インタビュー

韓国No.1インテリアアプリ「Ohouse」で働く日本人|Bucketplace Japan プロジェクトマネージャー阿部栞さん

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  • プロフィール

株式会社Bucketplace Japan 阿部栞(あべ・しおり)

2015年にピクシブへ新卒入社。イラストコミュニケーションサービス「pixiv」やオウンドメディアのWebディレクターを担当。その後、チャット小説アプリ「TELLER」を経て2018年にAppBrewにジョイン。美容のプラットフォーム「LIPS」のプロダクトマネージャーとしてSEOを中心としたWebグロースからアプリ投稿施策まで幅広く担い、1000万ユーザーまでのグロースを経験する。2022年10月より株式会社Bucketplace JapanにてProject Managerを務める。


- 現在、阿部さんが勤務している会社は何をしている会社ですか?

Bucketplace(バケットプレイス)は、インテリアプラットフォーム「Ohouse(オーハウス)」を提供する韓国スタートアップ企業です。韓国では「오늘의집(オヌレチプ)」という名前で展開しています。アプリの累積ダウンロード数は2700万回以上で、「韓国人の半分以上がダウンロードしたアプリ」として国民的な知名度・人気のあるアプリです。

2014年に創業して以来、企業の規模としては、昨年230億円を調達したことで評価額が2400億円を超え、いわゆる「ダブルユニコーン企業」になりました。現在、日本や東南アジアをはじめ、様々な言語圏のサービスを準備しています。



‐Ohouseにはどんな強みや特徴がありますか?

「Ohouse」は、世界中で存在する普遍的な問題...家づくり・空間づくりの過程で生じるさまざまな問題を解決できるライフスタイルプラットフォームです。

インテリア実例写真やノウハウの共有・閲覧ができ、インテリア写真から具体的にどんなアイテムを使用しているかまで知ることができます。専門家ではなく、実際に暮らすリアルで加工されていないライフスタイルからインスピレーションを得られることがサービス全体を通しての特徴です。さらに、各国のニーズやフェーズに合わせてサービスを拡張しており、韓国では写真内の気に入ったアイテムをタップしてそのまま購入ができるEC機能や、信頼できる施工業者とのマッチング機能、引越しサービスまで展開しています。

日本でも、韓国の機能をそのまま持ってくるのではなく日本人のライフスタイルとニーズに合わせた機能を準備しています。楽しみに待っていてほしいです!


‐現在のお仕事内容を教えてください。

私はグローバルチームのProject Managerとして、一人目の日本人社員として入社しました。まだまだ立ち上げフェーズなので、開発や仕様についてグローバルチームのPOと議論したりSQLを使って数値分析やオペレーション体制の構築をしたりと幅広く業務しています。



‐なぜ、韓国スタートアップで、Ohouseにジョインすることになったのでしょうか?

特に海外のバックグラウンドがあるわけではなかったですし、外資系へのこだわりも強いわけではなかったのですが、韓国のアプリ、特にC向けのアプリはクオリティが高い製品が多く前職時代からよく見ていました。自分がインテリアにハマっていたのもあってハングルを読めないのに「오늘의집」を愛用していて、そんな時グローバル進出のニュースを聞き、日本でも採用を開始するだろうと予想していたのでLinkedinをフォローして求人が出るのを待ちました。求人が出たあとは即応募しました。

個人的な思いとして、空間作りを楽しむことや工夫をすることで日々の暮らしはとても豊かになると思っています。ただ、その方法を知る術がなかったり、「自分はセンスがないからできない」と思って諦めてしまったりするのがとても勿体無いと思っています。プロではなく一般人のお家のお部屋作りの例やノウハウを共有しながら空間づくりをもっと身近なものにすることができれば世界はより良くなると思い、「私たちは多彩なライフスタイルのインスピレーションを与え合うコミュニティを通じて、誰もがより良い空間での暮らしを実現できるようサポートします。」というミッションにとても共感しました。また、日本にいながらグローバルなチャレンジができる点も大きな魅力に感じています。


‐日本と韓国のスタートアップを経験して、大きな差や気づきはありますか?

意外に、そこまで大きな差がなかったです。まず、私は韓国語を話せないので言語の壁が大きくありますが、テキストはbotによる自動翻訳、対面コミュニケーションは日韓翻訳者を介したリアルタイム翻訳で意外となんとかなっていると思います。翻訳に関しては、日本語と韓国語の語順が同じなので同時通訳が可能になる点は大きいと思います。一部のMTGは英語で行うようになっており、会社全体として徐々にグローバル化が進行しています。

また、slackでは自動翻訳が入るので日本語で書くことも多いですが、その際には曖昧な表現を避け直接的な言葉を使うように意識するようになりました。日本語には「大丈夫です」など、肯定なのか否定なのか意味が文脈に依存する表現が多いと改めて実感しました。今は、チーム全員でどの国のバックグラウンドの方でも意味を正しく受け取れるような言葉選びをしています。

文化に関しても大きな違いは感じませんでしたが、日々働く中で少し感じることはあります。例えば、Bucketplace Japanではランチと夜ご飯を1000円分サポートする制度があるのですがここまで食に対してサポート体制があるのは日本だとなかなかないと思います。元々韓国では一人でご飯を食べる文化が日本に比べると薄く、仲間と一緒に食べる文化があるからこそ生まれた制度なのかな?と思いました。


‐2022年に日本進出したOhouseですが、日本市場をどのように見ていますか?日本での反応を教えてください。

空間を良くしたいというニーズはどの国にも共通して存在する要求だと考えています。その中でも日本は、韓国と家屋事情が似ていますし国の距離が近く文化も近いため、韓国での成功の再現性が高い国だろうことが予想できます。また、日本の人口は韓国の2倍あるので全体のインテリア市場の規模ももちろん韓国より大きいです。

市場規模が大きく文化が近い。それが日本がまず選ばれた大きな理由です。

日本版をリリースした現在は、機能改善やコミュニティ作りに注力しています。ユーザーさんの反応としては、元々「오늘의집」を知っていて日本進出を待っていてくれた方がいたり、韓国のインテリアグッズを購入したいからEC機能をつけてほしいです!という要望を受けたりと、韓国インテリアの人気の高さが日々伺えます。


‐今後の阿部さん自身の目標を教えてください。 

まずは日本でOhouseを普及させることに集中したいと思っています。現在は、インテリア好きのユーザーさんにサービスを使っていただきポジティブな言及をいただくことも少しずつ増えていますが、もっと大きな価値を提供できるようユーザーの課題やニーズの理解を深めて行きたいと考えています。



‐会社としての目標は何でしょうか?

2023年には、Ohouseならではの経験を韓国を越えて世界中の人々に伝えたいです。そして「No.1 Lifestyle Tech Company」として、より便利で日常を豊かにさせるサービスの開発のため技術分野と関連人材採用にも持続的に投資する予定です。


阿部栞(あべ・しおり)‐株式会社Bucketplace Japan /Project Manager

  • 会社HP 

グローバルページ : https://app-jp.ohouse.com/about

韓国ページ : https://ohou.se/


  • 各種SNS

Instagram : https://www.instagram.com/ohousejp/

LinkedIn : https://www.linkedin.com/company/bucketplace

Youtube : https://www.youtube.com/@OhouseKR 


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/media/KORIT編集部
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