去る28日、東京・恵比寿にて「Japan-Korea Innovators Night」が開催された。新韓金融グループ、きらぼし銀行、韓国最大級のスタートアップイベント「Korea Startup Forum(COMEUP)」の3者による共同主催で行われた今回のイベントには、韓国の有望スタートアップ12社が参加。ピッチセッションやネットワーキングを通じ、日本市場との接点を広げた。

2度目の開催となった本イベントについて、Korea Startup Forumは、「韓国スタートアップのグローバル展開を各国で推進しているが、日本でも多くの方との繋がりを作るきっかけにしたい」と語った。さらに「日本国内でもAI事業の広がりを感じており、これまでのプラットフォーム事業からAI事業へと変化する潮流をリードしていきたい」と意気込みを見せた。

ピッチは日本語や韓国語で進行され、SconAIが提供するAIリアルタイム通訳サービスを活用することで、言語の壁を感じさせないスムーズなイベント運営が行われた。

ピッチパートでは、BeMyFriendsが芸能人やeスポーツを含むスポーツ選手などのファンコミュニティを軸とした多様な分野でのファンダムビジネス展開について紹介。同じくコンテンツ領域では、K-Beautyのグローバル展開を支援するAiden Labが登壇。インフルエンサーマーケティングからeコマース運営までをワンストップでサポートする事業モデルを説明した。日本市場ではQoo10など主要プラットフォームを活用したマーケティング支援を行っているほか、単なるPRではなく実際のコマース成果につなげてきた事例を紹介した。

また、近年注目を集めているAIを利用したウェブトゥーン制作ソリューションについてREALDRAWが登壇した。ストーリー制作から作画まで試行錯誤を繰り返しながら開発を進め、現在では従来比5倍の速度でウェブトゥーン制作が可能になったと説明した。

さらに、日本でも活動する人気K-popアイドルやタレントのマネジメントを手掛けるDayOneDreamは、音楽プロデュース、ライブ運営、IP事業など幅広い事業展開について紹介。XRスタジオやグッズ制作工場を保有し、アーティストプロデュースからコンテンツ制作まで包括的に対応している点を強みとして挙げた。

グッズ制作プラットフォームを展開するDiiverは、従来アナログに行われていたグッズ企画・制作プロセスをデータ基盤で最適化するサービスを紹介。これまでのグッズ制作は担当者の経験や勘、属人的な知識に依存しており、品質や納期にばらつきが生じやすいという課題があった。Diiverはそこにデータを持ち込み、顧客が本当に求めるデザインやアイテムを可視化。企画から制作、在庫・納期管理までをオンラインダッシュボード上でワンストップに完結させることで、意思決定のスピードと精度を同時に高める仕組みを実現している。

旅行・体験領域からは、UlruruとLocallyの2社が登壇した。Locallyはアジアナンバーワンのローカル体験プラットフォームを目指し、旅行者と現地ならではの体験をつなぐサービスを展開している。Ulruruは、趣味や興味関心をテーマに旅仲間を募り、一緒に旅行するコンパニオントラベルプラットフォームを展開。「誰と行くか」にこだわる新しい旅のスタイルを提案しており、コミュニティ起点で旅行体験の価値を高めるアプローチが特徴だ。インバウンド需要の高まりが続く日本市場との親和性の高さも注目される。

イベント後半には、日本に進出した韓国企業、韓国に進出した日本企業による対談セッションも実施され、Findy、KAFLIXCloud、Olive Unionが登壇した。

セッションでは、日本と韓国それぞれのビジネス文化の違いや市場特性について議論が行われた。日本では展示会などを通じて幅広く企業とつながる傾向がある一方、韓国では人脈を起点に関係性が広がっていく特徴があること、日本市場では信頼性や長期的な関係構築が特に重要視されることなどが共有された。

また、韓国企業の代表にはエンジニア出身者が多く、技術的な意思決定に経営陣が深く関わるケースが多い点も特徴として挙げられた。加えて、日本進出においては競合調査だけでなく、信頼できるパートナー企業の存在が極めて重要であるとの意見も見られた。

ネットワーキングタイムでは、日本企業と韓国企業だけでなく、韓国企業同士でも積極的に交流を深める様子が見られた。また、参加企業の商品などを景品としたプレゼントイベントも実施され、単なるピッチイベントにとどまらない、日韓スタートアップ間の関係構築の場となっていた。

ピッチ登壇企業一覧:REALDRAW(リアルドロー、代表チェ・サンギュ)、DiiVER(ダイバー、代表キム・ジュンベ)、BeMyFriends(ビーマイフレンズ、法人代表キム・ボヘ)、locally(ローカリー、代表ソン・ヒョングン)、Indent Copporation(インデントコーポレーション、法人長シン・ピルホ)、JeCLEAN(ジェクリーン、代表チャ・スンス)、Ulruru(ウルル、代表リュ・ジュンウ)、CORCA(コルカ、代表チョン・ヨンヒョン)、DayOneDream(デイワンドリーム、理事ジュ・ヨンソン)、Aiden Lab(エイデンラボ、代表カン・チョルヨン)、SconAI(スコンAI、代表コン・ジョンイル)、Outcome(アウトコム、代表コ・サンヒョク)

KORITで実施した参加企業へのインタビュー記事はこちら👇(公開日順)