【彼のWhy】 Dable、電光掲示板の広告も革新できる理由

【彼のWhy】 Dable、電光掲示板の広告も革新できる理由   

ちょい事情通の記者 2号　イム・ギョンオプ

「先生には2つのタイプがいると思います。30点の生徒を80点にする先生、 90点の生徒を100点の生徒にする先生。テクノロジーの分野では、Google、Meta、Amazonなどの企業はすでにAIによる個人に合わせたおすすめ機能や、広告技術が98点を取っている状況ですが、100点を取るために数兆ウォン（数千億円）を注ぎ込むことができる会社です。Dableですか？私たちは、30点の学生をすぐに80点の学生にできる会社であり、その隙を目指す会社です」

YouTubeやInstagramなど、世界中の広告を吸い込む巨大なモンスターの出現により、従来の広告市場のルールは完全に変わりました。私たちが知っているデジタル広告のルールは、大通りの看板からウェブページのバナー広告、テレビ広告の単価に変わりました。従来の方法から180度変わる市場では、誰かがパイを奪われ、そのパイをめぐって争うしかありません。

しかし、DableのCEOであるペク・スンクク氏は、「広告やパーソナライズ化されたレコメンデーション技術を導入する場所はまだたくさんある」と言います。Dableのコアビジネスは、韓国の多数のメディアのウェブやアプリにパーソナライズ化されたコンテンツをおすすめしながら、デジタル広告を仲介することです。

ウェブサイトで「気に入った記事やコンテンツ」と書かれたウィジェットを見たことがある方は一番下に「Dable」と書かれているものを見たことがあるでしょう。業界では、プログラマティック(Programmatic) 広告と呼ばれています。フォーマット自体は古いですが、 Dableはこの事業で年間売上高100億ウォン（約10.4億円）以上を稼いでいます。2017年から海外に進出し、最近では台湾、香港に次いでマレーシアで第1位にランクインしました。売上の半分は海外からのものです。

そして今、Dableは、屋内と屋外の両方のディスプレイとキオスクを含む、パーソナライズされた広告を「デジタルサイネージ」にエクスポートするためのソリューションをテストしています。デジタルサイネージと呼ばれていますが、私たちがよく知っている言葉でいうと、電光掲示板、つまり広告を流す看板です。レガシーメディアとなった従来の広告分野には、まだイノベーションの可能性があります。なぜそう信じるのかペク代表に聴いてみました。 

「Dableの事業領域は、メディア企業にパーソナライズ化されたレコメンド技術を提供するサービスが中心であり、このサービスで11か国に拡大しました。最近ではマレーシアで第1位となり、韓国、香港、台湾など4カ国で第1位にランクしています。現在、このコアビジネスから四半期の収益は100億ドル以上を生み出しています。そして、新しいAIベースの製品を作っています」

Dable ペク・スングクク/DableのCEO

「1つ目は、AIベースのデジタル屋外広告ビジネスに革命を起こす製品です。屋外の看板、ディスプレイ、ショッピングモール、地下鉄、空港の大小様々なのディスプレイ、キオスクはすべてまとめてデジタルサイネージと呼ばれます。これまで電光板と呼ばれていたこの業界は、広告主と電光板を運営する会社、ビルのオーナーと常に対立しています。つまり、看板に表示される広告の価格です。それをどのように策定するかということでした。過去、広告を出すメディアが少なかった時代はなんでもかんでもお金を出そうとしていましたが、今は広告を出す場所がとても増えましたから。そのため、電光板を持つ企業はより高い金額を要求し、広告主は『効果はあんまりないだろう』と言って広告費を削減します」

しかし、デジタルサイネージ広告の適切な価格は誰にもわかりません。なぜならその効果は測れないからです。Googleアナリティクスと多数のトラフィックおよびユーザー分析ツールがデジタル広告用にリリースされているため、広告の効果を定量的に測定することは可能ですが、屋外広告の場合はその方法はありません。

そのため、過去は広告主がアルバイトを雇って屋外電光板の付近を通り過ぎる人や車両をすべて数えるということもありました。しかし、これにも限界があります。通り過ぎる人全員が広告を見るわけではなく、進行方向や場所によっては、見ていないかもしれません」

「私たちはこの問題をコンピュータービジョン技術で解決するつもりです。まず、デジタルサイネージにカメラを取り付けて、歩行者の性別や行動パターンを区別することから始めます。まず、カメラを使用して、歩行者が広告を見るのをやめたかどうかを測定します。次に、歩行者の特性を分析します。人の外見を学習するAIは、男性と女性を区別することができます。次に、歩行者がカップルか家族か、ベビーカーを押しているか、買い物袋を持っているか、スーツを着ているかを判断します。AIはそれを独自に分析します。この広告を出した後、Googleアナリティクスなどのデジタルサイネージ広告の効果を測定し、分析レポートを作成することができます」

「プライバシーについて懸念を示す方も多いですが、カメラモジュールはそれをストリーミング形式で分析します。映像をリアルタイムで分析した後、動画自体は保存されず、特定された統計情報とAIによって分離された値のみがデータとして残ります。動画自体と個人情報は、分析後すぐに破棄されます。現在、約30箇所のキオスクを作成しています。それはまだプロトタイプなので、小さなデジタルサイネージ、キオスクから始めます。別のカメラモジュールを作成し、大型電光板にも設置する予定です。もちろん、もっと技術的なアップデートが必要です。もっと多く人の視線と行動パターンをAIが区別する必要があります。屋内、そして屋外に出ていくつもりです」

Dableのデジタルサイネージキオスク/Dable 

「このようにデジタルサイネージで広告のパフォーマンスを測定できれば、より洗練されたキャンペーンを作成できます。たとえば、同じ広告コンテンツであっても、時間帯はいつか、どんなユーザーが集中して見ているのかを確認できるからです。Dableがメディアサイトの広告でできたように、パーソナライズ化し、ユーザー基盤で最適化することが可能になります。広告主の立場でも特定地域、位置に最適化された広告コンテンツを先に送ることができ、その次に個人別に最適化できます。また、特定の歩行者グループに広告を表示することもできます。オンライン広告がパーソナライズ化されるように。

広告の最適化は、広告の効果に大きな影響を与えます。同じ個人でも、お昼時にオフィスにいるAと夕方にソファに座るAの広告消費パターンは異なる場合があります。たとえば、オフィスのデスクトップでエンターテイメント記事を消費することはほとんどありません。このときはスマホでエンターテイメント系の記事を見ますよね。そして、夕方に家に帰ると、デスクトップにエンターテイメント記事が表示されます。このように1人の個人の位置と場所、行動パターンによって消費パターンが変わるため、広告市場はこのような詳しい状況に合わせてコンテンツを提供できるように進化させています。

「本業自体は本当にうまくいっている会社でも、広告やパーソナライズされたレコメンデーションなどの技術面でのスキルが不足しているために利益を最大化できていない業界や企業があります。そのような産業や会社にオーダーメイド型のソリューションを提供し続けるのです。メディア広告におすすめや技術を導入し、その後、電光板にも導入する。産業と会社を行き来しながら技術を持って解決策を提示します。レガシー業界にはまだ宣伝する場所がたくさんあり、テクノロジーが浸透できる場所もまだたくさんあります」