XR(拡張現実)コンテンツ企業のNP(エヌピー)が、瞑想アプリ「MUA(ムア)」に感情推論AIを導入したアップデート版をリリースした。
今回のアップデートでは、KAIST脳認知科学科および瞑想科学研究センターと共同で開発した感情推論アルゴリズム「MIND-C AI」を適用したのが特徴だ。MUAは、ユーザーの生体データに基づいてリアルタイムで感情状態を分析し、その結果に応じて一人一人に合った瞑想コンテンツを自動で提案する。
従来は、ユーザーが自身の感情を手動で選択する必要があったが、今回のアップデートにより、Galaxy Watch(ギャラクシーウォッチ)で測定された生体データを活用できるようになった。心拍数、心拍変動、酸素飽和度などのデータを基にユーザーの感情状態を把握し、XRヘッドセットを通じて瞑想コンテンツが提供される仕組みだ。瞑想前後の心の変化も確認できる。
MUAはXR、スマホ、センサー(ウォッチ)の3つのプラットフォームで構成されており、Meta Quest(メタクエスト)に最適化されたXR瞑想に加え、Androidモバイルアプリでは「プレビュー」機能も用意されている。現在は、Android端末に対応しており、今後はiOS版もリリース予定だ。さらに、Galaxy XRやApple Vision Pro(アップルビジョンプロ)といったプラットフォームへの拡張も検討している。
「MIND-C AI」は、心理学者ジェームズ・ラッセルの二次元感情モデルを基に人間の感情を196種類に細かく分類し、分析の基準としている。この感情モデルに、個人の生体データが組み合わされ、さらに蓄積されたユーザーの利用パターンデータも反映される。
MUAは、「2025秋季 香港エレクトロニクスフェア」や「MVEX 2025」など韓国内外の展示会に参加し、ウェルネス分野の関係者に向けて紹介された。
今回のアップデートに合わせ、サブスクリプション型の有料サービスに切り替わる。アプリをインストールしたユーザーは、一定期間無料で利用でき、「ガイド映像」を通じて様々な瞑想コンテンツを事前に体験可能だ。
NPは、来年初めからオーケストラサウンドやカラーセラピー、童話など、様々なテーマを取り入れた瞑想コンテンツを順次追加する予定だ。
ペク・スンオプ代表は、「当社は、生体データと感情を分析する技術と瞑想体験を組み合わせたプラットフォームだ。」とし、「技術とコンテンツの力を活かして、世界のウェルネス市場での成長可能性を示していきたい。」と話した。
