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【そのとき投資】汚いごみの中で花を咲かす蓮の花のようなビジネスをご存知ですか?

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【そのとき投資】汚いごみの中で花を咲かす蓮の花のようなビジネスをご存知ですか?

 

sopoong ventures ハン・サンヨプ代表

 

@そのとき投資(私はその時、投資することを決めました)では、現役の投資家がなぜこのスタートアップに投資したのかを共有します。

多くの人がスターバックスに行くが、私の場合、少し変わった理由でスターバックスに立ち寄る。それはスターバックスに設置された「リユースカップ返却機」を見るためだ。不思議だからではなく、この返却機がsopoong(ソプン)のポートフォリオ企業であるOyster able(オイスターエイブル)の製品だからである。

今日紹介しようとしているOyster ableは、SKテレコム、スターバックスと協力してリユースカップ返却機を運営中だ。現在、Oyster ableのスターバックス-リユースカップ返却機は済州空港1台、済州地域に24個が設置されており、ソウル市には17台が設置、運営中だ。

現在までの傾向や予測では、設置される機器の数はますます増えそうである。これに合わせ、Oyster ableの目標も野心的だ。来年上半期600台、年末まで1500台設置を目指している。個人的には、スターバックスは韓国の全店舗でリユースカップを設置するのではないかと慎重に予測してみる。

またスターバックスが動けば、コーヒー市場全体が動くのではないかという期待もある。そうなるとOyster ableの展望は土の中の真珠と同じくらい輝くだろう。

この話を周囲にすると、小さなスタートアップがグローバルブランドのスターバックスにリユースカップを設置したこと自体を不思議に思う。それだけでなく、Oyster ableが普及しているリユース回収機のユニークな点はSKテレコムが人工知能ソリューションを供給しているという点だ。

スタートアップが大企業との協力を通じて新たな市場を開いていく、まさにオープンイノベーションの代表的な事例である。

 

 


ペ・テグァン Oyster able代表/sk



事実、sopoongがOysterに投資した2019年、Oyster ableが集中していた領域は、人工知能型モノのインターネット(AIoT)の分別ゴミ箱、いわゆるスマートゴミ箱だった。ペ・テグァン、イ・チャンヒ、ヨン・ジュヨンの3人の共同創業者に初めて会ったとき、自分たちはゴミの中で真珠を探す、泥水で花を咲かせる蓮のようなビジネスをしている、と廃棄物/循環経済に地球の未来がある、と目からレーザーを出していた姿がとても印象的だった。

この時Oyster ableは牛乳パックやPETなどを回収する分別ゴミ箱を公共施設や共同住宅などに設置することを主としたビジネスをしていた。投資決定に長い時間はかからなかった。

Oyster ableは、2018年からすでに利用者がリサイクル品を捨てるとき、アプリやQRコードを通じてバーコードを撮ることでポイントを貰えるようにするインセンティブシステムを適用していた。今日においてもスマート分別ゴミ箱市場で最も頭角を示しているS社とは異なり、小型分別ゴミ箱を競合他社に比べて非常に低価格で販売していたためだ。

さらに、その製品には大企業や自治体が購入する動機が十分にあった。利用者はリサイクル習慣を記録してポイントをもらうことができ、企業や自治体はその地域のゴミ箱にどんな製品がどれだけ捨てられるかについてのデータを得ることができたからだ。 

 

 

 

このようなモデルで、政府のスマートシティ事業において重要なソリューション企業として成長を遂げたOyster ableが今のリユースカップ回収機市場に集中することになったのは、政府の時代に合わせた政策のためだ。環境に関連する事業や投資をする人々であれば、環境関連産業にとって最も重要なのは、規制から創出される新たな市場機会だと話す。

Oyster ableのリユースカップ回収ソリューションの可能性を生み出した政府の規制は、実は、2018年8月に始まっていた。それは、一定規模以上のカフェ内では使い捨てプラスチックカップの使用を禁止する政策である。コロナの流行によりしばらく中止された当該政策は、2年後の今年4月に再び施行された。

環境部の使い捨てプラスチック使用規制はカップに留まらず、ストロー、皿、スプーンなどにも適用される予定であり、来る11月からは使い捨て紙コップも使用が制限されている。今はまだ環境部が違反摘発などのための現場システム及び措置を設けていないが、店頭の規模や違反回数によって罰金が取られる可能性があり、フランチャイズカフェブランドは該当政策に絶対に従わなければならない状況だ。

お客さんは不便に感じるのではないかって?その通りだ。しかし、日々が深刻になっていく気候危機を肌で感じている顧客の反応は概ね「環境のためにこの程度の不便は我慢しなければならないだろう」と肯定的だという。環境省の政策がOyster ableにとっては新たな市場機会となった。

資源の好循環やリサイクルは非常に長いバリューチェーンを経るが、この過程において、利害関係者は非常に複雑に絡み合っている。そのため、過去には3D業種に分類され、PEでなければ関心を傾けない産業だったが、最近は都市鉱山や都市遺伝などの名前で脚光を浴び、未来産業として浮上している。このような流れの中でOyster ableは利用者/消費者と接点を作る最前線で新たな地平を開いている。

去る4月、sopoong venturesはOyster ableのような会社に投資することを目標に100億ウォン(約10億円)の気候ファンドを立ち上げた。現在までに80億ウォン(約8億円)の資金が集まったsopoongの気候ファンドは、100%の民間出資者で構成された気候ファンドとしては韓国で2つ目、シードおよびプレAシリーズ段階に集中する気候ファンドとしては初だ。

ファンドの結成にとどまらず、気候創業者とチームを育成するため、IMPACT CLIMATE(インパクトクライメイト)という名前の気候プログラムもローンチする。

sopoongの気候プログラムは3つで構成されている。予備 - 初期の気候創業チームのためのアクセラレーティングプログラム、気候問題を解決するための技術的、ビジネス的専門性を持つ予備創業者を探し、支援するフェローシップ、そして気候創業チームの成長と問題解決を支援するための政策、法律、コンサルティングなどの支援グループで構成されるネットワークプログラムである。

来る5月18日までIMPACT CLIMATE(https://impactclimate.net/)ホームページを通じて募集し、選抜されたチームには直接投資を行う予定だ。

気候危機に解決策を提示しなければならないという、人類全体の持続可能性と直結した投資だなんて胸が躍るが、同時に緊張もする。だが、Oyster ableのような企業の存在に、希望を抱いた。市庁駅近くのスターバックスに訪れたら、ぜひ一度店舗内を見回してほしい。そして、Oyster ableのリユースカップ回収機を実際に体験し、技術が生み出す循環経済の未来、そして資源の循環について考えてみることをおすすめする。Oyster ableはすべての廃棄物の問題を解決することはできないが、廃棄物のための私たちの心を変えることはできるのではないだろうか?

Oyster ableのぺ・テグァン代表はこう言う。 「すべての市民を地球のヒーローにするプラットフォームが必要です。Oyster ableの分別ゴミ箱やリユースカップ回収機を利用する市民たちこそが地球のヒーローです」

皆を地球のヒーローにする、分別ゴミ箱と気候投資にあなたも参加することを楽しみにする。 



/media/ちょい事情通の記者(쫌아는기자들)
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朝鮮日報のニュースレター、「ちょい事情通の記者(쫌아는기자들)」です。

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