トマトスタジオ – CEO ホ・ジュンギュ
ebook、ウェブ小説、ウェブトゥーンなど様々な分野のコンテンツビジネスを経験。
豊富なコンテンツビジネス経験を基に2021年にウェブトゥーン会社トマトスタジオを設立。『悪徳プロデューサー、アイドルになる』・『魔王の子供として生き残る方法』などのヒットによりウェブトゥーン市場への定着に成功した。
目次
2021年12月に設立されたウェブトゥーン会社
弊社トマトスタジオは、2021年に韓国で設立されたウェブトゥーン会社です。
現在、16種類の長編ウェブトゥーンと4種類の短編ウェブトゥーンを制作しています。
私はこの会社を設立する前まで、15年以上コンテンツビジネスに携わっていました。そんな中、2020年頃からウェブトゥーンが世界的なブームになったことが追い風となり、独立して事業を始めることになりました。
会社名を「トマトスタジオ」にした一番大きな理由は、親しみやすい名前にしたかったからです。
韓国にはウェブトゥーンの会社がたくさんありますので、凝った名前でも馴染みのない響きだと一度で覚えてもらうのは中々難しいです。ですがトマトは、韓国でも、日本でも、英語圏でも、「トマト」と発音しますので、外国の方にも一発で覚えていただけそうだなと思いました。
さらに、トマトは健康にいい食べ物と言われていて、我々も健康的にウェブトゥーンを制作していこうという意味も込められています。
原作ウェブ小説のウェブトゥーン制作に特化、安定したIP供給が最大の強み
昨今、ウェブトゥーンは、韓国でも日本でも若い世代をはじめ多くの人に愛され 「新しい漫画文化」として定着しつつあります。
韓国には、数多くのウェブトゥーン制作会社がありますが、そんな中、私たちは検証された原作ウェブ小説をベースにウェブトゥーンを制作するシステムに特化した事業を展開しています。
ウェブトゥーン会社でまず一番重要なのは「どんなIPを持っているのか」に尽きますが、弊社は、独自のウェブ小説を1,000種類以上保有する韓国のウェブ小説出版社Storinlabとパートナー関係にあります。他にもカカオエンターテインメント、101Company、Dasanbooksなどの韓国企業からも原作IPの供給を受けるなど、ウェブトゥーンのIP確保に非常に有利な立場にあると言えます。
このように安定してIPを確保できるという点が、弊社の何よりもの強みです。
これまでリリースした作品の中には、映画化のオファーをいただいている作品や、グッズ化のお話をいただいている作品も多数あります。
現在、韓国では、主にNAVER、カカオページなどの主要ウェブトゥーンプラットフォームに作品を供給しており、日本でもLINEマンガやピッコマ、めちゃコミックなど、多数の電子書籍サイトに作品を供給しています。
2025年は、日本でも6作品ほどのリリースを予定していて、本格的な日本市場への参入を計画しています。
世界観を忠実に再現するための、こだわり抜いた作品制作
私たちは、ウェブトゥーン制作過程で、できる限り細部までこだわって制作することを心がけています。
例えば最近、日本のピッコマで『悪徳プロデューサー、アイドルになる』という作品を公開しました。原作のウェブ小説は韓国で15億ウォンの取引額を記録した人気作で、ウェブトゥーンも公開から1週間足らずで取引額1億ウォンを達成しました。
また、その完成度や作品の影響力により、フォトカード、ゲーム、グッズ制作などパートナーから多様な二次著作権提携の提案をいただいています。
これほどまでに、良い反応を得られたのは、作品の世界観を大切にし、細部までこだわって制作しているからだと思います。
この作品はタイトル通りアイドルをテーマにしたお話なので、私たちは、現実世界のアイドルについても勉強しました。
例えばKpopアイドルの場合、リリースする曲によってもコンセプトや衣装がガラッと変わりますし、アイドルによってファンの特徴も異なります。 そういった「リアルさ」をウェブトゥーンに反映したいと考えました。
そこで、登場人物の衣装製作のために、専任のデザイナーを正社員として採用しました。アイドルの衣装に精通したスタッフをメンバーに迎えることで、作品の世界観に限りなく近づけようしたのです。
こういった取り組みは業界内でもまだ珍しく、異例と言っていいと思います。
もちろん大変なことではありますが、作品のクオリティを高めるために、超細部までこだわって制作するという情熱と努力を評価してもらえるのは、嬉しいことですし、手間がかかっても、作品の世界観を守るための努力を惜しんではいけないと再認識しました。
ビジネスチャンスに溢れる日本のコンテンツ市場
韓国と日本の両方でウェブトゥーン作品を配信してみて、両国のウェブトゥーン市場の違いも分かってきました。韓国のウェブトゥーンは、更新の速さが重視される傾向にあるため、弊社でもデジタルプラットフォームとの連携により、より迅速なコンテンツ配信を可能にしています。最近は、週間連載する作品もかなり多いです。
しかし、日本では、更新の速さよりも、ストーリーの深さや構成が一番重要視されているような気がします。
世界最大のコンテンツ大国である日本では、昔から多くの漫画に社会問題が織り交ぜられ、そしてその作品の影響力を通じて、人々にメッセージを伝えてきました。
日本漫画の魅力的なストーリー展開や豊かな感情表現に魅せられ、日本漫画を通して日本文化や日本語を勉強する外国人も多いでしょう。
実際、日本漫画に影響されて漫画家を志した韓国人ウェブトゥーン作家はたくさんいます。
また、日本はグッズ文化が非常に盛んですよね。漫画やアニメ、ゲームなどのキャラクターグッズは、外国人にも人気が高いです。さらに、キャラクターのコスプレイベントなども各地で開催されていて、海外からの参加者も年々増えています。
このように日本のコンテンツ産業には、本当にビジネスチャンスがたくさんあります。弊社では、こういった日本のコンテンツ市場の特徴や、日本社会の中でコンテンツがどのような役割を果たしているのかということをしっかり研究・分析して、事業拡大のための計画を立てています。
変わりゆく社会のニーズをキャッチし、世界的メガヒットを目指す
コンテンツ事業に携わる者にとって、日本市場ほど魅力的な市場はありませんし、日本市場への進出・成功は誰もが夢見ることです。
韓国でも日本でも、コンテンツ業界には、数え切れないほどのウェブトーン制作会社があります。
しかし、だからこそいつでも競争は激しく、世間に受け入れられなければ、自然と淘汰されていく厳しい業界でもあります。
いつまでも生き残れる会社であるためには、世の中で大事にされている文化や価値観にいかに敏感でいられるかが、カギであると思います。そのために独りよがりな態度ではなく、謙虚な姿勢で、目まぐるしく変わる社会のニーズをキャッチし続ける会社でありたいです。
弊社の作品は、すでに日本でも公開されていて、韓国内だけでなく、日本市場でも高い評価をいただいております。私たちの「こだわる力」を武器に、10年以内に世界中の誰もが知る作品を生み出し、グローバルコンテンツ市場で存在感を示せる企業に成長したいです。
弊社トマトスタジオは、日本でパートナーを探しています。弊社にご興味を持ってくださる日本企業の方がいらっしゃいましたら、ぜひご連絡いただけますと幸いです。

Tomato Studio
HP:https://tomatostudio.co.kr/
X(旧twitter):https://x.com/w_tomatostudio