AI合成消費者調査プラットフォームThe Survey AI(ザ・サーベイエイアイ)を運営するIntellicia(インテリシア)が、合成消費者が3D仮想店舗内で直接ショッピングする過程を再現したリテールシミュレーションソフトウェア「Parastore(パラストア)」を26日、オープンソースで公開した。
店舗の位置と店頭の図面、顧客プロファイルを入力すると、LLM(大規模言語モデル)が数百人の合成消費者を自動生成し、消費者が入店・ショッピング・決済するに至る全過程をシミュレーションする形だ。
Intelliciaは自社合成消費者エンジンをParastoreに結合し、実際のコンビニエンスストアのPOPデータ(顧客500人、商品109種類)と比較検証した結果、カテゴリー別売上順位の一致度(スピアマン相関係数)が0.955に達したと明らかにした。全体の商品別販売量の分布類似度は0.802、順位整合性は0.868で、3つの指標の平均は87.5%だった。
Parastoreは、合成消費者のショッピング行動を3段階で実現している。まず目的購入型・習慣型・衝動購入型・口径型など12種類のショッピングパターンのうちの1つを設定した後、店舗内の棚の位置に応じた視線の流れを反映して商品の露出確率を算定する。最後に消費者の移動経路を計算して衝動購入の可否をAIが判断する仕組みだ。
同じペルソナでも体調、財布心理、気分、同行可否などの脈絡変数を確率的に組み合わせ、毎回異なる行動となるよう設計した。会社側は、これによって「30代の会社員」でも、疲れた日と気分が良い日のショッピングパターンが異なって再現されると説明している。
Intelliciaはこれまで、合成消費者技術をアンケートの回答領域に適用してきた。2025年の創業以降、合成消費者調査と実際の調査間の相関係数(CSI-2)が0.91に達することを検証し、CJ第一製糖、ロッテウェルフード、Pulmuone(プルムウォン)、LGユープラス、FURSYS(ファーシス)グループなどにサービスを提供してきた。今回のParastoreは、合成消費者の活動領域をアンケート用紙から物理空間に拡大したものだ。
Parastoreを活用すれば、既存の店舗の商品配置を変更した際の予想売上の変化をシミュレートしたり、新規店舗の予想反応を事前に確認したりすることが可能だ。Intelliciaは米国・日本・中国など12ヶ国の合成消費者パネル(ATLAS)を有しており、海外のポップアップストア企画時に、現地の消費者の店舗内行動と売上をあらかじめシミュレーションするのにも活用できると説明した。
Intelliciaのペク・スングク代表は、「合成消費者がアンケートに答えることから始まり、売り場を歩くことになった。これが我々が描くワールドシミュレーションの第一歩だ」とし、「リテールを皮切りに合成消費者が都市を歩いて空間を体験し、世の中と相互作用する未来をつくっていく」と話した。
ParastoreはMITライセンスでGitHub(ギットハブ)に公開され、誰でも自由に使用・修正・提供が可能だ。リテール空間の最適化研究やLLMベースのエージェントシミュレーションの参考資料としても活用できる。
