SENIORVIBE(シニアバイブ、代表キム・スミン)は、人生の最後の瞬間まで「名誉あるバイブ」があふれる社会を作るというビジョンのもと、デバイスとAIアルゴリズム、コミュニティを一体化した360度ヘルスケア生態系の構築を目標に掲げた企業だ。SENIORVIBEは今年新しく設立された企業だが、京畿道経済科学振興院インキュベーション機関「板橋(パンギョ)スタートアップキャンパス」入居企業として、国内特許4件、PCT出願などの技術的成果も保有している。

◇超初期の上半身疾患の認知・リハビリ管理を支援

SENIORVIBEは、従来の事後治療中心だったウェルネス市場の限界を克服することに焦点を合わせている。韓国国内では上半身疾患の患者数が243万人にのぼる。シニアバイブは、彼らが経験する五十肩のような関節疾患を極めて初期の段階で認知し、予防することを中核的な価値としている。

SENIORVIBEは、中高年の肩の健康のためにAIベースの肩状態診断アルゴリズムと分析レポートシステムを開発中だ。関節角度、動作パターン分析、非対称分析などを基にした肩状態スコアリング算式(VIBE Score)を開発中で、スマートフォンアプリとデバイスの双方を活用したアクティブ可動範囲(AROM)、受動可動範囲(PROM)分析プロセスを支援する。

これをもとに、中高年層が自分の肩の状態を自ら認識し、自ら管理できるカスタマイズ型レポート機能を提供する仕組みだ。このような構造は、B2Cだけでなく、温泉やリハビリセンター、ケア施設、ウェルネス宿泊業など、多様な産業分野・B2B分野で活用可能性が期待できる。

◇日本市場から先行進入を狙う理由

SENIORVIBEは、日本・東京で開催されるILS(Innovation Leaders Summit)2025にも参加した。ベンチャー企業協会の推薦を通じてJETRO審査を通過し、これをもとにILS 2025公式ブース運営会社に最終選定された。

キム・スミン代表は、「超初期の企業が、公式機関の推薦と審査をすべて通過し、日本の現場に進出した点に大きな意味がある」と語る。

世界中で最も成熟したシニア市場を保有しているだけに、日本はSENIORVIBEにとって初期市場進出の拠点だ。日本は50歳以上の中高年層人口が韓国の総人口に匹敵する約5,000万人に及ぶ。
予防医療と在宅リハビリ市場が年平均6%以上成長する高付加価値市場でもある。シニアバイブソリューションに対する明確な需要が存在しているという計算だ。

市場に参入するため、会社側はまず来年上半期に日本現地クラウドファンディングサイトである幕明(Makuake)やキャンプファイア(CAMPFIRE)などを通じ、プレオーダー方式で初回販売を開始する計画だ。実需要に合わせて生産量を調整していき、初期投資負担を減らす一方、市場反応を検証するための戦略だ。

ILS 2025の開催期間中、SENIORVIBEは現場で日本の現地CVCとのパワーマッチングセッションはもちろん、大企業と1:1のビジネスミーティングを行った。

キム代表は「イベント期間中、150社以上の企業や機関とネットワーキングを行い、そのうちサービス紹介書や資料を要請した投資家だけでも20人余りに達する」と明らかにした。

実際、シニアバイブは10件以上のフォローアップミーティングを確定させているという。分野も多岐にわたり、福祉や医療、温泉、リハビリ、ヘルスケア関連企業が高い関心を示し、協業の可能性について議論が交わされたりもしたということだ。

現場で来場者が実際に肩の動きを測定し、その場ですぐにレポートを受け取れる体験ゾーンを設置

直接体験してみた日本の温泉事業関係者は、これまで中高年の顧客に対するウェルネス診断は感覚的な説明にとどまるケースが多かったが、SENIORVIBEのレポートが定性的な満足を超え、具体的な診断指標として顧客変化の可否を説明できるという点が印象的だったと明らかにした。

また、保険関係者からは、日本では保険の適用範囲やコストを算定する際に、状態変化に関する根拠データが重要であり、客観的な関節角度や動作パターンをもとにレポートを生成する技術は、今後日本市場内の実損保険と予防ケア分野での拡張性が期待できるとの反応が見られた。

SENIORVIBEは、技術確保と実際の量産化に向け、すでに韓国電子情報通信産業振興会(KEA)と試製品開発協約を締結し、大学研究チームから多感覚フィードバックベー型スマートリハビリ運動補助装置に関する技術ライセンスを移転する予定だ。

SENIORVIBEは今年アプリをリリースし、日本現地げのベータテストを推進する一方、来年には国内D2C自社モールや主要ECプラットフォームへの出店を行う計画だ。単なる製品販売にとどまらず、中高年向けコンテンツクリエイターの育成を通じてブランドを拡張する戦略も同時に推進する計画だ。

原文:https://startuprecipe.co.kr/archives/5799632