コロナ渦の語学堂生活から、韓国で新たなキャリアへ
自己紹介
株式会社Setoworksで日本戦略事業チームの次長を務めております、山口智幸(やまぐちともゆき)と申します。
日本で生まれ育ち、日本の大学で経済学部を卒業しました。
卒業後は、日本の証券系の会社や自動車のエンジンの会社で法人営業を経験し、その後は個人事業主として働いたりもしていました。
韓国との関わりと言えば、大学のとき韓国で飲食店をやっている友達がいて、その関係でよく遊びに行っていたぐらいで、特に思い入れがある国というわけではなかったんです。友達の友達といった形で韓国人の友達もできましたが、当時韓国語は全くできなくて友達とは英語で話していました。
そんな私でしたが、2022年の3月からソウルの語学堂に留学しました。
韓国に行くことになったのは本当にたまたまで、正直韓国にこだわっていたわけではなかったんです。
昔から外国に住みたい!という気持ちはあって、実際にどこに行くか決めるタイミングでコロナが流行りだしたので、時差もなく距離も近くて日本に帰ってきやすい韓国に行くことにしました。
語学堂での生活
語学堂というのは、韓国語を学ぶための学校なんですが、そこで勉強を始める前は自分の名前すら書けない、読めない状態でした。
語学堂には1級から4級まで1年間かけて通いましたが、入国後のPCR検査で陽性が出てパニックになったり、最初の半年ぐらいはzoomでの授業で誰とも会えない状態だったり、家も学校からの距離を考えずに借りてしまい、片道1時間半かけて通う羽目になったり不便なことも多かったです。
でも、今振り返ってみれば学校の近くに住むよりは外国に住んでる感じがして、そこに住んだからこそその地域を楽しむことも出来てよかったと思っています。
韓国語の勉強をちゃんとしたのは語学堂にいる1年だけで、その間も授業を必死に聞くというよりは、以前からの韓国人の友達と会って喋るようにしてました。
個人的には授業だけで学ぶよりは、実際に話した方が身についたような気がします。
韓国で初めての就職活動?
語学堂での生活を終えて、「このまま日本に帰るのは惜しいな」と思ったんです。
就職できるかどうかはわからなかったけど、年齢的に海外で働くという目標を果たせる機会はそう多くないと思っていましたし、ひとまずやってみようと思って求職サイトに登録して就活を始めました。
日本で働いた経験はあったんですけど、いわゆる「就職活動」をちゃんとやったことがなかったんですよね。だから、韓国での就活が人生初にして最後の「就活」でした。
韓国の就活って、全部オンラインで完結するんです。
履歴書や職務経歴書を一度登録すれば、会社ごとに特別な準備が必要な場合を除いて、そのままいろんな企業に使い回せる仕組みなんです。なので準備することはそんなに多くなかったと思います。
そんなこんなで初の就活は思ってたよりも早く、今の会社の面接を受けることができて、あっという間に終わりました。

出勤時に通る石垣が特徴的なソンヌン周辺
日本と違う「配属」の考え方
韓国の企業って、大企業を除けば「この人はこういうスキルがあるからこのチームに入ってもらおう」と、明確に配属先を考えたうえで採用する傾向が強いんです。
新卒の場合日本だと、4月に入社して1〜2ヶ月くらい新入社員研修があって、そこから配属先が決まるじゃないですか。
でも韓国は最初から「ここに入れる」と決めて採用して、入社したらすぐに実務に入ることが多いです。
なので、就職を考えている人へのアドバイスをするとすれば、ただ「働きたい!」だけではなく、「今までこういうことをやってきたけど、次はこういうことに挑戦したい」という話を、より具体的にできるかどうかが大事だと思います。
私の場合、韓国企業は初めてでしたが、それまでに日本で2社、BtoB営業を10年ほどやってきた経験があります。
だから企業側からすると、「営業経験があるなら、このチームでこういう業務に就いてもらおう」とすぐに想像がつくんですよね。でも、語学堂で韓国語が話せるようになったとしても、大学を卒業したばかりだったり、インターンなどの経験もなければ、「この人をなぜ採るのか?」という決め手がなくなってしまうんです。
なので、まったく同じ業務経験でなくても、「何か仕事の経験がある」こと自体が有利になると思います。
会社によって求めるものは違う
就活を始めてすぐに求職サイトでウェブ相談をしてもらったときに、「TOPIK4級ぐらいの語学力の人は山ほどいるから、正直厳しいかもしれないですね」って言われたのを覚えてます。
実際私が今いる会社には色んな国籍の人がいますが、みんな本当に韓国語が上手で、私が一番下手かもしれません。
それでも、日本向けの営業やマーケティング経験という強みがあれば、語学力が完璧じゃなくてもかなり評価されます。
語学力の重要度はその会社や業務内容によってもによって違ってきますが、それよりは業務としてどんなことが出来るかという点がやはり重要なんだと思います。
一方で、日本語ネイティブであることはすごく大きな強みになると思います。私も今は日本人ならではの仕事を任されています。
もちろん韓国人に限らず、外国人で日本語が上手な人もたくさんいますが、「赤羽ってどんな場所?」とか「神戸の駅前ってどんな感じ?」みたいな話になると、実際に住んだことがある人じゃないとわからない部分ってありますよね。
そういった知識や感覚は、やはりネイティブならではの強みだと思います。
理想がある場合は慎重に
私自身は「どんな仕事でもいいからやってみたい」というスタンスだったので、わりと柔軟に構えて就職活動をしていました。
そのお陰もあって、想定したよりも早く就職が決まったんだと思います。
でも「これがやりたい」「この職種じゃないと嫌だ」という理想が強い人にとっては、韓国での就活はちょっと難しい部分もあるかもしれません。
ただ、日本企業と比べて韓国の企業は、中国や台湾、日本向けの市場を最初から狙って商品開発をしている会社が多いです。特に化粧品や雑貨などでは、7,8割程度の企業がそのような考えを持っていますし、国内市場がまだ充実していなくても、積極的に海外へ展開する傾向がかなり強いです。なので、「日本語ネイティブ」はもちろん「日本でのビジネス経験」は、かなりプラスになると思います。
韓国市場の就活事情をよく知って、みなさんが持っている強みをうまく生かして頑張っていただきたいなと思います。
第二弾は山口さんの勤めるSetoworksでのお仕事について紹介👩💻
更新をお楽しみに!