INNOFORESTでは、データで捉えられる「トレンド」を見て、そのトレンドと関連しているスタートアップも定期的に紹介しています。
今回のコンテンツは今年を熱く甘くした抹茶熱風に関連し、恩恵を受けたスタートアップを紹介します。

🍵最もアツい緑のトレンド、「抹茶」

韓国では、今年「抹茶」が食品分野のみに留まらず美容、ファッションに至るまで、産業全体で強力なトレンドを形成し、1年をリードしました。実際にGoogle トレンドによると、昨年12月を起点に2025年の1年間「抹茶」関連検索語は着実に右肩上がりの成長傾向を記録し、そのグローバルな波及力を立証しました。

抹茶ブームが広まった背景として、「セレブリティ(Celebrity)」、「ショートフォームSNS(Short-Form SNS)」、「ウェルネス(Wellness)」の3つの重要な要素の組み合わせが、強力な相乗効果を発生させたと分析されています。有名人がショートコンテンツを通じて自分だけの個性的なライフスタイルを共有した際の、抹茶の濃い緑色抹茶を立てる作法的な過程が持つ視覚的・映像的な刺激が大衆の注目を集め、高い波及力を得る核心要素として作用したようです。

これらのコンテンツは特にZ世代を中心に活発に消費されました。インフルエンサーの消費を追う「Ditto(ディット)消費」というここ数年間の主要消費トレンドに支えられ、抹茶の人気は今年最高潮を迎えました。抹茶が「Ditto消費」の核心ターゲットテーマとして位置づけられ、「抹茶」「抹茶粉末」「抹茶デザート」など関連キーワードが一斉に急成長し、有名F&Bブランドも市場先取りのため抹茶を活用した新製品を競争的に発売する様相を見せました。これにより、様々な抹茶新製品とともに関連ミーム(meme)も登場し、大きな話題となりました。

抹茶コンセプト新製品と関連ミーム

🌟抹茶ブームに乗ったスタートアップ

実際、米国では今年5月末、抹茶ブームに支えられて大きく成長した米国のカフェスタートアップ「Blank Street(ブランクストリート)」がシリーズBラウンドで2,500万ドル(約38.7億円)の資金調達を行いました。ウォールストリートジャーナルは「Blank Streetは、Sephora(セフォラ)、STANLEY(スタンレー)などと同様に、10代の顧客により、大きな文化的影響力を得たブランド」とし、同社の企業価値を5億ドル(約772億円)と紹介しました。

📈抹茶ブームで取引額が上昇中のスタートアップ3選

*紹介企業の順番はハングル順です。

INNOFORESTに登録されたスタートアップの中でも、このような抹茶ブームの恩恵を受けた企業があります。データを分析してみると、今年1年、抹茶に関するスタートアップの中で取引額が大きく上昇した企業を確認することができました。
 

  • 茶&茶器ブランド「Magpie&Tiger(マッパイ&タイガー)」を運営するスタートアップmaginot(マジノ)
  • 植物性タンパク質レトルト食品ブランド「garumaster(カルマスター)」を運営するHumeal(ヒュミル)
  • オーガニック抹茶ブランド「SUPER MATCHA(スーパーマッチャ)」を運営するスタートアップHIT THE TEA(ヒットザティー)

<左>HIT THE TEA(SUPER MATCHA)とCJ CheilJedang(CJ第一製糖)協業商品、<右>maginot(Magpie&Tiger)の新沙洞(シンサドン)ショールーム

これらの企業は全体的に今年取引額が上昇する流れを見せています。INNOFORESTデータから、これらの会社の消費者構成を見ると、SUPER MATCHAは主に20・30代の1人暮らし男性が購入し、maginotは主に30代の1人暮らし女性Humealの製品は子供を持つ40代女性が主な利用層であると分析されます。同じ「抹茶」でありつつも、別々のターゲットを対象にこれら3つの抹茶関連スタートアップはすべて着実な売上成長を続けています。

1.maginot [もっと見る]

企業名をクリックするとINNOFORESTの閲覧可能企業数が差し引かれ、maginotの詳細データを確認できます。

[企業概要]
茶・茶器ブランド「Magpie&Tiger」を運営

[資金調達]
投資段階と調達額:Seed、金額非公開(2019年)
投資会社 :The Yoonmin Foundation(ユンミン創意投資財団)

maginotの3年のコア成長指標の推移

2.Humeal[もっと見る]

企業名をクリックするとINNOFORESTの閲覧可能企業数が差し引かれ、Humealの詳細データを確認できます。

[企業紹介]
植物性タンパク質便宜食品ブランド「garumaster 」を運営

[資金調達]
投資段階と調達額:投資段階非公開、20億ウォン(約2.1億円)
投資会社 :CJ Investment(CJインベストメント)、EAST GATE PARTNERS(東門パートナーズ)

Humealの3年の重要な成長指標の推移

3.HIT THE TEA[もっと見る]

企業名をクリックするとINNOFORESTの閲覧可能企業数が差し引かれ、HIT THE TEAの詳細データを確認できます。

[企業紹介]
ティーブランド「SUPER MATCHA」を運営する企業
CJ CheilJedang(CJ第一製糖)とコラボレーションし、抹茶たい焼きや抹茶ホットク(韓国式おやき)を発売

[資金調達]
投資段階と調達額:Pre-A、9億ウォン(約9500万円)(2019年)
投資会社 :MICHIGAN VENTURE CAPITAL(ミシガンベンチャーキャピタル)、blank Corpolation(ブランクコーポレーション)

HIT THE TEA(SUPER MATCHA)の直近3年間のコア成長指標

今回は、成長中の抹茶関連スタートアップについて簡単に見ていきました。
このコンテンツに登場する企業の詳細なデータを確認したい場合は、
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原文:https://www.innoforest.co.kr/report/NS00000426

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