目次
韓国と日本での日常生活
学生時代と比べて気持ちの違いはありますか?
基本的にはあまり変わっていないと感じています。
どちらが良かったというのも特になくて、学生時代はお金がどんどん減っていくことがプレッシャーでしたし、逆に働き始めてからは朝起きてやらなきゃいけないことを考えるとちょっと胃が痛くなることもあります。
でも、今は仕事自体がすごく前向きなものに感じられています。
多分その理由は、自分が韓国人として韓国の会社に入るつもりで働いているのではなく、「自分は外国人である」ということを忘れないようにしているからだと思います。
韓国語がわからなくて落ち込んだり、文化の違いに戸惑ったりするのは、「自分も他の韓国人と同じようにできるはず」と思ってしまうからで、最初から外国人だと思っていれば、必要以上に人と比べずに済むんですよね。
もちろん、仕事をするうえである程度のレベルは求められますが、ネイティブと全く同じになる必要はないと思っています。
韓国の会社が私のような日本人を採用したのは、その人が「日本人としての強み」を持っているからで、私の場合は日本向けに商品やサービスを紹介できることが強みだと思っています。
だからこそ、韓国企業に入ったとしても、自分の役割を忘れずにいることが何より大切だと感じています。
これは韓国に限らず、自分が生まれ育った場所以外の文化圏で働くうえで非常に大切なことだと思います。
「ギャップがある」と感じるのは、自分の中に理想があって、それとの違いを意識しているからで、そうしたギャップに苦しみすぎないためには、目標や理想を明確にしつつ、自分とかけ離れすぎた理想を追いすぎないことが大事だと思います。
日本に帰国したときに必ず買うものはありますか?
日本に帰国したときは、必ず買うものが2つあります。
1つ目は目薬です。
韓国では日本のような形状の目薬があまり売られていなくて、病院で処方されるような一回使い切りタイプが主流です。
日本の目薬のようにスーッとした爽快感があるものは、やっぱり日本ならではだと思います。
旅行で日本に来た韓国の方が目薬を大量に買っているのもよく見かけますし、人気アイテムですね。

爽快感が韓国でも人気の日本の目薬
2つ目はふりかけです。
ふりかけって本当にすごいと思うんです。
最近は高級ふりかけもありますが、スーパーで120円くらいで売っている普通のものでも種類が豊富で、おいしくて飽きずに食べられます。
会社におにぎりを持って行くことが多いんですが、ふりかけがあるだけで一気に完成度が上がって重宝しています。
毎回帰国するたびに2,000円分くらいまとめ買いして、半年くらいかけて使っています。

山口さんのお気に入りふりかけシリーズ
韓国に行って必ずやることはありますか?
スンデが大好物なので、スンデクッパを必ず食べます。
韓国の家の近くに24時間営業しているスンデ屋さんがあるので、よく通っています。

クッパになると見た目のハードルも下がるかも?!
日本でもスンデクッパが食べられたらいいんですけど、やっぱり本場とは違いますね。
食べ慣れない方もいるかもしれませんが、基本的にどこで食べてもおいしいので、韓国に来たらぜひ試してみてほしいです。
日本のいいところ、韓国のいいところは?
日本については、自分の生まれ育った国なので、「ここがいい」と明確に挙げるのが難しいです。
普通に住んでいる場所、という感じですね。
韓国については、さっき話したスンデをはじめとした食べ物がおいしいのと、「市場」があるのがいいですね。
日本、特に東京にはあの雰囲気の市場は少ないですし、野菜や果物、乾物、おかず、花、服など、何でも揃います。季節ごとに旬の食材が出てくるのも楽しくて、特に買いたいものがなくてもついふらっと見に行ってしまいます。
そのうえ市場ごとにおいしい屋台もあるので、すごく魅力的です。

観光客にも人気だが、多くの韓国人の生活にも欠かせない市場
あと、韓国の田舎も好きです。
韓国に来て3年くらい経つんですが、国内旅行も何度かして、田舎に行くと独特の良さを感じます。
韓国の田舎は、まさに想像通りの田舎という感じで、バスが2時間後にしか来なかったり、タクシーが全然走っていなかったりして。
そんな場所で、言葉の違いを感じたり、市場で元気に働いているお年寄りを見るのが本当に面白いです。
仕事上、都市に住む必要はありますが、だからこそ田舎に行くと心が穏やかになって、すごく安心できるのかもしれません。
最後に、KORITの読者の方へメッセージをお願いします。
この記事を読んでくださっている方の中にはかつての自分のように、海外での生活に憧れている方や、私と同じようにすでに韓国で働いている方など、いろんな方がいらっしゃると思います。
中には、海外での生活にギャップを感じて、少し疲れてしまっている方もいるかもしれません。
長く海外に住んでいても、やはりそこで生まれ育った人たちとの間には、言語の壁や文化的な違いを感じて、難しいと思うことがあると思います。
でも、私は実際に違う文化圏で働いてみたからこそ、経験できたことがたくさんありました。
うまくいったことも、苦労したことも、すべてが必ずその後の人生に役立つと信じています。
皆さんも、ぜひ自分だけのアイデンティティを大切にしながら、それぞれの目標に向かって頑張ってほしいと思います。
Setoworks 山口智幸 (https://jp.setoworks.com/)
日本生まれ、日本で経済学部を卒業し就職。法人営業を中心に様々な業種での勤務経験を持つ。
コロナ禍に韓国での語学堂留学をスタートし、その後株式会社Setworksに就職。
日本と韓国を行き来しながら企業の海外展開を支援している。
日本での社会人経験を経て、韓国での語学留学・就職を経験した山口さん。
元々海外で働きたいという気持ちが強かったこともあったからか、日本との違いや慣れない環境に対しても「楽しかった」とお話しされている姿が印象的でした。
韓国をはじめとする海外での就職や留学を考えている方はぜひ参考にしてみてください!
次回記事も現在準備中ですので、更新をお楽しみに📩