化管理体系なしにツール導入だけ急ぐことも少なくない。今回の調査で見てきた葛藤は韓国の組織でも同様に発生する可能性が高いという点で、単純に海外の事例だから、とするのは難しい。

今回の調査は2025年12月から2026年1月まで米国、イギリス、アイルランド、ベルギー、オランダ、ルクセンブルク、フランス、ドイツの知識労働者とCレベルの経営陣各1,200人、合計2,400人を対象に行われた。

原文:https://platum.kr/archives/285078