世界3位の経済規模と1億2000万人に達する人口を持つ日本は、アジア市場進出の重要な橋頭梁として挙げられる。特に韓国スタートアップにとって、日本はしっかりした内需市場を土台に新しい技術とサービスを試せる、巨大な舞台という点で魅力的だ。
実際に日本攻略に乗り出す企業の数は継続的な増加傾向を見せている。韓国輸出入銀行によると、日本に拠点を設立した韓国中小企業の数は2021年の67社から2022年99社、2023年167社、昨年208社に増えた。
しかし、保守的で慎重な日本の文化は、海外企業からすると高い参入障壁として作用する。信頼構築と現地リファレンス確保、製品・サービスの徹底したローカライゼーションなしには事業拡大に限界があると分析されている。
このような難しい状況にもかかわらず、日本市場で急速に事業を拡大している韓国スタートアップが、注目を集めている。最近3400億ウォン(約360.2億円)のシリーズC投資を資金調達し、企業価値1兆9000億ウォン(約2012.9億円)を認められたAI(人工知能)半導体企業「Rebellions(リベリオン)」だ。
Rebellionsは日本が、グローバルAI企業がAPAC(アジア太平洋)地域の拠点とする戦略的市場であることに注目し、3月に日本法人設立を終えた。特にAIデータセンター産業の規模が急激に成長するのに従い、AI半導体に対する需要も増加すると見込んだ。
Rebellions関係者は「日本はAIインフラ方面で高い成長可能性がある」とし「AIおよび半導体産業の再飛躍を推進する日本政府の方向性にも注目した」と語った。
日本市場の特性として、慎重な意思決定構造と精巧なコミュニケーションが要求されることを挙げた。Rebellionsはこのような特性を考慮して優先的に現地パートナー社とのコラボレーション基盤を固め、技術問合せ対応と事業開発過程は日本語で直接対応できるようにした。

Rebellions関係者は「市場進出初期であるだけに言語と文化的差異によるコミュニケーションのハードルが予想より高かった」とし「新生法人なので、現地パートナーと流通チャネルを新たに発掘して基準を設定するのに時間がかかった」と伝えた。
続いて「顧客との最初の接点を作っていく過程で、日本は検討手続きが保守的であることがわかり、明確な実績を好むことを実感した」と付け加えた。
Rebellionsは、現地のパートナー企業との緊密なコラボレーションを通じて市場攻略を加速した。現在NTTドコモの子会社であるドコモイノベーションズとPoC(技術検証)を進行中であり、これを通じて技術信頼度の確保とリファレンス構築を同時に進めている。
また、韓国大型通信会社SK telecom(SKテレコム)とKTを戦略的投資家顧客として誘致し、AI半導体を商用化した経験が、日本の現地通信会社とコミュニケーションをとり、事業を議論する過程で肯定的な要因として作用した。日本VC(ベンチャーキャピタル)から投資を受けたのも、現地のネットワーク拡張と市場理解に役立った。
Rebellions関係者は、日本進出を準備する企業が考慮すべき事項として「まず、該当産業のエコシステム全般を深く理解しなければならない。製品力だけでは信頼を得るのは難しい」とし「協力パートナーとの関係構築、顧客との接点におけるコミュニケーション方式についての準備を行わなければならない」とした。
「特に言語関連の対応は戦略的に準備しなければならない。日本の組織文化と市場慣性を理解し、それに合ったリズムでアプローチすることが効果的だ」とし、「顧客ニーズに合わせた柔軟な技術支援と洗練されたエンジニアリング対応は日本市場で強みになるだろう」と述べた。
原文:https://www.unicornfactory.co.kr/article/2025100214193869748