K-IPOレポート Vol.1｜動画コンテンツの差別化を実現する「4by4」

「K-IPOレポート～会計士のぶはらが現地から韓国IPO情報を発信」では、会計士申原侑祐が、現地韓国から韓国の最新IPO情報をお伝えしています。

Vol.1　動画コンテンツの差別化を実現する、4by4 

今年、4月28日にKOSDAQ上場したフォーバイフォー(4by4)という会社についてご紹介致します。

【会社概要】

(参考：韓国取引所電子開示システム、金融監督院電子開示システム)

設立日が2017年8月ですので、設立から5年程度で上場しています。

フォーバイフォーは、OLED 8Kのデモ映像製作などで技術力が認められ、VFX(Visual Effects)基盤の映像画質改善ソリューション「PIXELL」の開発と超高画質映像プラットホーム「Keycut Stock(https://www.keycutstock.com/kr/)」を通した動画コンテンツの販売で成長した会社とのことです。

取引先には、家電、ディスプレイ企業（サムスン、LG等）や広告代理店（第一企画等）、グローバルテーマパークの運営会社や地方自治体などがあるようです。

【財務情報】

続いて直近の財務状態、業績の推移です。

 (参考：韓国取引所電子開示システム、金融監督院電子開示システム)

2021年には、190億ウォン程度の増資を行っており、CASH（流動資産）及び純資産が大きく増加しています。

また転換社債の権利行使等により、固定負債は減少しています。

(参考：韓国取引所電子開示システム、金融監督院電子開示システム)

売上も毎年順調に増加しており、2020年及び2021年の営業利益は、前期比で1.9倍、2.7倍の増加となっています。

【過去の資本取引】

データが限られているため、2021年12月期の監査報告書の注記事項を元に次の通り推定しました。

株価は、資本金等の増加額を株式で除算して算定しました。

（）内の数字は、2021年8月19日の株式分割を考慮した場合の株価となります。

2021年11月18日に実施した株価(推定)を元に会社の価値を算定すると788億ウォンとなります。

【株主の状況】

2021年12月31日時点の株主構成は次の通りです。

創業者のユン・ジュノ代表が33％所有しており、10％未満で様々なVC等が株式を所有している株主構成となっております。

第3位には、アイドルグループのTWICEの所属先であるJYPエンターテイメントという芸能事務所も株式を所有しています。

(参考：金融監督院電子開示システム)

【上場時公募情報及び上場後の株価の推移】

上場後の株価の推移ですが、上場初日の終値が一番高く、そこから下落傾向にあります。また時価総額で比べると上場時の4月28日の時価総額は、4,519億ウォンでしたが、直近の6月10日の時価総額は、2,290億ウォンとなります(プレIPO時の推定額は788億ウォン)。

最近は、韓国全体としても株価が下降傾向ですので、この時期を乗り越え、今後の成長に期待したいですね！！

上場おめでとうございます！！

■著者PROFILE

申原　侑祐 （のぶはら・ゆうすけ）

 ―日本公認会計士・公認不正検査士 

株式会社スターシアにて、韓国企業の日本子会社を含む日本法人の会計監査、日本企業及び韓国企業に対する財務デューデリジェンス業務やバリュエーション業務、日系企業の韓国進出支援、韓国系企業の日本進出支援、日系企業の韓国拠点に対する不正調査を含む内部監査支援等に従事している。

株式会社スターシアHP：株式会社スターシア (starsia.co.jp) 

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