【そのとき投資】TMR Founders、飲食店の問題を解決「し続ける」るために必要なもの
【そのとき投資】TMR Founders、飲食店の問題を解決「し続ける」るために必要なもの
TMR Founders |Capstone Partners(キャプストーンパートナーズ)シン・セミョン審査役
@そのとき投資(私はその時、投資することを決めました)では、現役の投資家がなぜこのスタートアップに投資したのかを共有します。
市場には解決すべき問題が存在する。ある問題を解決することで価値創出しようとする際、ソリューションは、第一に問題の本質を解決することができなければならず、第二に、その問題が解決できる市場を作り、市場原理が機能するようにしなければ、独自の駆動力を持つことはできない。
オフラインビジネスには、上昇する人件費と人材供給の不安定性という共通の課題が存在する。10万坪規模のEコマース物流センターも、会社の隣の飲み屋も、この大きなテーマをベースに事業内の様々な領域で「効率を高める」方法を模索している。その結果、飲食店では直接電話予約を受けることが減り、リアルタイムの予約スケジュールやお店の売上、経費をダッシュボードで確認できるようになり、配達業務のためのスタッフを直接探して雇う必要がなくなった。
韓国国内80万軒の飲食店は、店舗運営のために絶えず人を探し、雇用している。サービスが店舗内の人員を代替するのは、単なる人件費削減にとどまらない変化である。創業5年以内に5軒のうち4軒が閉店する韓国のオフライン飲食店市場において、店舗の運営の安定性は「生計の安定性」であるだけでなく、以前は見る余裕も、考慮する余裕もなかった新しい価値を選択肢へと追加できる。このようなことを考えている中で、TMR Foundersと出会ったのだが、彼らはオフライン飲食店が悩んでいる「本来の」問題を最も早く解決する方法に焦点を当ててサービスを運営していた。
TMR Foundersチーム / TMR Founders提供
本来の問題に重きを置くテーブルオーダー、「TAG HERE」
もちろん、タブレットオーダーを含め、既に多くのテーブルオーダーサービスが存在する。その中で、「TAG HERE(タグヒア)」を運営しているTMR Foundersに投資した理由のいくつかは以下の通りである。飲食店創業と運営コンサルティング事業で培った経験、顧客ベースの意思決定を技術とマーケティングベースのチームが迅速に実現していること、ローンチ後6ヶ月間、急スピードで契約している加盟店、そうした加盟店から愛されていること、そして何よりも飲食店に必要なサービスが生まれていく「プラットフォーム」になるという目標到達点へと共に向かうのが楽しみだという点。
「TAG HERE」はNFCベースのテーブルオーダーソリューションだ。飲食店がサービス導入を決定した際、付加的に設置しなければならないハードウェアや電気配線工事がなく、運営中のA/Sや再設置のための運営費負担がない。また、サービス運営に高価なハードウェアを必要としないため、同社は契約期間や違約金なしのポリシーを運営することができ、飲食店の負担を大幅に軽減している。
飲食店を訪れた客は、テーブルに座ってスマートフォンを紐づけて、ウェブでメニュー表を開く。注文するメニューをカートに入れ、オプションを追加し、注文を行うという、すでに慣れ親しんだプロセスを経て、店員が手伝うことなく、料理の注文を完了する。同じテーブル内の同行者が頼んだメニューはリアルタイムで表示され、別途のログインも必要なく、飲食店での従来の注文プロセス体験を反映している。再びレストラン側の視点に戻すと、顧客が完了した注文履歴は、カウンターとキッチンのPOSシステムにすぐに反映される。
実のところ、顧客に愛されているというのは、曖昧な基準かもしれない。しかし、それがどこから来ているのかを考える必要がある。TAG HEREの場合、本当に痒いところに手が届くサービスであることと、別の痒いところを作らないという点が、愛着の源だと考えられる。TAG HEREサービスを導入した飲食店は、「TAG HEREを導入することで節約した人件費と、確保した運営の安定性」の価値に集中し、他の悩みはなく、効果を実感することができる。
TAG HERE製品画像 /TMR Founders提供
飲食店の「日常」があるプラットフォームへの成長
プラットフォームの理想は遠近をなくすこと、という表現に同意する。今のオフライン飲食店は、運営の効率改善と、付加収益の創出を可能にする様々なフードテックソリューションとすで共にある。ソリューションは、飲食店という一つの市場であり、主体の物理的、概念的に傍に存在し、価値を提供している。
それぞれの領域を担っているソリューションを有機的につなぎ、「市場の変化によって、現場に新たに必要となってくる存在が生まれ続けられる環境」の役割を務める、プラットフォームが必要である。NFCテーブルオーダーソリューション「TAG HERE」を皮切りに、TMR Foundersが店舗の日々に参加する存在同士をつなぐプラットフォームとしての地位を確立することに期待している。
朝鮮日報のニュースレター、「ちょい事情通の記者(쫌아는기자들)」です。
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