人工知能(AI)を活用した音楽テック企業Verses(ヴァーシス)が、短いプロンプト(指示文)を入力するだけで、ラップの歌詞とメロディ、映像まで自動生成するサービスを公開した。
同社は27日、世界初のマルチモーダルAIラップメーカー「Rappie(ラッピー)」をリリースしたことを明らかにした。Rappieは音楽の知識がなくても、簡単なプロンプトでAIがすぐにラップを生成し、映像とメロディまで作ってくれる。例えば、「雨の日に元気が出るラップを作って。」という文章を入力すると、AIが歌詞とメロディを即座に生成し、アバターが登場するミュージックビデオまで自動で制作する。
このサービスは、Versesが独自に開発したマルチモーダル生成型AI音楽エンジン「Verses One」を基盤としている。Verses Oneは、△作詞、△作曲・編曲、△ボーカル生成、△3Dアバター映像制作機能などを統合したエンジンで、これまで数百時間かかっていた音楽・映像制作をわずか数十秒で終わらせることが可能になった。
同社は、B2Cバージョンの「Rappie」をApp Storeで先行公開し、来月にはGoogle Playストアでもリリースする予定だ。さらに年内には、ユーザーの実際の声をAIが学習し、本人の声でラップを生成する「ボイスカスタマイジング」機能も追加する計画だ。
プロのミュージシャンも「Rappie」を活用することで、制作時間を大幅に短縮したり、創作のサポートツールとして利用することもできる。Versesは現在、SM(120,900ウォン▲2,800 +2.37%)エンターテインメントやSK telecom(SKテレコム{53,700ウォン▼100 -0.19%})と提携して、「Verses One」エンジンを応用した新規サービスの開発を進めている。
イ・ソンウク代表は、「音楽をただ聴くだけでなく、自分で作り、共有できる創作エコシステムを築きたかった。」とし、「AI技術を通じて、ミュージシャンとファンが相互に作用する新しい音楽体験を広げていく。」と話した。
Versesは、2022年から4年連続でCESイノベーションアワードを受賞している韓国のAI音楽テック企業だ。SMエンターテインメントと提携したインタラクティブ音楽プロジェクト「aespa World(エスパワールド)」で注目を集め、GoogleやNVIDIAなど世界のビッグテックからクラウドやGPUの支援を受けている。
<写真=Verses>
原文:https://www.unicornfactory.co.kr/article/2025102711580744105
