【2022年新登場】新・韓国ユニコーン7社、徹底分析|Vol.1
韓国新ユニコーン7社 徹底分析
2022年、韓国で新たに7社のユニコーン企業が誕生
世界的なインフレと金利上昇による景気後退、また世界中を混乱の渦に陥れたコロナウイルスの影響等により、投資市場は当面勢いを失うと予想されていたにも関わらず、昨年韓国では、新たに7つものユニコーン企業が登場しました。
中小ベンチャー企業部(省、中企部)は、企業価値1兆ウォン(約1,041億6,900万円)以上の非上場ユニコーン企業の数は昨年末現在、前年比4社増の22社あると明らかにした。
CBインサイトが集計した韓国のユニコーン企業数は計14社で、シンガポールと並んで世界10位。
詳しくは以下記事を参照ください↓
7つのユニコーン企業は以下表の通りです。
今回はこの7社についての事業内容、韓国内での評価、今後の指針等についてまとめ、2記事にわたって徹底分析をしていこうと思います!
1. ヨギオッテカンパニー
ヨギオッテカンパニーは2014年に設立された、旅行・余暇プラットフォームを手がけるスタートアップ企業で、500億ウォン(約51億9,200万円)の投資を誘致してユニコーン企業となりました。企業価値は1兆2,000億ウォン(約1,246億円)と評価されています。
以下記事もあわせて参照ください↓
ヨギオッテは宿泊予約サービスを超え、レンタカー、パーティールーム、スタジオ予約などの幅広い事業を行っており、最近は海外旅行サービスも開始し、コロナウイルスにより抑えられた旅行・余暇市場の需要が急速に増加するものと期待されています。
また、コロナウイルスの最中にも関わらず3年連続の黒字を記録するなど、成長性を証明している企業です。
データソース:ヨギオッテカンパニーHP
アプリダウンロード数は現在まで3,040万件、累計ユーザー数は1,700万人、月間アクティブユーザー数は400万人を超えています。
また、最近特に需要のあるアジア旅行パッケージ商品や特典、割引イベント等を実施し、今後も様々なプロモーションを実施予定とのことで、今後も成長が期待される企業です。
2. OASiS
OASiS(オアシス)は2011年に設立された、環境にやさしいオーガニック製品を専門ソーシングしている企業です。オンライン店舗だけでなくオフライン直営店舗も構えており、2018年8月から始めたオンラインプラットフォームの「OASiSマーケット」の運営をもとに、新鮮食品の早朝配送事業を行っています。
こちらの記事も参照ください↓
ソウル市内だけでも30以上のオフライン店舗を構えています。以下写真は新村店の様子です。
店内には環境にやさしいオーガニック製品やPB商品等、数多く揃っています。
OASiSはPB商品、ダイレクトソーシングネットワーク、統合包装の物流センター、独自の物流ソリューション「OASiSルート」やオン・オフラインのシナジー効果などにより、持続的に成長しています。
「OASiSルート」とは、データ基盤の商品発注、在庫管理、位置情報基盤のピッキング/パッキングの最適ルートガイドなど、全体的な流通および販売プロセスを管理できるIT物流ソリューションです。そのため物流の効率を最大化することができているのです。
特にOASiSの核心商品であるPB商品は、質の高さと価格競争力で全体売上高の約60%を占めています。
「無抗生剤」、「無農薬」、「エコ」など厳しい内部基準を満たした商品だけで構成されており、リピート率も高くなっています。
以下写真はOASiSPB商品の一部です。
これにより売上成長と会員数の増加にもつながっており、2022年第3四半期の売上高とEBITDAは3,118億ウォン(約324億円)、155億ウォン(約16億円)で、これは2021年の売上高3,570億ウォン(約371億円)と、EBITDA 125億ウォン(約13億円)を上回る数値です。会員数も2021年には約87万人、2022年には約130万人で、年平均55.8%ずつ増加しており、収益性と成長性を同時に確保しています。
この他にもIT技術力と物流センター、オフライン店舗をもとに、ライブコマースやクイックコマースなど、新規事業にも進出する計画で、韓国代表Eコマース企業としての位置確立を目標としている企業です。
3. SHIFTUP
SHIFTUP(シフトアップ)は2013年にゲームクリエイター兼イラストレータであるキム・ヒョンテ代表によって設立されたゲーム開発企業です。オリジナルイラスト、企画・プログラミングスキルをもとに、ゲーム制作からプロモーションビデオ、音楽制作までを行っていることが特徴のゲームデザイン・開発会社です。KakaoVenturesが2016年に初の機関投資会社として初期投資を進めています。
主な代表作にはDestiny's Child(ディスティニーチャイルド)があります。このゲームはキャラクターがアニメの様に動き、計5人でチームを組んで行われるリアルタイムバトルです。
韓国ではiOSとAndroid各ストアで売上ランキング1位を獲得するなど人気を博し、2017年には日本でも展開され、2018年には世界164か国でリリースされました。
その他にも「勝利の女神:NIKKE」や2023年には「Stellar Blade」というPlayStation5専用タイトルとしてリリースすることを発表しています。
SHIFTUPは今後、中東地域の本格進出に向け準備しているとのことで注目度が高まっています。
本記事では2022年に韓国で新たに誕生した7つのユニコーン企業のうち「ヨギオッテカンパニー」、「OASiS」、「SHIFTUP」の3社を解説しました。
次回の記事では残り4社について解説していきたいと思います!
関連記事
-
なぜ韓国の保険業界のデジタル化が遅れたのか?
#DX -
【#韓国VCインタビュー】日本と韓国が一つの経済圏として重要な市場になる|Kakaoinvestment チームリーダー チェ・ヒョチャン
#AI #B2B -
今月の韓国MZニュース|2024年10月
#MZ世代 #ファッションテック #ライフスタイル #食品 #エンターテインメント -
【ちょい事情通の記者】 FINIT、株を適時に売買する方法
#ちょい事情通の記者 #フィンテック #金融 #資金調達 #スタートアップ -
【そのとき投資】Tesser、患者の切実さが生んだイノベーション
#ちょい事情通の記者 #医療 #ヘルスケア #スタートアップ #資金調達 -
韓国のモビリティ・スタートアップが中古車市場に投げた一石
#韓国 #スタートアップ #モビリティ