文化体育観光部とKOCCA、新事業「中小企画会社グローバル跳躍支援事業」を始動
韓国文化体育観光部(以下、文体部)は16日、韓国コンテンツ振興院(KOCCA)と共同で、K-POP産業の健全な生態系構築と中堅層の強化を目的とした新事業「中小企画会社グローバル跳躍支援事業」を始動し、初年度の支援対象としてリセンヌ(RESCENE)など10グループを選定したと発表した。
K-POP急成長の影で深まる二極化
近年、K-POPは世界的なブームを背景に持続的な成長を見せている。文体部によると、2025年の売上高は前年比15.8%増、輸出額は同32.4%増を記録し、グローバル市場での存在感を一段と高めている。しかしその一方で、大手エンターテインメント企業への市場集中が深刻化しており、産業を支える「中間層(中小企業)」の弱体化が懸念されてきた。
実際のデータにもその格差は顕著に表れている。
2023年基準で、大手企業の年間音楽制作費は平均431億1000万ウォン(約45億6,970万円)に達するのに対し、中小企業は平均14億9000万ウォン(約1億5,793万円)にとどまっている。また、海外公演の年間開催回数を見ても、大手の平均83.4回に対し、中小はわずか4回と、20倍以上の開きが生じているのが現状だ。
戦略に合わせた「柔軟な支援」
こうした業界の二極化を解消するために新設された本事業は、毎年、実力と成長可能性を持つ中小企画会社10社を選定し、海外進出を後押しするものだ。従来のアルバム制作や公演など特定分野に限定された支援とは異なり、各社の戦略に合わせて資金を柔軟に活用できる点が大きな特徴となっている。
選定された企業では、輸出用のアルバム・ミュージックビデオの制作、現地でのマーケティング・プロモーション、海外公演の開催などに対し、海外進出に必要な幅広い用途に充てることができる。年間最大3億ウォン(約3,179万円)の支援を受けられるだけでなく、毎年の成果評価を経て、最長3年間にわたって継続的な支援を受けることも可能だ。
初年度の選定10グループ
初年度となる今年は、RESCENE、xikers、TUNEXX、KIIRAS、can’t be blue、82MAJOR、Big Ocean、USPEER、X:IN、8TURNの計10組が選定された。
2024年にデビューした5人組のRESCENEは、日本や米国での活動を計画しており、8月には「KCON LA」のステージにも出演予定。10人組ボーイズグループのxikersは日本市場の攻略に本格的に乗り出す。また、ISTエンターテインメント所属の7人組・TUNEXXは日本や台湾に加え、インド・ムンバイでの特別ステージと現地でのミュージックビデオ撮影を通じてインド市場との接点を広げる。LeanBranding所属の6人組ガールズグループKIIRASはマレーシアでのショーケースをはじめ、アジア7カ国・10都市でのファンミーティングを推進していく。さらに、5人組バンドのcan’t be blueは海外単独公演を通じたファンダム構築を目指すなど、各グループが独自の海外進出戦略を展開する予定だ。
「新たな中小の奇跡」に期待
文体部のチェ・ソンヒコンテンツメディア産業局長は、「K-POPが世界の主流文化として定着したが、持続可能な成長のためには、産業の屋台骨となる中小企画会社が成長できる環境が必要だ」と指摘。「今回の新規事業を通じて、また新たな『中小の奇跡』が誕生し、K-POPの未来をけん引していくことを期待している」と述べた。
文体部とKOCCAは、今後も毎年選定を継続し、中小企画会社のグローバル競争力底上げと、K-POP産業の健全な生態系構築を推進していく方針だ。
参考:韓国文化体育観光部 報道資料(2026年6月16日)
https://www.mcst.go.kr/site/s_notice/press/pressView.jsp?pSeq=22503
