「高齢化と都市集中化という共通の課題を抱える韓国と日本のプロップテック分野での協力は、単純な技術共有にとどまらず、両国の強みと革新力を組み合わせることで、新しい価値を生み出せる点に大きな意義がある。」
HomesCompany(ホームズカンパニー)のイ・テヒョン代表は、22日に開かれた「2025日韓プロップテックビジョンカンファレンス」で、「韓国は急速なデジタル転換や革新技術の導入において強みを持ち、日本は長年の経験に基づいた精緻なシステム運営と安定的なサービス提供において優れた力を発揮してきた。」と述べた。
韓国プロップテックフォーラムと日本不動産テック協会が共同で主催した今回のカンファレンスは、両国の産業関係者が集まり、現状を共有するとともに、具体的な協力策を探ることを目的に開かれた。開催は今年で7回目を迎える。
プロップテックフォーラムで国際交流部門の代表を務めているイ・テヒョン氏は、「韓国と日本はそれぞれの強みが異なるからこそ、相互に補完し合うことでさらに大きな発展が期待できる。」とし、「両国が協力すればアジアのプロップテック市場で共同のリーダーシップを築けるだろう。」と話した。
日本側の参加者は、日本のプロップテック市場が抱える最大の課題として「データ整備の遅れ」を挙げた。日本不動産テック協会代表であり、LEEWAYS(リーウェイズ)代表の巻口 成憲氏は、「依然として情報が紙で管理されていたり、各種行政機関にデータが分散している。」と指摘した。
さらに、「さまざまな非効率性のため、日本では一つの物件を評価するのに15.5時間もかかっている。その結果、日本のプロップテックは主に賃貸管理・建物管理ソフトウェアといった業務支援システムに重点が置かれてきた。」と付け加えた。
韓国の場合、政府主導でデータ整備が進み、アパート文化の発達により技術を導入しやすい環境が整っていると評価されている。その結果、賃貸管理、施設管理、資産管理など幅広い分野でソリューションの開発が進められている。
SLP(エスエルプラットフォーム)のキム・ドクウォン常務は、「韓国は、住宅サービスの高度化とライフスタイル分野において強みを持っている。」とし、「住宅用タッチパネルと連動したスマートホームサービスをはじめ、弁当配達、出張洗車、コミュニティ施設の予約など、多様な生活密着型サービスがアプリ一つで提供されている。」と話した。

22日に開かれた「2025日韓プロップテックビジョンカンファレンス」/写真=チェ・テボム記者
韓国は、消費者データの蓄積とAI(人工知能)技術を基盤に、バイサイド(Buy-Side、家を探している人)向けの仲介サービスでも競争力を強化している。
Zigbang(チッバン)のアン・ソンウ代表は、「家探しの最終段階である物件情報の提供に先立ち、どの地域でどのような住まいを検討すべきかを判断できるよう、人口移動、商業施設、学習塾、地形、開発計画、所得水準などの詳細なデータを視覚化して提供することに注力している。」と話した。
さらに、「人が対応するのが難しいバイサイド向けの仲介サービスを、場所や時間に関係なく利用できるようにすることを目指している。」とし、「物件情報だけでなく、政府政策、税金、投資リスクの判断などについても、AIによる詳細な相談を通じて、顧客の知識の幅を広げ、より適切な意思決定を行えるようにする。」と話した。
一方、日本では不動産クラウドファンディング市場が急速に拡大しているとの観測がある。CREAL(クリアル)の横田大造代表は、「2017年の不動産特定共同事業法の改正により、インターネットを通じた資金募集が可能となり、クラウドファンディング市場が急成長している。」と話した。
さらに、「現在、78社がサービスを提供しており、市場規模は年間700億円(約6,600億ウォン)以上に急拡大している。」とし、「単に高い収益率を追求するのではなく、品質競争を通じて市場の信頼度を高め、多くの利用者に認められる資産運用手段にしていくことを目指している。」と付け加えた。
韓国と日本の両国において、人口が減少する中でもプロップテック産業に新たな機会があるとの分析が出ている。シリコンバレーを拠点とするVC(ベンチャーキャピタル)、Altos Ventures(アルトスベンチャーズ)のオ・ムンソクパートナーは、「人口は減っても絶対的な世帯数は増えている。人口統計学的構造の変化から新しい機会が生まれる可能性がある。」と話した。
さらに、「新しい人口構造に対応したサービスの形が求められる。」とし、「高齢化が進む中で、シニアリビングの形も変化していく。高齢者が持つ不動産などの資産を流動化することで機会を生む、新しい形態のサービスも登場するだろう。」と展望した。
また、外国人向けの住宅分野に関しても成長の余地があるとみており、「韓国と日本で外国人人口が増えている。彼らが住まいを探す際にさまざまな制約があることから、増える外国人を受け入れるため、既存のフォーマットの見直しも必要だ。」と話した。
<HomesCompanyのイ・テヒョン代表が22日に開かれた「2025日韓プロップテックビジョンカンファレンス」で開会の挨拶を行っている。 /写真=チェ・テボム記者>
原文:https://www.unicornfactory.co.kr/article/2025092217212843160