SBVA | イ・ジュンピョ

    SBVAは今年10月初めに東京で審査役ワークショップを行いました。テーマは「AI時代とは一体何なのか、SBVAはどのような視点で投資すべきか」です。イ・ジュンピョSBVA代表が1時間30分~2時間内部で講演したそうです。ちょい事情通の記者はイ代表にその講演を韓国の起業家にも伝えてほしいと要請しました。

    イ代表は「これから登場するファウンダーにこのような意見を伝えてくれたら、とても嬉しいです。AI時代に刺激を受け、今説明したようなスタートアップがたくさん登場するのに役立つなら、喜んでやります」と述べました。彼は「最終的にはパーセプション、レコグニション、アクチュエーター、そしてその基盤となるインフラストラクチャー。今後2030年までは、SBVAもほとんどのポートフォリオをこのように埋める必要があるのではないでしょうか。未来を予測するのは簡単ではありません。 AI革命の時代を生きている。状況がこのように変わる時代であることは、大きな祝福である。ちょっとうまく生かそう」と語ります。

    SBVAのイ代表は10月中旬に再びちょい事情通の記者に内部講演を行ってくれたので、それをテキストでお伝えします。残念ながら内部PPTの公開は難しいそうです。しかし、テキストをよく読むと、イ・ジュンピョのAI論とSBVAの投資方向が見えてくるはずです。特にSBVAに会う予定がある方は一読をお勧めします。レターの前半は主に一般論で、彼の持論は後半です。後半の方を、よりしっかり読んでください。

    インタビューの最後に、ちょい事情通の記者はイ代表に感謝の言葉を伝えました。 「状況が変わるときは、ビジョンが大事です。業界の状況が変わらないとき、ビジョナリーは無能な非能力者になることもありますが、業界の状況が変わるときは違います。ビジョンは方向性を示し、たとえそれが間違っていても、賢明な人には参考になる羅針盤になります。正しい方向であれば、全く違う価値を生み出します。AIに夢中になっている予備起業家を代表して、内部講演を共有していただき、ありがとうございます。」

    目次

    1.「情報化革命時代の私たちの目には、AI新世代が不安に見えるかもしれない。しかし、生まれた時からスマートフォンを見てきた彼らは、進化した人類なのかもしれない。」

    「社内の資料として書いたものです。私たちは世界をどう見るべきなのか。人類は農業革命、産業革命を経て、情報革命になりました。その長さは回転ごとにどんどん短くなっていきます。人類は狩猟生活から定住し、農具も使い、農業をベースに一度進化したわけですよね。生き方も変わり、社会が作られていくし。産業革命の中で、資本をベースに社会が回る資本主義システムが作られ、その中で教育に対するシステムもまた進化していきます。また、多くの人が文章を読むようになりました。それが進化の大きな起爆剤だと思うんです。単純に何らかのヒストリカルファクトではなく」

    「英語では『anxious generation』なのですが、韓国語でいうと『不安な世代』という感じでしょうか。最近アメリカで大ヒットした本があります。いわゆる私たちのいうアルファ世代は、生まれた時からスマートフォンやiPadを使っていますよね。ショート動画のような短い映像を消費します。観察してみると、ものすごくドーパミンを刺激するんですよ。人類史上一度も臨床実験をしたことのないことを、今、子供たちにやっているわけです。」

    「この本の結論は、子供へのスマートフォンのようなものに、接しすぎるのはかなり危険。なぜなら、スマートフォンに触れた世代を後で観察してみると、集中力がないのです。本を読めず、1つのテーマに集中できず。でも、私はちょっと違う考えです。AI革命までここまで来たのに、このポイントはなんだろうか。単に『AI時代になった』ということだけでなく、『人類が進化している』ということです。」

    「著者は次の世代にとって非常に危険だと言っていますが、もしかしたら人類が進化しているのかもしれないというのが私のポイントです。例えば、産業革命や情報革命の時代を通じて知識を習得・伝播してきた私たち世代からすると、新しい世代の人達が不安に見えることもあります。私たちが過去のやり方で彼らに何か知識を伝えようとするとうまくいかなくなるし。しかし、それは当然のことで、むしろ新しい人類はまた技術進歩によってより進化した世代なので、私たちは新しい枠組みで受け入れていかなければならないのではないでしょうか。」

    2.「80年前に登場したAIの概念、なぜ今開花したのか?2つの理由がある。インターネットのおかげで、ディープラーニングが学習する膨大なデータができた。20年で600倍速くなったGPUが登場しました。」

    「かつての情報化革命の時代には情報があふれていて、私たちは情報を探す必要がありました。しかし、今は情報が私たちを訪ねてきます。TikTokやYouTubeがどれだけ怖いかというと、今まで視聴したすべてのコンテンツを全部見て、次にこの人がクリックしてしまうコンテンツを推薦するじゃないですか。実はすでにAI革命、私たちはその変化の最中を生きているんです。」

    「ChatGPTの登場で、知識の習得やコンテンツの作り方が変わってきています。AIの歴史は私たちが思っている以上に長いです。1940~50年代にこの概念が登場してから80年くらい経ちますね。でも、なぜ今なんだろう。」

    「1940年代初頭、アメリカの神経生理学者であるマクロックと認知心理学者であるウォルター・フィッツが初めて人工ニューロンを設計しました。人工知能という概念として初めて作られたんです。その後、1960年代にMIT人工知能研究所ではChatGPT(チャットGPT)の元祖であるELIZA (エリザ)を作り、80年代にこのような投資が少し停滞した後、ノーベル物理学賞を受賞したジョフリー・ヒントン博士が深層ニューラルネットワークの理論を打ち出し、実際にChatGPTまで出てきました。」

    「なぜ2010年代後半、2020年代になって初めてAIが夢が叶ったのか。2つに分けて考えます。  ディープラーニングという技術が登場して、ようやくデータが蓄積されたところです。インターネットを通じて溢れる膨大な量のデータとディープラーニングが出会い、最終的にはGPUと出会い、機械学習ワークロードを加速することに大きく貢献します。GPUの性能は着実に向上しており、2019年には1秒あたりの処理可能性能が急激に上がります。2003年と比べると、ほぼ600倍くらい成長したんです。これができるからこそ、生成型AI技術というものが成り立つのです。」

    「よく知られている話ですが、Facebookが1億ユーザーを達成するのに4、5年くらいかかりました。でも、ChatGPTが出てきて、そのようなユーザーを達成するのに2ヶ月しかかかりませんでした。それくらい、実は波及効果は非常に大きいのです。」

    3.「デジタル画像を制作する際に、Generative AI(ジェネレーティブAI)を使えば、人よりも99%以上の低コストで99%少ない時間で作業することができるそうです。」

    「McKinsey(マッキンゼー)サーベイを見ると、「日常の業務領域でどれだけAIを活用しているか」という質問に対して、「少なくとも1つ以上の何かでこれを使っている」と答える人が72%以上います。6、7年前に比べたら、ほぼ3、6倍ぐらい上がりましたね。生成型AIが登場してこうなったのです。注目すべき点は、これも同じマッキンゼーレポートですが、「生成型AIを業務に使用している」という回答者が1年で2倍に増えています。私たちも実はスタートアップに投資するとき、これが非常に大きなインプリケーションなんです。」

    「以前、私たちが投資して非常に大きなイグジットをした起業家、外国人の方ですが、最近また会社を作りました。新しいアイテムで会社を作って、アップデートしてもらおうと思って来たのですが、すでにたくさんのプロダクトを作られているんですね。『もう30人、40人くらいの人がいるんですね。この人材は代表が自己資金でやったんですか』と聞いたら、『5人しかいない』とのこと。」

    「以前は20人の開発者がやっていたことを、今は1人、2人でやっている。もう人、特にコーディングやデザインには必要ないと言っています。実際にAIがものすごく実生活で使われているんですね。大企業はすでに人材が採用されていますし、労働法は強いので、AIが人間に取って代われるとしても、いきなり人を減らすことはできませんよね。スタートアップは新しく始めるので、可能です」

    「今後、新しいスタートアップは本当に少人数で仕事をする。AIに仕事を奪われるんじゃないかと心配して、人々は実感できないでしょうが。スタートアップが成長することでサイクルが回るじゃないですか。思ったより何だか上手くできているような気がする。その代表が言うには、デザインなんかも、昔は原画を描いて、あるキャラクターを選ぶのに50人、多いときは100人くらいが何ヶ月もかかっていたのですが、今はプロンプトをうまく書いて「17世紀風で金髪で、こういう少年のイメージをこんなふうに描いてくれ」と言えば、AIが数秒で何百枚も描いてくれるので、その中から選ぶだけなんです。」

    「単純な文書作成を超え、絵や音楽などの創作の領域までAIが浸透し、代替が可能な世界がやってきた。しかし、結局、AIが私たちの生活をどう変えるのか。2つに分けて見ました。生産性とコンビニエンス(利便性)です。」

    「プロダクティビティ、つまり生産性の面での変化。実際の仕事のスピードが速くなるだけでなく、質的な面でもものすごく成長します。品質が良くなってました。Microsoft(マイクロソフト)がCopilot(コパイロット)のようなものを提供し、開発者に「生成型AIの助けを得ると作業完了時間がどれくらい短縮されるのか」と尋ねたところ、56%以上短縮されると答えました。しかも、人がやるよりも完成度が高いという答えが返ってきたんです。」

    「コンピュータサイエンスエンジニアの役割が昔と大きく変わるでしょう。むしろ、AIをうまく使えるコーダーが世界を変えることができるのです。デザイナーのイメージ面では、数字の方が驚きです。デジタル画像を制作する際に、Generative AIを使えば、人よりも99%以上の低コストで99%少ない時間で作業できるそうです。示唆に富んでいます。」

    4.「コンピュータサイエンスのジョフリー・ヒントンとデミス・ハサビスがノーベル物理学賞と化学賞を受賞。物理学者、科学者は我に返っただろう。」

    「AIが私たちの生活に与える利便性は、私は審査役に話したのですが、1年、2年経てば、本当に1日のすべての私の生活パターンがAIによって介入されるようになるだろう、朝の運動中に体のリズムをチェックし、起きてから一晩中起きたニュースをAIが選んで、ある特定のメディアのサイトを見るのではなく、私はGoogleのニュースクリップを使うので、それを使えば、私が今まで見た記事を総合して、メディアを問わず、私の役に立ちそうな、私が興味を持ちそうな記事だけを選んで、与えてくれる、すでにこれも可能になっています。天気を確認し、自動運転車で通勤し、AIがおすすめする自分の好みの音楽を聴きながら。」

    「私たちが審査役に話したのは、AIがもたらす生産性や利便性を私たちが直接感じて、世の中を眺め、投資家として、ベンチャーキャピタルとして見てみようということです。このAIの変化を。AI関連のグローバル企業の投資状況を見ると、2013年以降8年間、AI分野への投資額が23倍近く増加しました。昨年2023年に投資した金額だけ見ても、韓国のお金で20兆円近くになります。」

    「注目すべきは、生産性AIへの投資動向ですが、米中対立があった時期を除けば、Generative AIの爆発的な成長により、過去5年間で10倍ほど増加しました。ビッグテック企業がインフラストラクチャーを敷設しています。最近一番衝撃的だったのは、ジョフリー・ヒントン教授がノーベル物理学賞を受賞したこともありますが、デミス・ハサビスがノーベル化学賞を受賞したことですね。」

    「単に私たちが考えているようなコンピュータサイエンス領域のAIではありません。バイオテクノロジー、医療、化学、化学、製薬、新薬など全分野が事実上AIによって研究開発され、さらには制御され、この人たちが持っていく世界がすでにできているのです。非常に多くの物理学者や化学者は現実を突きつけられたような気持になったでしょう。コンピュータサイエンスの人たちがノーベル物理学賞や化学賞まで全部取ったわけでs。このような背景には、膨大な資本が集まっていたからこそ可能だったのです。」

    5.「5年ほど前、東京でサム・アルトマンが孫会長に8枚のスライドでOpenAIプロジェクトをランチタイムにピッチした。孫会長は1ビリオン投資したいと即答した。」

    「OpenAIの場合、2018~19年頃にY Combinator(ワイコンビネーター)CEOを務めていたサム・アルトマン氏を、私が孫正義会長の元に連れて行きました。その時、孫会長に提案したのは、私たちがアメリカで投資をうまく行うには、初期のアーリーステージにおいてY Combinatorがとても優秀なので、YCとも協力すればいいと思うのですが、彼らと会って一緒に話をしたらどうかということでした。孫会長が良いよ、会ってみようと言って、それでランチを共にしたんです。東京にサム・アルトマンがやってきました。その時、YCのCEOという資格で来たんです。」

    「20分ほど話をしていたら、突然、私とは話し合ってなかったOpenAIプロジェクトをやると言い出したんです。当時は本当にスライドしかなかったんです。何かプロダクトがあったわけでもなく、本当に8枚のスライドで、ChatGPTがこんなコンセプトで、こんなロボットも作る、こんなゲームAIも作る….。私としては驚き半分、戸惑い半分。 会長には相談もしなかった案件でしたから。でも、孫会長がその場でサム・アルトマンに「私が1ビリオンをここに投資してもいいか」と言ったんです。僕に「ジュンピョ、お前がクロージングしてくれ」と。当時かなり長く、サム・アルトマンと投資協議をしました。」

    「結論としては、当時はいろいろな理由で、OpenAIが外国からの投資を受けられる状況ではなかったので、いろいろな協議の結果、投資ができなかったのですが。実は当時、私は心のどこかで良かったと思っていたんです。これを入れて、後に私が…」

    -投資していたら歴史が変わっていたでしょうね。

    「そうですね。おそらくアリババに匹敵するリターンがあったでしょう。それを見抜いた孫会長の先見の明も、今思えば本当にすごいですね。また、その短い期間で当時の話を作り上げたサム・アルトマンも本当にすごいですよね。多くの人が去年、「君はどうやってサム・アルトマンを韓国に連れてきて、このようなイベントをしたのか」と言いました。サムは私たちからの投資を断りましたが、それでも私への感謝と友情を深めることができたと思います。当時は投資は受けませんでしたが、私たちもその気持ちに気づいて、とても良い思い出を持っていました。 」

    「今でもメールを探せばあります。サム(アルトマン)と私とやり取りしたメールと電話で話した内容ですが、最後にサムが結論として、今回は受け取れなかったことをとても残念に思っていると言いました。」

    6.「AIエコシステム、一歩下がって見方を変えよう。パーセプション-レコグニション-アクチュエーター、そしてインフラストラクチャ。」

    「SBVAはAI投資をどう見るべきか。現在、ほとんどの市場にいる人や投資をする人が見るAIの市場エコシステムはこんな様子です。一番下にある基礎モデル、ラージランゲージモデル(LLM)、それをベースにしたTikTokとか、こういうアプリケーション、いわゆるデータを学習して、ある特定の問題を解決していくものを基本的にAIだと考えています。私がそうでした。私たち、もう一歩後ろに下がってAIを眺めてみましょう。」

    「一人の子供が信号機の前にいると考えてみてください。信号が青信号になったらどうなるのでしょうか?パーセプション、つまり目で情報を見て、それから道を渡るかどうかを判断するでしょう。目で情報が入ってくるのがセンシングと呼ばれるパーセプションの部分で、頭の中で「青信号になったから渡ろう」と考えるのがセカンドレコグニションです。認識して判断するのです。3つ目がアクチュエーターで、頭の中で足に「渡れ」と命令すると、両足で渡ります。」

    「結局、AIエコシステムは3つに分けて考えるべきだと思います。自意識を持つセンシングパーツ、これらのデータから認識して判断するインテリジェンスがあり、最後にそれを行動に移すアクチュエータです。センサー?AIをやっている方は「データの戦いだ。誰がどれだけのデータを持ってくるかによって変わってくるだろう」と言われますね。原初的な疑問は、「そのデータはどこから来るのか」ということです。ウェブ上で回っているデータだけがデータではなく、私たちがカメラで撮るもの、マイクから入る音、軍用に使われることが多いですがレーダー、自動運転に使われるライダー、こういう世の中で物理的に動いているものを入力するのがセンサーなのです。誰がどれだけユニークに上手くやるかで決まりますね。」

    「3Dホログラフィック顕微鏡のようなものを作るセンサーのスタートアップがあります。他人にはわからない形の画像でデータを作るのです。世の中を説明できるデータが蓄積されれば、これは非常にユニークな資産になるんです。」

    「このようなデータを用いて判断する技術は、商用化が進んでいます。非常に性能の良いLLMが出来ましたし、もちろんコストの問題もありますが、インフラストラクチャの層でまた多くの研究が行われています。低電力半導体の研究が進み、より効率的にデータセンターを運営するために、コストを削減できる様々なハードウェア的な要素技術が登場しています。このインテリジェンスの領域は、今後、コストが安くなり、スマートに判断できるインテリジェンス商材になると考えています。」

    「ウェブ上に溢れているすべてのパブリックデータを使って学習することは、今後新しい企業が行うのは難しいでしょう。すでに多くの費用が投資され、ChatGPTだとかGoogleだとかを作ってしまったので。一方、「韓国にAIのチャンスがあるか」という質問の答えは、ある特定のドメイン、特定のバーティカルにあるデータを持って学習させた場合、十分に差別化ができるということです。私らがどのような形でこのセンサー、パーセプション側の差別化ができるのか、すでに持っているのであれば、それをどのようにインテリジェンスにつなげるかにかかっているのです。」

    「最後のアクチュエーターパート。自動運転になることもあれば、ロボットの形になることもあります。ロボットも突き詰めてみれば、様々な形の駆動部品や構造から成り立っていると思いますが、私たちは「他の人が見ているように、AIのアプリケーション、例えば別のTikTokを探そう」ではなく、一歩離れてAIのエコシステムが今どのように変化しているのかを見て、最終的には人間に取って代わるわけですが、認知や判断、実行的な部分をより深く掘り下げて見て、さらにその下にあるインフラも掘り下げてみると、そこにチャンスがあると考えています。」

    7.「SNOW(スノー)はパーセプション、Lunit(ルネット)とUpstage(アップステージ)、you.com(ユー・ドットコム)はインテリジェンス」

    「最近興味深く見ているのは、データ転送技術です。現在は光ケーブルを使用しています。現在、転送しなければならないデータが非常に多くなり、光ケーブルで転送されるデータが効率的ではないという話が出てきています。ここで何か革新的な技術はないだろうか。従来の光ケーブルに比べて効率を2倍、3倍にすることができれば、その技術から大きな恩恵を受けることができます。」

    -NTTが推進している「IOWM」のようなものですか?

    「私が今考えているものとは少し違うようですが、一度私も見てみます。要は、光通信において、その中の構造をどう変えるかということを研究しているスタートアップがいくつかあります。今、数十兆円のお金がデータセンターに投入されていますが、このような問題を解決するスタートアップが出たら、本当に大きいと思います。」

    「NTTがもし準備が整えば、大きなブームになるでしょう。私もちょっと見てみます。NTTが具体的にどのような技術をどのように作ったのかは、私もまだ見ていません。個人的にはとても興味深く見ている分野なので、韓国にもこのようなことができる会社がいくつかあるようです。多くの投資家がAIアプリケーションを探しているとき、私たちはそのような光ケーブル技術を見つけなければなりません。」

    「私たちはこれまで「どんな木に投資するか」ばかり見てきましたが、一歩離れてAIというエコシステムを見て、このエコシステムを作るために必要なものを見てみましょう。土があり、太陽があり、雨があり、そして森が作られる、私たちも世の中の変化を見つめ、その中で投資をしよう。それが私のポイントです。」

    「具体的な例として、過去に投資したSBVAのポートフォリオです。以前は自動運転かどうか、あるいは国別、あるいはステージ別にポートフォリオを分類して管理していました。AI時代には別の切り口で見なければならないのではないか。私たちが投資したイスラエルのライダー会社は、AI時代のセンサー会社です。なぜなら、ライダーを通して光の戻り速度を測り、形状化をさせることで、他のカメラやセンサーでは見ることができないデータを積み重ねていくところだからです。単に自動運転の部品会社ではなく、センサー会社である。SNOWもその一例です。写真アプリの会社ですが、恐らく膨大な人物の顔画像を保有しているでしょうし、センサーの会社とも言えますね。」

    「インテリジェンス部分に移ると、Lunitのような会社は、数百万~数千万のCT画像を通じて癌の有無を判断するインテリジェンスの役割をする会社であり、最近SBVAが投資したUpstage(アップステージ)も同様である。数多くのデータを与えるだけで、非常に安くて効率的に学習させて判断できるロジックを提供する会社ですが、私たちは単にドキュメントをよく分析するAIとして会社を見るわけではありません。」

    「SBVAが最近、米国のU.comというAI検索技術会社に投資しました。様々なLLMを利用して、ユーザーが求める最適な最新データまで検索して見せてくれるAI検索会社ですが、これもある意味、インテリジェンス会社です。まだ公開はしていませんが、オープンホームと呼ばれる複数の人の音声データを集めて最適な音声を作り出す会社ですが、このような会社もすべてインテリジェンスに分類する必要があります。アクチュエーターに移ると、すでに飲食店ではよく見かけるようになりましたが、サービングロボットがその例です。」

    8.「大田(テジョン)のSTANDARD ENERGY(スタンダードエナジー)は、インフラストラクチャ…燃えないバッテリーは、AI時代に世界を変えるゲームチェンジャーになる可能性がある。」

    「既存の企業をこのように分類し、新たな投資機会を探すときにも、この基準で行かなければならないのではないでしょうか。インフラストラクチャ層にある2社を紹介します。STANDARD ENERGY(スタンダードエナジー)は本当に私たちが初期から投資した会社ですが、KAIST(カイスト)出身者が大田(テジョン)で作った会社です。本当に世界を変えることができるゲームチェンジャー企業の一つです。」

    「この会社はバナジウムという素材でバッテリーを作りました。世界中でこのようなことをしている会社は、私たちが今探してもここしか見つかりません。量産にも成功しました。燃えないバッテリーです。この素材自体が1200度、1000度でも燃えません。さらに、従来のリチウムイオン電池よりも性能や効率もはるかに優れています。最初に投資したときは「本当にできるのか」と思っていたのですが、3年ほど経ちましたが、本当にできました。バッテリー市場には大きな波及効果をもたらすと私たちは考えています。」

    「データセンターでは膨大な電力が消費されますが、このバッテリーは非常に重要な役割を果たしています。この会社が大量生産ができるようになれば、非常に大きなチャンスを得ることができるでしょう。個人的には、韓国にこのような会社がたくさん出てくるべきだと思います。各分野に隠れた人材がたくさんいると思っています。AIに莫大な資金が注ぎ込まれる世の中では、よく準備された企業が成長のチャンスを得ることができるでしょう。」

    「私たちは単にバッテリー会社として投資しましたが、AIの世界に目を向けると、その可能性がどれほど大きいかを再認識することができます。」

    「もう一つの会社は、韓国の会社ではありませんが、Mythic(ミティック)というアナログ方式のAI演算チップ会社です。従来のAI演算チップに比べて消費電力が100分の1に過ぎません。その理由は、デジタルではなくアナログ方式を使うためです。全く新しい方法でAIコンピューティングを試みる会社です。最近、エリック・シュミットがスタンフォード大学の講演でこうした話をしました。」

    「今、Google(グーグル)、Microsoft(マイクロソフト)、OpenAI(オープンAI)、数百億円、数十億円、さらにはサム・アルトマンは、自分たちが実装したいAIが完成するためには、これから本当に20兆円から300兆程度はもっと投資が必要になると話していましたが、結局、このボトルネックの果ては電気であり、電気が今不足しているので、カナダで余った電気を持ってくるためにカナダ政府と話合っています。 STANDARD ENERGYにしろ、Mythicにしろ、この電力を効率化し、演算に必要な電気を減らせるようなテクノロジー企業が出てくれば、おそらく大きなチャンスが生まれると思います。」

    「最終的にはパーセプション、レコグニション、アクチュエーター、そしてその基盤となるインフラストラクチャー。今後2030年までは、SBVAもほとんどのポートフォリオをこのように埋める必要があるのではないでしょうか。未来を予測するのは簡単ではありません。 AI革命の時代を生きている。状況がこのように変わる時代であることは、大きな祝福である。うまく生かしてみましょう。」