CSO パク・ミンソン
Coupang・SKT・Kakaoで11年間、ECデータ分析と売上最適化に携わったデータアナリスト。データソリューション企業「Numberworks」を創業し、カカオへのイグジットを経て、EC特化CRM「Datarize」を再創業した連続起業家。
現在はDatarizeのCSOとして、日本市場を含むグローバル展開を主導。EC事業者の売上成長を支えるCRM設計とデータ活用基盤の構築を推進している。CRMでの成功事例や市場戦略を発信するデータ活用の専門家としても活躍中。
執行役員 大原龍一
LGジャパンにて約10年間、韓国をはじめとする海外営業を担当。その後、Amazon JapanにてマーチャントコンサルタントとしてEC事業者の成長支援に従事し、平均30%以上の売上向上を実現。顧客満足度アンケートでは12カ月連続で満足度100%を達成した。
2024年にデータライズジャパンへ参画し、日本法人の立ち上げを担当。現在は、日本市場における自社CRMサービスの展開およびEC事業者のデータ活用支援を主導している。
目次
Datarizeについて教えてください。
私たちDatarize(データライズ)は2019年に韓国で設立された、ECに特化したBtoB向けCRM(Customer Relationship Management)マーケティングソリューションの開発会社です。現在は韓国・日本・アメリカに法人があり、約90名が在籍しています。
弊社は、データ活用にバックグラウンドを持つ3名によって設立されました。
私自身は、顧客の行動データを収集してプロファイリングし、パーソナライズされた商品や広告を表示するプラットフォームを提供する会社で働いていました。
しかし、こうした高度な技術を中小企業が自社で構築し、運用するのは簡単ではありません。システムの開発やエンジニアの採用には多くの費用と時間がかかるからです。そんな課題を感じていた頃、韓国ではSaaSブームが再び起こり始めていました。自社に開発者がいなくても活用できるSaaS形式で提供すれば、この課題を解決できるのではないかと考えたのです。
CRMという概念自体は以前からありましたが、当時は現在ほど市場に浸透していませんでした。企業の規模や社内の技術力に関係なく、どんな会社でも使えるCRMサービスには大きな可能性があると確信し、起業に至りました。
他の会社にはない独自の魅力や強みは何でしょうか?
日本でも韓国でもアメリカでも共通して、ECを運営している方々は非常に忙しく、CRMは多くの業務の中の一つに過ぎません。そのため、直感的に使えること、迅速に効果を得られること、そして得たデータを簡単に理解できることなど、使いやすさが非常に重要になります。
そうしたマーケターのために、私たちのソリューションには大きく二つの強みがあります。
一つ目は、データの精密性です。
私たちのソリューションを利用すると、顧客が閲覧したページやクリックした箇所、クリック回数、どの商品が誰に何回表示されたかなど、顧客の行動データを自動的に収集できます。
他のCRMサービスでも類似の機能はありますが、弊社のシステムでは、商品ページ内での行動など、より詳細な内容まで把握できます。例えば、色やサイズのオプション、レビュータブ、おすすめ商品など、ページ内の細かな動きもデータとして収集することが可能です。
同じ商品ページを見たとしても、すぐ離脱した人とレビューまでしっかり確認した人では、商品への関心度が大きく異なります。このようなデータを、スクリプトを一行設置するだけで収集できるのが大きな特徴です。
二つ目は、データの活用性です。
顧客の行動を把握することも重要ですが、最終的には、購買までつなげる必要があります。
弊社のソリューションでは、収集したデータをもとに顧客の興味や購買可能性を分析し、どのような商品であれば関心を持つのか自動でプロファイリングします。その結果を基に、パーソナライズされたクーポンやメッセージを自動生成し、メルマガやLINEを通じて顧客に配信することができます。
これまでは、特定の商品の情報を配信する際、商品ごとにクリエイティブを制作する必要がありました。しかし、ECサイトでは数多くの商品を扱っており、すべての商品に対して個別の素材を作成するのは現実的ではありません。そのため、多くの企業ではクーポンやポイント付与がCRMの中心となっていました。
ですが、私たちのシステムではこれらのプロセスを自動化しているため、マーケターやデザイナーが個別に素材を作る必要がありません。従来のクーポン中心のCRMから脱却し、パーソナライズされたCRMをより簡単に活用できる新しい仕組みを提供しています。
また、ブランドイメージを重視する企業の中には、むやみに割引を行ったりクーポンを配布したりすることを好まないブランドも多くあります。そうした企業からも、弊社のCRMソリューションは高く評価されています。
日本進出の最大の理由は何でしょうか?
最大の理由は、市場の大きさとその成長可能性です。
国土や人口規模の小さい韓国市場だけでは企業が大きく成長するにはやはり限界があります。そのため、韓国よりはるかに大きい日本のコマース市場は非常に魅力的でした。
日本ではEコマースの浸透率が高くなかったのですが、ここ数年でオンライン購買が主要な購入方法の一つになるなど、非常に速いスピードで成長しています。今後さらなる発展を遂げ、韓国のロケット配送のような即日配送も一般化するのではないかと期待しています。
また、韓国Eコマース市場の飽和を背景に、日本へクロスボーダー進出する韓国企業が増えていることも大きな要因です。私たちはそうした企業に対して、CRMだけでなく物流やマーケティングなど、日本進出に必要なバリューチェーン全体を支援したいと考えています。
その一環として、韓国で「2026 K-Brands, Go Japan!」という韓国企業を対象とした日本進出関連セミナーを実施しています。昨年の開催では多くの企業にご参加いただき、新たなご縁も生まれました。今年も弊社が日本市場で得たノウハウをもとに、多くの日本企業も招き、日本進出時に直面する課題をケーススタディ形式で共有する内容を予定しています。
韓国・ソウルでの開催となりますが、ご興味のある方がいらっしゃいましたらぜひご連絡いただければと思います。
イベント詳細はこちら👉https://event-us.kr/datarize/event/122393

日本国内での現在と、今後の活動について教えてください。
日本では2024年に日本法人を設立して以降、導入企業を着実に増やしており、現在は当初の目標であった50社を超える企業に弊社サービスをご利用いただいています。
現在、日本ではShopifyを利用しているEC企業の導入が最も多くなっています。韓国では、化粧品や洋服のブランドなどビューティーやアパレル関連の企業に多くご利用いただいておりますが、業種に関わらずECサイトであれば、どんな企業様でもご活用いただけるソリューションとなっています。
今後はShopifyに限らず、独立モールやエンタープライズ領域、著名なブランドを持つ企業まで、導入範囲を増やしていきたいと考えています。
また、韓国の主流メッセンジャーアプリ「KakaoTalk」を利用して提供していたパーソナライズメッセージ技術を活用し、日本でも「LINE」を利用したメッセージ送信機能を導入しました。KakaoTalkで提供していた機能の多くをLINEでも利用できるようにし、昨年7月の提供開始以降、累計約70万件のメッセージ送信を行っています。

日本での多様な対応チャネル
最後に、今後のビジョンや目標を教えてください。
まず定量的な目標として、2030年までに韓国・日本・北米を含めて約6,000億ウォンのグローバル売上を達成することを目指しています。そして2031年を目途に、ナスダックでのIPO実現を最大の目標としています。
一方で、そのような数値目標だけでなく、顧客との関係という観点でも目指している姿があります。現在はCRMを中心としたサービスを提供していますが、最終的には顧客がサイトを訪れてから離脱するまでの購買行動すべてをデータとして収集し、活用できる仕組みを作りたいと考えています。
データはCRMだけでなく、パフォーマンスマーケティングのリターゲティングや商品選定、在庫管理、露出管理など様々な面で活用できます。さらに、どの価格設定が最も顧客の関心を引くのかといったプライシング戦略まで、その可能性は非常に広いと考えています。
こうしたデータを基に、マーケティングの意思決定をできるだけ簡単に自動化する「オートノマス・マーケティング・インテリジェンス」を実現することが、私たちの大きなビジョンです。
また、弊社は共同創業者3人で立ち上げた会社ですが、それぞれ全く異なるタイプの人間です。性格やスタイルが違うため大変なこともありますが、それぞれの役割が明確に分かれていることでチームとして良いシナジーが生まれてきました。
3人がうまくやってこられた理由は、それぞれが自分の役割と責任を理解しながら、率直に意見を伝え合うことを大切にしてきたからだと思います。日本でも韓国でも、自分の意見をはっきり伝えることは簡単なようで意外と難しいものですが、私たちは何でも率直に話せる環境を大切にしています。
そのような文化の中で、現在は共に働く仲間の採用にも力を入れています。もし私たちと一緒に働きたいという方がいらっしゃいましたら、ぜひご連絡いただけると嬉しいです。

インタビューの様子(右)パク・ミンソンCSO (左)大原龍一執行役員

Datarize
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