ソウル市と韓国農業技術振興院(KoAT)が10月1日、ソウル市永登浦区の「青年クックフードテックセンター」で、農食品(農産品)スタートアップの資金調達を目的とする合同デモデーを開催した。
今回のイベントは、ソウル市における農食品関連スタートアップの生態系を活性化することを目的に、両機関が協力して企画したものだ。参加企業は投資家の前で事業モデルを発表し、資金調達や事業拡大についての助言を受ける形で進められた。
デモデイには、青年クックセンターに所属する5社と、韓国農業技術振興院ソウルセンターに所属する5社の計10社が参加した。審査員には、主要ベンチャーキャピタル(VC)や大企業のベンチャー投資会社(CVC)の関係者が招かれ、イベント終了後も企業と投資家との間でミーティングが活発に行われたという。
青年クックセンターからは、世宗米の水飴を使ったプレミアム伝統酒を製造する「農業会社法人 044醸造所」、乳幼児向けの離乳食サービス企業「enough U(イナフユー)」、外食ブランドの成長を支援するAIプラットフォーム「FRANKIT(フランキット)」、AIoT技術を活用したパーソナルスキンケアソリューション開発企業「aeacbio(エーイーエーシーバイオ)」、Kフードの海外進出を進める「CC FNB(チョンチュンエフエヌビー)」などが参加し、プレゼンテーションを行った。
韓国農業技術振興院側からは、100%植物性のヴィーガンベーカリーブランド「The Bread Blue(ザブレッドブルー)」、本格ステーキの大衆化を目指す「KITCHEN IN THE LAB(キッチンインザラボ)」、当日収穫・前処理した旬の山菜の流通サービスを展開する「NT(エヌティー)」、分子農業技術を基盤に希少燃料物質の大量生産プラットフォームを開発中の「TOPOLAB(トポラボ)」、鶏の特殊部位を利用した製品を展開する「FL Company(FLカンパニー)」などが参加した。
ソウル市が運営している「青年クック」事業は、食品分野の若手起業家を総合的に支援するプログラムだ。広津区にある青年クックビジネスセンターでは、食品製造やシェアキッチンを利用した初期育成支援を行い、永登浦区にある青年クックフードテックセンターでは、フードテック企業の集中育成とオープンスタジオ・入居スペースの提供を行っている。
これらの事業は、アイデア段階からブランディング、販路開拓、海外進出、フードテック技術の高度化に至るまで、全過程を支援できるように設計されている。運営を担当するCNTTECH(シーエヌティーテック)は、2023年からこの事業を運営しており、これまでに複数の育成および直接投資の成果を実現している。
CNTTECHの関係者は、「農食品分野の若手スタートアップの成長可能性と事業性を確認した。今後も、事業拡大に必要な資金調達のため、投資家の関心を高める多角的な支援を行っていく計画だ。」と話した。