2月に訪韓したOpenAIのサム・アルトマン最高経営責任者(CEO)。電子新聞DB
OpenAI(オープンエイアイ)が韓国法人「OpenAI Korea」を正式に発足させるオープニングイベントを3日間行うことがわかった。韓国の国内メディア、政府、国会、公共機関、産業界などとの接点を増やしたい考えだ。
10日、業界によると、OpenAIはこの日から3日間、ソウル市広津(クァンジン)区内で記者懇談会、オープニングセレモニー、プライベートカンファレンスなど、「OpenAI for Korea」と題したイベントを開催する。全てのイベントは事前招待者を除き、外部には非公開で行う計画だ。
最初の公式イベントである記者懇談会には、OpenAIのジェイソン・クォン最高戦略責任者(CSO)が出席。OpenAI Koreaの今後の活動の方向性とビジョンについて直接紹介する。OpenAIは韓国企業、スタートアップ、開発者コミュニティ、政府、学界、個人などと協力を増やし、韓国のAI産業の発展と経済成長に意味ある役割を果たすと明らかにした。
韓国法人の開所式の位置づけで「オープニングセレモニー」も行う。OpenAI Koreaは当該イベントに国家AI戦略委員会と科学技術情報通信部(省)、科学技術情報放送通信委員会、情報通信産業振興院(NIPA)など、政府や国会・公共機関の要職者を多数招待したことが分かった。
セレモニーには、OpenAIでグローバル拡大と企業パートナーシップなどを総括するブラッド・ライトキャップ最高運営責任者(COO)が歓迎のあいさつをし、クォンCSOも参加する。
プライベートカンファレンスにはKakao Talk(カカオトーク)ベースの韓国のAI事業の中核パートナー、Kakaoはもちろん、サムスン、SK、LG、NAVER、KTなど主要企業の関係者が参加する。参加者は各種事業とプロジェクトセッションだけでなく、OpenAIとの協業を議論するラウンドテーブルなどにも参加予定だ。
今回の3日間のイベントで、OpenAIが国内独自のデータセンターの構築計画を発表するかどうかに関心が集まっている。OpenAIは現在、ソフトバンク・Oracle(オラクル)と米国内で700兆ウォン(約74兆3,566億6,000万円)規模の投資を通じて、AI特化の大規模データセンターを構築する「スターゲート」プロジェクトを進めている。
これとは別に、アメリカと友好関係にある海外10カ国にデータセンターを建設する「OpenAI for Countries(オープンエイアイ・フォー・カントリーズ)」事業も並行して行っている。これに先立ち、5月にアラブ首長国連邦(UAE)でのデータセンターの設立計画を発表し、初の海外プロジェクトを始動させた。UAEの政府系ファンドから支援を受けるAI企業G42とアブダビにデータセンターの建設を推進している。
また、7月にはヨーロッパでプロジェクトを正式に始めた。OpenAIはノルウェーに10億ドル(約1,474億1,500万円)規模のデータセンターを設立するため、現地投資グループ・開発会社などとパートナーシップを締結した。最近ではインド法人を設立し、インドで少なくとも1ギガワット(GW)規模のデータセンターの建設のため、現地パートナーを探していることが分かった。
OpenAIの韓国法人設立を契機に、韓国で世界4番目となるOpenAI for Countries事業が始まることになるのか注目される。これに先立ち、今年6月の韓国大統領選挙の期間中、クォンCSOは国家AI戦略委員会のイム・ムニョン常勤副委員長(当時、「共に民主党」デジタル特別委員長)と面会した。
クォンCSOは、イム副委員長らに「韓国内でのデータセンター構築、ローカルAIモデルの運営、スタートアップ投資など、様々な協力案を政府や機関と協議中だ」と明らかにした。