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【1月資金調達現況】韓国スタートアップレシピ:ソフトウェア分野|月間スタートアップレシピ

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この記事は、韓国のスタートアップメディア「startuprecipe(스타트업 레시피)」が発行する「月間スタートアップレシピ(월간 스타트업 레시피)」の情報をもとに、資金調達状況や動向を掲載し、企業情報を紹介しています。

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ソフトウェア分野:2024年1月資金調達現況

rebellions(リベリオン)

1,650億ウォンの大規模資金調達、次世代AI半導体REBELの開発加速化へ

AI半導体スタートアップのrebellions(リベリオン)が韓国内外の投資会社から1,650億ウォン(約186億1,400万円)の大規模資金調達をした。韓国の半導体スタートアップの中で、最も多い調達額で、累積投資金は2,800億ウォン(約315億8,800万円)台だ。rebellionsは、IBM、ARM、Intelなどの外資系企業を経験したエンジニアで構成された企業で、NVIDIA(エンビディア)に代わる韓国企業として注目されている。rebellionsは今回の資金調達を基に、超巨大言語モデル(LLM)を念頭に置いてサムスン電子と共同開発中の次世代AI半導体REBEL(リベル)の開発に拍車をかける予定だ。また、今年量産を開始するデータセンター用AI半導体ATOM(アトム)の韓国内外の顧客確保にも本格的に取り組む予定だ。


Mainline(メインライン)

270億ウォンの資金調達、新事業と研究開発に活用予定

IDP専門企業のMainline(メインライン)が270億ウォン(約30億4,500万円)の資金を調達した。同社の主力技術であるIDP(Intelligent Document Processing ; 知能型文書処理)は、マシンラーニング(ML)、自然言語処理(NLP)などのAI技術などを活用し、文書のテキストや画像・数式など様々な情報をデジタルで認識・分類・抽出・分析し、知能型文書処理で手続きを自動化・効率化する。主な事業分野は、生成型AIを融合したIDP技術で、IDP分野の中で技術難易度が最も高いインシュアテック。すでに大手保険会社10社以上がMainlineのIDPソリューションを導入している。主力製品であるMCPは保険業務の自動化に最適化したソリューションパッケージで、顧客のニーズに応じてモジュール式で構成することができる。今回の調達金は、将来の新事業と研究開発に使用する計画だ。またMainlineは現在、主幹社を選定し、KOSDAQ(コスダック)上場を推進している。


Up stage(アップステージ)

250億ウォンの資金調達、SKネットワークスが支援へ

生成型AIスタートアップのUp stage(アップステージ)がSKネットワークスから250億ウォン(約28億2,100万円)の戦略的資金調達をした。2020年に設立したUp stageは、独自に開発した事前学習大型言語モデル(LLM)ソーラー(Solar)を運営している。Solarは昨年、世界最大のマシンラーニングプラットフォームHugging Face(ハッキングフェイス)が運営するオープンLLMリーダーボードで世界1位になるなど、グローバルAI業界から注目を集めている。Up stageは、大規模言語モデル(LLM)と比較して情報セキュリティと領域別特化などに強みを持つssLLM(small scale LLM)市場で先行する技術力を誇る。今回の資金調達により、投資会社であるSKネットワークスはUp stageのビジネス高度化のための支援に乗り出すとともに、AIエコシステムを進化させ、本社、投資会社全体で事業革新を加速させる計画だ。


mobilint(モビリント)

200億ウォンの資金調達、AI半導体ARIESの量産などに使用予定

AI半導体mobilint(モビリント)が200億ウォン(約22億5,500万円)の資金を調達し、累積投資額300億ウォン(約33億8,300万円)を確保した。2019年に設立したmobilintは、AI半導体設計専門のファブレス企業で、サムスン電子、Google、NVIDIA、Intel、Microsoftなどと共にMLコモンズの設立メンバーとして活動している。今回の投資は、モビリティに携わる人材の能力と検証された市場性などに基づくもので、投資金はAI半導体ARIES(エリス)の量産と次世代チップREGULUS(レギュラス)の開発に使用する予定だ。


42MARU(フォーティートゥーマル)

140億ウォンの資金調達、成長可能性認められる

生成型AIスタートアップである42MARU(フォーティートゥーマル)がLG U+など戦略的投資家から140億ウォン(約15億7,900万円)の資金を調達した。今回の投資は、生成型AIサービス構築に必須要素である検索補強生成(RAG)コンサルティングから巨大言語モデル(LLM)ソリューションの構築まで、ワンストップサービスを提供する会社の成長可能性が認められたことによるものだ。42MARUは、超巨大言語モデルの欠点であるhallucination(幻覚)現象を精度中心の人工知能(AI)読解(MRC)ベースのQA(QuestionAnswering)モデルとエンジニアリングで緩和し、企業用プライベートモードをサポート。企業の内部データと機密性の高い顧客情報の流出を恐れることなく安全にLLMを活用できるようにする。


PYLER(パイラー)

105億ウォンの資金調達、自社モデルの開発力を強化へ

AIデジタル広告ソリューションPYLER(パイラー)が105億ウォン(約11億8,400万円)の資金を調達した。PYLERは、動画広告が掲載されるコンテンツの脈絡をAIで分析するソリューションAiD(エイド)を開発した。成人向け、憎悪誘発、不正行為の誘発などの不適切なコンテンツに広告が露出しないようにするサービスで、広告主のブランドイメージを保護する。広告が掲載されたコンテンツに対してフィルタリングを行い、不適切な広告の露出を即座にブロック。ブランドの脈絡に合った動画とマッチングする。PYLERは今回の投資で自社モデルの開発力を強化し、より多くの顧客を獲得したい考えだ。




/media/KORIT編集部
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KORIT編集部

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