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【2023年1月にKOSDAQ上場】HANJOO LIGHT METAL|K-IPOレポート~会計士のぶはらが現地から韓国IPO情報を発信

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「K-IPOレポート~会計士のぶはらが現地から韓国IPO情報を発信」では、会計士申原侑祐が、現地韓国から韓国の最新IPO情報をお伝えしています。  


2023年1月にKOSDAQ上場:HANJOO LIGHT METAL

 2023年1月19日にKOSDAQ上場したHANJOO LIGHT METALという会社についてご紹介致します。

会社概要

(参考:韓国取引所電子開示システム、金融監督院電子開示システム)

 

ハンジュライトメタル社は1987年に設立され、韓国標準産業分類上「アルミニウム鋳物鋳造業」に属する事業を営んでいます。アルミニウム素材の自動車及び船舶部品を生産・販売しており、ハンジュライトメタル社の売上は自動車部品(電気自動車部品を含む)が90%以上を占めています。

未来自動車産業を考慮した軽量化部品、2次電池部品、5G通信中継機関連の高強度アルミニウム部品などの事業を準備しており、2023年1月にKOSDAQ市場に上場しました。

 

財務情報(連結ベース)

続いて直近の財務状態、業績の推移です。

(参考:韓国取引所電子開示システム、金融監督院電子開示システム)

 

過去の資本取引及び株主

上場直前の2022年12月期の監査報告書の注記事項を元に過去の資本取引及び株主について整理しました。

2022年12月期の株主は次の通りです。

*優先株は無議決権であるため、株式数から除外(参考:金融監督院電子開示システム)

 

上場直前の監査報告書上、詳細な株主の記載が行われておりませんでしたが、他の開示資料によると上場直前の最大株主は、25.4%を保有しているユジンエバーベストPEF(※)でした。

関連記事を確認したところ、HANJOO LIGHT METALが限界企業の状態だった時期(2017年~2018年)に、ユジンエバーベストPEFが投資し、構造調整などを通して5年後に上場させたとのことです。普通株への投資29億ウォン、転換社債への投資70億ウォンを行ったとのことです。

その後も優先株に20億ウォン追加投資、代表理事等への譲渡などを行った後、最終的な先行投資分は、70億ウォン分程度残ったようです。上場公募価格である3,100ウォンで保有持分の価値を計算すると、118億ウォンとなり、上場時の売却で先行投資分は全て回収し、その後も約7.8%は保有し続けるとのことです。

  • ユジンエバーベストPEFは、限界企業に投資し、構造調整などを経て成長させるPE・ファンド

 

上場時公募情報及び上場後の株価、時価総額の推移 

(参考:韓国取引所電子開示システム) 

 

公募価額ベースでは、約600億ウォンの時価総額でしたが、上場日の終値では、1,000億ウォンを突破しました。4月中旬ごろには、約1,500億ウォンまで上昇し、現在は、1,000億ウォン程度の時価総額となっております。4月中旬ごろにちょうど優先株による増資を実施したようなので、4月中旬ごろの株価の上昇に影響していそうです。

2023年3月末(1Q)は営業赤字となっておりましたが、2Q以降の巻き返しに期待したいですね。


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■著者PROFILE

申原 侑祐 (のぶはら・ゆうすけ)

 ―日本公認会計士・公認不正検査士 

株式会社スターシアにて、韓国企業の日本子会社を含む日本法人の会計監査、日本企業及び韓国企業に対する財務デューデリジェンス業務やバリュエーション業務、日系企業の韓国進出支援、韓国系企業の日本進出支援、日系企業の韓国拠点に対する不正調査を含む内部監査支援等に従事している。

株式会社スターシアHP:株式会社スターシア (starsia.co.jp) 

/media/株式会社スターシア
記事を書いた人
株式会社スターシア

日本企業の韓国進出・韓国企業の日本進出を支援する会計事務所系コンサルティング会社です。現地拠点の会計税務やクロスボーダーM&Aなどの各種業務にも対応しています。

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