李在明大統領が8日、ソウル中区のソウルスクエアで開かれた国家人工知能(AI)戦略委員会の発足式で発言している。

既存の諮問機構から、予算審議・議決権を持つコントロールタワーに格上げ

韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領直属の国家人工知能(AI)戦略委員会が8日、正式に発足した。既存国家AI委員会を拡大・改編した今回の委員会は、単純な諮問の役割から、予算審議・議決権を持つ、政府のAI政策のコントロールタワーに格上げされた。

この日、ソウル中区のソウルスクエアで開かれた発足式で、李大統領は「AI 3大強国のビジョンはただの理想ではなく、大韓民国の未来を決定する核心的な生存戦略だ」とし、「国家AI戦略委員会はAI 3大強国実現のための大韓民国の総司令塔だ」と強調した。

新しい委員会は既存の45人から50人に規模が拡大し、副委員長も1人から3人に増えた。特に民間の副委員長1人を常勤に転換し、委員会運営の専門性を高めた。

李大統領が委員長を務め、副委員長は未来転換のイム・ムニョン代表(常勤)、科学技術情報通信部(部は省に相当)のペ・ギョンフン長官、企画財政部のク・ユンチョル長官が務める。民間委員34人と主要省庁長の官級13人が参加する。

委員会は国家AI政策の諸般事項に対する審議・議決権を持ち、省庁間の政策調整と予算配分にも関与できるようになった。

この日の会議で最も注目された案件は、2回流札した国家AIコンピューティングセンターの公募条件変更だった。民間企業が提起した懸念を解消するため、大幅な条件緩和がなされた。

民間の株式を既存の49%から70%に拡大し、政府の買収請求権の条件を完全に撤廃した。また、国産AI半導体の導入義務も削除したが、活用拡大のための官民協力は継続することにした。

これはこれまで民間企業が「政府介入の過多」と「収益性が不確実」を理由に参入をためらっていた状況を反映したものとみられる。センターは2028年までに高性能GPU1万5,000枚以上を確保し、「AI高速道路」の役割を果たす予定だ。

来年1月に施行されるAI基本法の下位法令の制定方向も示された。政府は企業の規制負担を最小化する方向に法令を制定すると明らかにした。

特に業界が懸念していた過怠料の賦課については、啓蒙機関を設けることにした。また、「高影響AI」の判断基準を明確に提示するガイドラインを設け、企業の不確実性を減らすとした。

施行令は来月初めに立法予告を経て確定する予定だ。

委員会は「AI 3大強国跳躍」を目指す総合計画である「AIアクションプラン」を11月まで樹立して発表予定だと明らかにした。この計画には、AIインフラの構築から人材養成、産業育成、規制革新まで、包括的な政策課題が盛り込まれるものと予想される。

イム・ムニョン副委員長は「公共の価値と民間の効率を結合してスピードと成果を最優先する組織をつくる」とし、「AI 3大強国の目標実現を滞りなく後押しする」と話した。

今回の委員会の発足は、李在明政権がAIを国政の最優先課題に設定し、既存の省庁別分散推進体系から統合コントロールタワー中心に、政策推進方式を切り替えたことを意味すると見ることができる。

原文:https://platum.kr/archives/270358