韓国で働く日本人はもちろん、既に日本人を採用されている企業にお話を伺うインタビュー記事!
第4弾は4月に行ったリクルーティングカーニバルにも参加された、日本でも大人気のパーソナルケアブランド「Biodance(バイオダンス)」を運営するBeauty Selection!
今回はBeauty Selectionで働くユキカさん、そしてHR担当者であるボギョンさんにお話を伺ってきました。
まずはグローバルチームでRegional Managerとして働く日本人、ユキカさんにお話を伺っていきます!

Q. まずは韓国に来たきっかけを教えてください。
小学生の頃から東方神起を始めとするK-POPが好きで、中学生から独学で韓国語を勉強していました。私が高校生の時は大学進学で韓国に行くというのがまだ珍しいことだったので、大学は日本で日本語教育の学部を出て、大学院への進学準備中にタイミング良く政府奨学金の制度に受かって、2020年に韓国の大学院に進学するために韓国に来ました。
Q. そのまま韓国で働くことを決めた理由は何ですか?
大学院では韓国語教育について勉強していたし、韓国にずっと住みたいとは思っていなかったこともあり、日本に戻って働くことを考えていました。でも日本で就活をするためには頻繁に日韓を行き来しないといけないのに、ちょうどコロナ禍だったのでそれもできず…それで韓国で就職することにしました。働いてみたら韓国は意思決定も早いし、人も温かくて、個人主義じゃないとか、働く環境が結構自分に合っているなと思って働き続けています。
Q. 今までのビザ遍歴と転職経験を教えてください!
最初はD-2で、今はE-7ビザです。今の会社は2社目なんですが、最初の会社でE-7ビザを取得しました。院を出ると専攻に関係なく就職できるので、そういう意味ではビザは取りやすい方だったと思います。最初の会社は大学院卒業直前に行った外国人就職博覧会で見つけました。ファッション系の企業で国内のデザイナーブランドの日本チームとして入社したんですが、結局は国内チームで働くことに…国内チームで働くのが楽しくなかったわけではないんですが、「私のアイデンティティって何だろう」と思うようになって、「日本人としての知識を活かしたい」「日本担当として働きたい」と転職を決意しました。今の会社に入る時にはすでにE-7ビザがあったので、※1「勤務地変更」の手続きだけで済みました。やる前は勤務地変更の手続きをやったことある人が周りに全然いなかったので心配だったんですが、勤務地変更は「許可をもらう」のではなく「申告」なので、すでにE-7を持っていれば全然難しくないはずです。勤務地変更の手続きが難しそうとかで転職を躊躇している方がいたら、心配するような難しい手続きはないですよってお伝えしたいです。
※1「勤務地変更」の手続きでE7ビザを保持できるかどうかの条件及び手続きについては1345外国人総合案内センターに確認して下さい。

Q. 今の会社はどうやって見つけましたか?またこの会社に応募した理由はなんですか?
最初は前の会社で働いている時に、日本人を募集してるよって紹介してもらって今の会社を知りました。その時はブランドも知らなかったんですが、どんな商品があるのかなどを調べて実際に買って使ってみたら商品もすごく良くて。もしこの会社に入社したら自分は売る側になるので、商品を使った時に「ここなら自信を持って商品を売れる!」と思えたのでエントリーしました。実は紹介してくれた方も今同じ会社で働いています(笑)
Q.今はどういったお仕事をされていますか?
日本チームの中でQoo10を担当していて、Qoo10のチャンネル運営とマーケティング全般(インフルエンサーマーケティングなど)を担当しています。
チャンネルで担当が分かれていて、もう一人のチャンネル担当者が楽天とAmazonを担当しています。今は各チャンネルの担当者がやりたいマーケティング施策を考えて各自マーケティングまで行っているんですが、売り上げも規模も大きくなっていく中でチャンネル担当者が一人で全部行えなくなってきたので、チャンネル担当ごとではなく、包括的にできるマーケティング担当者がいた方が良いよねという話しになってマーケティングのポジションを採用することになりました。
Q. 現在のポジションとご自身の経歴に関連性はありますか?
一つ前の仕事とはオンラインMDというところは共有している部分だと思います。商品のセットを作ったり、商品の登録をしたり、いろんなイベントを作るといった大きな枠は同じなので経験として活かされていると思います。違う所は、消費者が韓国人なのか日本人なのかってところです。韓国の人は派手なマーケティングを好む傾向があるけれど、日本人は単語一つひとつに敏感だし、買う時もインスタもアットコスメもX(旧Twitter)も全部見て熟考してから買うので、そういった消費者の特徴の違いは最初にすごい勉強しましたし、今も勉強中です。
あとはMDをしていると他社の商品のリサーチも重要なので、リサーチする力っていうのは前職で鍛えて今も活かされていると思います。マーケティングは今の会社で初めて経験しました。
Q. マーケティングをやってみてどうでしたか?
マーケティングって対人的なものが多いと思うので、そこに向き不向きがあるかなって思います。インフルエンサーの方に案件をお願いしてやってもらうだけでなく、今後も良い関係を続けていけるような努力が必要だと思います。良い関係を築いていくことで良いコンテンツができたり、商品の印象が良くなったりもするので。専門知識がなくてもいい、誰でも出来ると思われがちなポジションですが、ブランドのイメージを背負っている責任あるポジションだと日々思っています。

Q. 就職活動中はどんな準備をされましたか?
自己紹介書は日本にはないので、インターネットで書き方を検索したりして頑張って書きました。会社ごとに書く内容を変えたり。面接の準備も結構しました。日本について聞かれることが多いのに、韓国に興味のある人って日本のことをあまり知らないことが多いので、面接前に日本の消費者の行動パターンとか、日本の流行とかを調べていきました。あとは韓国と日本の違い、担当するQoo10とかAmazonがどういうチャンネルでどういう商品があるのか、韓国ブランドたちが日本人向けに行っているSNSが韓国人向けのSNSとどういった違いがあるのかなども調べていきました。企業研究はもちろんですが、入ってから自分ができることは何かっていうのを考えて準備をしていました。
Q.チームの構成を教えてください。
日本人は私を含めて3人です。インターン1人、B2B営業に1人います。皆同じチームで働いていて、日本チーム全体では7人です。同じチームの韓国人の方は皆日本語ペラペラです。
Q.仕事をする上で、どのくらい韓国語を使っていますか?
会議やメッセンジャーは韓国語で、日常会話は日本語と韓国語ごちゃ混ぜで話しています。割合としては韓国語7、日本語3くらいです。
Q.日本人として韓国企業で働くことの難しさは何ですか?
他のチーム、部署の方とやりとりする事が多いんですが、他部署の方々は日本について何も知らないので、何か説明したり説得しなくてはいけない時は、日本の文化はこうなんですという所から始めなければいけないのが大変であり、難しいなぁと思います。あとは、日本はどう?と聞かれた時に自分が答えたことが「日本代表意見」になってしまうので、簡単に答えられないというか、責任を持って答えるようにしています。
Q.日本人社員からみた会社の雰囲気は?
日本の会社で働いた事がないので、日本の会社と比較はできないですが、前の会社と比べて他部署と交流する時間を人事チームが作ってくれるなぁと思いました。ランダムで組まれたメンバーとお昼を食べにいくというイベントがあるんですが、その時はお昼休憩が2時間なので今まで話した事ない人たちと仲良くなれるのがとても良いです。
Slackとかでも明るい雰囲気で、誰かが何かをしたことに対してみんなで反応して、みんなで頑張ろう!という雰囲気です。
化粧品会社出身の方だけじゃないんですが、好きじゃないと続かないと思うので、やっぱり化粧品に興味ある人が多いとは思います。他ブランドとかでも情報共有したりしてます。

Q.仕事をしていく上でのモチベーションは何ですか?
私が入った時は商品がQoo10に入りたてで、これから日本で本格的にやっていくというタイミングだったので、大きい成長を自分たちで作り上げているという達成感を感じながら働いています。日本にいないのであまり実感はないのですが、「日本ですごい流行っているよ」「TVで紹介されてたよ」「芸能人が使ってたよ!」って友達に言われたりすると、「頑張ったな、この1年…」と思うと同時に、もっと一緒に成長していきたいなって思います。
Q.一緒に働きたい人材像はありますか?
日本人に限らず、うちの会社に合っているのは積極的に意見を出して話し合いができるポジティブな方だと思います。日本人に限っては、言語を理由に挑戦を諦めない方だと良いなと思います。「韓国語ができるからできる仕事だ」と諦めたり「韓国語が上手じゃないからできないです」と挑戦しようとしない方は、本人が諦めているのでこちらとしてもしてあげれる事がないなと思ってしまうので。言語を理由にしない人だと良いなと思います。
Q.積極的に意見を出す雰囲気にすぐ馴染めましたか?
最初は難しかったし、ずっと上司に言われていました。日本に留学経験のある韓国人の方も日本人っぽく遠回しに言ったり、あまりハッキリと意見を言えなくなちゃうのか、チーム全体がそういう雰囲気だったので、上司から「もっと意見を言った方がいい」と言われ続けて、みんなが意見を出せるようになりました。いざ意見を出してみると、「それはダメ」とか否定される事がなくて「一緒に考えよう」と言ってくださるのでもっと言いやすくなりました。

Q.韓国で就職・転職に臨む日本人の方にアドバイスをお願いします。
ここで働きながらインターンの面接をみることが何回かあったんですが、いつも思うのは、昔の自分も含めてみんな、自信がないんですよね。言語的にもそうですし、「今までこれしかやっていない」という言い方も、態度からも自信がないのが伝わってきてしまうんです。韓国の方ってスペックの高い方が多いから、そういう方をみてると自信がなくなってしまうのも分かるんですが、韓国では「こんな事できます」というようなポジティブなアピールや自信を表すのが重要だなと思います。言語的にも難しいことがいっぱいあるけれど、働いていれば慣れるし、そこは心配しなくていいし、外国人として外国に住んでるって事がプラスになると思うので、自分のいいところをちゃんと見つけて、それをきちんと面接官にアピールすると良いと思います!
今このインタビューを読んでいる方はすごく真剣に就職や転職のことを考えて、悩んでいる方だと思うので、そういう方はきっと良い会社に出会えると思います。
Q.最後に、面接官としてアドバイスできる事があればお願いします!
今から準備した方がいいと思うのは、韓国で日本人が働くとなると、大体が日本関係の仕事になると思うんですが、韓国に住みたい人って結構日本のことについて知らない人が多いなと感じるので、日本のコンテンツを見るとか、ドラマも見るとか、難しいことじゃなくていいので、日本についてちゃんと興味を持つことが大事だと思います。
あとは会社についてよく勉強することです。面接していると、どこでもいいから韓国の会社に入りたいという方が多くて、ブランドについてよく知らないとかSNSを一回も見たことないって人が結構多いです。なので、面接前にきちんとその会社を知ることが大事です。
新卒やインターンの場合は、職歴がなかったとしても、バイトやサークルなど、自分が一生懸命やってきたことから自分のアピールポイントを見つけて話したり、韓国生活が短いからこそ日本人らしさ、日本人の感覚をアピールするなど、方法はいっぱいあると思うので、頑張ってください!

Beauty Selectionで働く日本人、ユキカさんへのインタビューいかがでしたか?
ファッション業界からビューティー業界に転職したユキカさん。転職前に「もしこの会社で働くことになったら?」を基準に企業研究を行った内容がとても印象的でした!
どうやって企業研究を行うべきか悩んでいた方はぜひ参考にしてみてください。
次回はHR担当のボギョンさんへのインタビューをお届けします!お楽しみに~!
※本記事は株式会社Wantedにより提供されました。