インタビュー 2022.06.14

ITで演奏・音楽市場を革新し、ミュージシャンの人生を変える｜Mapiacompany ナ・スギョン代表

株式会社Mapiacompany（マピア・カンパニー）

Mapiacompanyはミュージシャンの経済的な持続可能性に重点を置いて個人のミュージシャンが誰でも手軽にデジタル楽譜を販売できる楽譜流通プラットフォーム「心だけはピアニスト（마음만은피아니스트)」（韓国）、「ココロはミュージシャン」（日本）、「マイミュージックシート(MyMusicSheet)」（グローバル）を運営。プラットフォームサービス全体の平均MAUは約100万人に迫り、累積ユーザー数が2,000万人を超え、サービスしている国の数は220カ国を突破するなど、世界中のミュージシャンがMapiacompanyのプラットフォームを利用して創作曲をはじめとする多様な楽譜コンテンツを販売している。

ーIT企業として楽譜コンテンツ市場の良質化を導くために最善を尽くす、Mapiacompany のナ・スギョン代表（写真）にKORITがインタビューをしました。

－ Mapiacompanyはどんな会社でしょうか？

Mapiacompanyは、「音楽を愛する皆が心（MA、韓国語表記：마음｟マウム｠）だけはピアニスト（PIA）」という文の頭文字からなる会社名で、「心だけはピアニスト」というプラットフォームサービスを韓国で立ち上げ、2015年10月に設立されました。情報技術（IT）を活用して演奏・音楽市場を革新し、多様な音楽コンテンツを通じて従来になかったビジネスモデルを創造することで、ミュージシャンの人生を変えることが私たちのビジョンです。

2019年からは、日本の文化とコンテンツトレンドを反映した独自の日本サービスのために日本法人であるココミュ株式会社を設立し、日本の楽譜流通プラットフォーム「ココロはミュージシャン」を運営しています。

－ Mapiacompanyが提供するサービス内容、強みや特徴をお聞かせください。

当社のサービスは、オンライン上でデジタル楽譜コンテンツを売買できる楽譜流通プラットフォームサービスです。音楽産業の長い歴史と発展にもかかわらず、才能のあるミュージシャンが彼らの音楽を楽譜コンテンツにする方法は、事実上、本の出版社を通じた楽譜集の制作にとどまっていました。その結果、顧客は少数の出版社から企画・製作された楽譜集を通じてのみ良質な楽譜を利用することができ、本人が望む曲だけを選んで購入することは困難でした。

しかし今、Mapiacompanyの楽譜プラットフォームを通じて多くのミュージシャンたちは楽譜を簡単に販売できるだけでなく、プラットフォームが提供する各種データを通じて収益統計、楽譜コンテンツの消費トレンドなどを把握し、音楽活動の方向性設定に役立てることができます。これにより、ミュージシャンは、活発な音楽活動や楽譜コンテンツ制作の環境整備をすることができ、多様な楽譜コンテンツをユーザーに提供できるようになります。また、ユーザーはパーソナライズ化された、おすすめシステムを通じてユーザー自身の好みや、演奏の実力に合ったコンテンツの提案を受けることができ、いつでもどこでも自分の好きな曲を簡単に購入できます。

－ 日本市場をどのように見ていますか？

日本は音楽コンテンツへの関心と支援が大きな市場です。世界ではEDM、ヒップホップのように電子サウンドをメインとする音楽がグローバル人気チャートを占領する姿をよく見かけますが、日本は多様なジャンルの音楽を楽しむ文化が根付いており、主流と非主流を選ばず、より多くの音楽が消費されています。特に日本のクラシックな情緒を込められる楽器（ギター、ピアノなど）への関心と需要も大きいため、結果としてオン・オフラインで大きな楽譜市場を形成しています。健全な消費文化を備えた魅力的な市場と見ています。

－ 事業の中でMapiacompanyが特に気にかけている部分はなんでしょうか？

楽譜市場は、映画や音源ストリーミングなど他のコンテンツ市場に比べて著作権認識がかなり低く、関連法や制度も整備されている過程であり、不正に利用される楽譜コンテンツがまだ多いです。Mapiacompanyは、アーティストの持続的な創作活動を可能にするには、安定した経済的基盤が先行されなければならないと信じているため、無断複製防止のためのスマート楽譜ビュー、イメージマシンラーニングベースの不法著作物を探し出すアルゴリズム、不法配布防止のためのユーザー識別コードなどの著作権に関わる先端技術を利用したコンテンツ管理システムを通じ、IT企業として、楽譜コンテンツ市場の良質化を導くために最善を尽くしています。

－ 次の計画や目標は何ですか？

より多くの日本のアーティストや団体とのコラボレーションを通じて良質な楽譜コンテンツを多く確保し、日本のサービスである「ココロはミュージシャン」を日本の楽譜市場でシェアを高め、オフラインでも書店とのコラボレーション、コンサート開催など多様な活動を通じて継続的に企業ブランド価値を高めたいと思います。

－ お知らせしたい内容はありますか？

現在、日本の人気ピアノYouTuberであるCANACANA family（2022年5月基準のチャンネル登録者数120万人、視聴数10億件）のベスト楽譜で作られた『PIANO SCORE The Best of CANACANA family』楽譜集を販売中です。130年の歴史を持つ日本を代表する楽器店である銀座山野楽器の楽譜取扱い店とオンラインショップ（https://canacanastore.myshopify.com/）で流通しているので、ぜひご覧になってみてください！